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Tが言った通り、そして目論んだ通り、全身血塗れになりながらも三匹はなかなか死ねなかった。
途中から三匹とも失血で身動きもままならない状態だったこと、前面はほぼ齧り尽くしていたこともあってその拘束を解いた。
五時間後、最初に死んだのはやはりイカれババアだった。
その頃になると三匹はもはや人間には見えなかった。
かろうじて人の形をした肉の塊といった感じだった。
「あー、ババアとうとう死んだか」
そのすぐあと、クソ馬鹿息子が死んだ。
「はい、馬鹿息子死んだ」
小太りな分だけ表面積が多いゴリラ親父は馬鹿息子が死んでから二分後に死んだ。
「やっと死んだか、小デブが」
吐き出すように呟くと、Tは眼前に転がる三つの死体をしばし眺めていた。
「おまえらには百回これと同じ目に遭わせてやりたいところったが、それが一回だけで済んだこと、それを神に感謝して三匹揃って地獄に行け」
初めて自分が自由になったような気がした。
ゾクゾクするような歓喜の感情が沸き上がってきた。
天使の吹き鳴らす祝福のラッパの音が聴こえた。
大声で叫びたいのを必死でこらえた。
気づくとTのシンボルは限界まで勃起していた。
これが、この先Tがこの情景を思い出す度にシンボルがMAXになる、その最初だった。
わかりやすいなぁ……
己がシンボルを見つめ微笑んだTは大きく伸びをして浴室へ向かった。
体を洗い出して十分ほどしたとき、物音がした。
居間からだった。
なんだぁ~?
すぐさまTは居間に戻った。
異変に気づいた。
死体が、ない。
馬鹿な! どういうことだ?
背後に気配を感じた。
瞬時に飛びすさり体を入れ替える。
なっ? こいつはっ!
常人を遥かに超える存在になっていたTが一瞬驚愕した。
それはイカれババアの死体だった。
確かに死体だった。
生きているはずがなかった。
口から涎を垂らし、死んだ魚のような目をしている。
ババアと対峙するTににじり寄ってくるもう二つの気配を感じた。
素早く視線を走らす。
クソ馬鹿息子とゴリラ親父の死体だった。
ババアと同じ症状だ。
左右からよろよろとふらつきながら近づいてくる。
途中から三匹とも失血で身動きもままならない状態だったこと、前面はほぼ齧り尽くしていたこともあってその拘束を解いた。
五時間後、最初に死んだのはやはりイカれババアだった。
その頃になると三匹はもはや人間には見えなかった。
かろうじて人の形をした肉の塊といった感じだった。
「あー、ババアとうとう死んだか」
そのすぐあと、クソ馬鹿息子が死んだ。
「はい、馬鹿息子死んだ」
小太りな分だけ表面積が多いゴリラ親父は馬鹿息子が死んでから二分後に死んだ。
「やっと死んだか、小デブが」
吐き出すように呟くと、Tは眼前に転がる三つの死体をしばし眺めていた。
「おまえらには百回これと同じ目に遭わせてやりたいところったが、それが一回だけで済んだこと、それを神に感謝して三匹揃って地獄に行け」
初めて自分が自由になったような気がした。
ゾクゾクするような歓喜の感情が沸き上がってきた。
天使の吹き鳴らす祝福のラッパの音が聴こえた。
大声で叫びたいのを必死でこらえた。
気づくとTのシンボルは限界まで勃起していた。
これが、この先Tがこの情景を思い出す度にシンボルがMAXになる、その最初だった。
わかりやすいなぁ……
己がシンボルを見つめ微笑んだTは大きく伸びをして浴室へ向かった。
体を洗い出して十分ほどしたとき、物音がした。
居間からだった。
なんだぁ~?
すぐさまTは居間に戻った。
異変に気づいた。
死体が、ない。
馬鹿な! どういうことだ?
背後に気配を感じた。
瞬時に飛びすさり体を入れ替える。
なっ? こいつはっ!
常人を遥かに超える存在になっていたTが一瞬驚愕した。
それはイカれババアの死体だった。
確かに死体だった。
生きているはずがなかった。
口から涎を垂らし、死んだ魚のような目をしている。
ババアと対峙するTににじり寄ってくるもう二つの気配を感じた。
素早く視線を走らす。
クソ馬鹿息子とゴリラ親父の死体だった。
ババアと同じ症状だ。
左右からよろよろとふらつきながら近づいてくる。
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