超人ゾンビ

魚木ゴメス

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「要するにオレは、自分の皮膚を色んな状態に変化させられるんだよ。オレはいつも全裸で、服は皮膚を変化させてるだけだから、服を着た姿のまま透明にもなれるってわけ。ちなみにこの服は脱ぐこともできる。脱皮みたいなもんだから痛みもない。質感も本物の服そっくりにできる。ちょっと見ただけじゃ普通の服と見分けはつかない。脱いだら数時間で分解しちゃうけどね。他にもいろいろできる。皮膚を鋼鉄のように硬くすることもできるんだぜ」

 これが、Tが神出鬼没だった理由だ。

 指紋は皮膚を変化させて消す。

 靴も皮膚を変化させてそう見せているだけで実際は穿いていないし、靴裏つまり足裏もつるつるに変化させれば分析できるような足跡は残らない。

 さらに疑似靴は家に入る直前に極薄の透明な抜け殻にして砂利土とともに脱ぎ捨てる。

 抜け殻は極薄なら三十分もすれば分解するから傍目はためにはそれと全くわからない。

 家に進入したあとはヤモリのように壁や天井に張りついていた。

 警察犬がいると臭いでバレて厄介だったが、なぜか警察は警察犬を使わなかったので助かった。

 多分、犬に手柄を横取りされたくなかったのだろう。

 屠塚や蚊藤を殺した際に浴びた返り血は皮膚を脱皮して自分で食った。

 星堕の首を刎ねたときは手刀を本物の刃のように硬質化させた。

 警視庁から脱走するときは一旦支給された服はトイレで脱ぎ捨て、皮膚を服に変化させていた。

 全ては、瞬間移動と思わせるためだった。

 こんなトリックが見破られるはずがなかった。

 この人は人間じゃない。今さらながらにミマヨはそう思った。

「おーい、ミマヨ、起きてるか?」

 呼びかけられハッとする。再びTの姿が裸体に戻る。

「う、うん。大丈夫」

「フフフ。こんなの見せられたら誰だって驚くよな。驚かない奴がいたらそれはオレの同類だ。で、どうしてオレがこういうことが出来るようになったか、だったな。じゃあ話してやるか。あの運命の夜のことを」
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