超人ゾンビ

魚木ゴメス

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「キャアアアアア!」

 皆が国素に注目しているとき、女の金切り声がした。

 ミマヨの声だった。

 ミマヨは両手を揃えて頭上に掲げていた。

 ミマヨの両手首は誰かに捕まれているようだった。

 が、何も見えなかった。

 そして──ミマヨの、頭空っぽの代わりに夢だか母乳だかがいっぱい詰まってはち切れそうな巨大な二つの乳房の片方、右乳房が、おしゃれな金の刺繍ししゅうの入った黒いニット服の上からもはっきりわかるほど盛り上がっているそれが、まるで水風船でも握り潰すように、見えない大きな掌で揉みしだかれていたのだ。

 見えない掌の握り込む動きに合わせて張りのある乳房が限界までひしゃげる。

「……くっ、……くうっ、……くあっ」

 乱暴に乳房を揉むリズムに合わせて苦痛と喜悦きえつの混じった声が出る。

 乳房を蹂躙されながらミマヨは感じていた。

 隊員たちはしばし呆然とその光景に魅入っていた。

 やたらとメンバーのいるアイドルグループが束になってかかっても敵わない魅力、愛くるしい童顔に不釣り合いなナイスバディで全国の男子中学生おかずランキング第一位、テレビのCMやバラエティー番組で見ない日はないくらいの超売れっ子人気モデル、そのミマヨが隊員たちの眼前でこれ見よがしに陵辱りょうじょくされている。

 全員激しく勃起していた。

 やがてミマヨの両手は下がり、見えない両掌は、ミマヨのパンパンに張った両乳房を鷲掴み、破裂させんばかりに徹底的に揉み搾っていた。

 揉みまくられている両胸の先端部の黒いニット地に白いしずくにじみ出した。

 それは見えない掌を伝って次々と床に落ちた。

 やはり頭空っぽのミマヨの胸には夢はともかく母乳はいっぱい詰まっていたのだった。

「……くうっ、……んふ、らむぅ、……くあっ、……あぁぁ、らもぉ、……くっ、……くうっ、……んぎっ、……ンギモッヂイイ!」

 ミマヨは意味不明な言葉を口走っていた。

 ピンクのミニスカートから伸びる長い素足は、初めて経験するレベルの重いものを支えるようにガクガクし、その内腿うちももはてらてらと濡れて光っていた。

「……うん、待ってる!」

 そう叫ぶとミマヨは母乳溜まりができていた床にしゃがみこむように崩れ落ちた。

 母乳でびちゃびちゃの床に両手を突き、しばらく肩で息をしていた。

 できることならその荒く吐き出される息を、ビニール袋に詰めて持ち帰りたいと誰もが思った。

 こうしてこの奇妙な現象は、ほんの五、六分であったが、隊員たちの目を大いに喜ばせて終わったのだった。

 その場の全員が十億円の宝くじに当選した気分だったのは言うまでもない。

 全員がちゃっかりスマホで撮影していた。
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