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まだ殺されていないOBたちはパニック状態に陥っていた。
その矛先は首相に向かった。
「おいっ! 亜婆(あば)君! 一体どうなっているのかねっ! 君が太鼓判を押していたあの連中! まっっっっっっったく! 役に立ってないではないかっ! ……なにぃ? わしはまだ生きているだぁ? ふざけとるのかきさまぁ!」
「ぱっ、ぺぴっ、わ、わ、私はですねっ、う、嘘は申しておりませんっ。か、か、彼らはですねっ、先生方にご紹介いたしました折に申しました通り、全員群を抜いて優秀な特殊部隊員でありまして……」
「おいっ! コラァッ! てめえこのボケナスッ! 青忌っ! 涜原っ! 野群っ! 靺田っ! 山済っ! 全員っ! 誰にも気づかれずに殺されとるだろがぁっ! あいつらのどこがぁっ! 優秀なんだぁっ!」
「ぷぽっ、ぴっ、そ、その点につきましてはですねっ、敵のほうが一枚上手というしかないのでありまして、わ、私といたしましては、万全を尽くすことは尽くしているのでありますから、せ、先生にそのように非難されるいわれは全くないと……」
「おんどりゃあっ! なんじゃあその言いぐさはっ! きさま誰のお陰で首相やってられると思っとるんじゃっ! 舐めとんのかっ!」
「な、亡くなられた五人の先生の警護についていた二十五人はそのままご健在の先生方に振り分けていますしですねっ、つまり先生方の生存の可能性はそのぶん高まっていると思うわけでありまして……」
「このアホンダラァッ! 全く役に立ってない奴が何人増えようが同じことだろうがぁっ!」
「ぺぴっ、ぷぽっ、こ、このあと十時からですねっ、そ、その件につきまして緊急の閣議がありまして、も、申し訳ありませんが一旦お電話を切らせていただきます……」
まだ受話器の向こうで何やら喚いていたが、無視して切った。
マリアナ海溝より深い溜め息をつく。
「おい、もうこいつらからの電話は俺に繋ぐなよ。居留守使え」
傍らの秘書官にそう伝え、閣議が開かれる部屋へと向かう。
クソどもが。てめえらが侮れない力を持ってるからってこっちが下手に出てりゃあ調子に乗りやがって。殺されてざまあみろだ。てめえらなんざ本当ならアホな下級国民どもと同様に完無視してやるところだ。ってもうそうするけどな。どうせてめえらは終わりだ。どこの誰か知らんが目の上のこぶを勝手に除去してくれて感謝だぜ。高須クリニック並みの手際の良さだぜマーベラス!
亜婆旬三(あばしゅんぞう)首相は犯人に国民栄誉賞を与えたい気分だった。
その矛先は首相に向かった。
「おいっ! 亜婆(あば)君! 一体どうなっているのかねっ! 君が太鼓判を押していたあの連中! まっっっっっっったく! 役に立ってないではないかっ! ……なにぃ? わしはまだ生きているだぁ? ふざけとるのかきさまぁ!」
「ぱっ、ぺぴっ、わ、わ、私はですねっ、う、嘘は申しておりませんっ。か、か、彼らはですねっ、先生方にご紹介いたしました折に申しました通り、全員群を抜いて優秀な特殊部隊員でありまして……」
「おいっ! コラァッ! てめえこのボケナスッ! 青忌っ! 涜原っ! 野群っ! 靺田っ! 山済っ! 全員っ! 誰にも気づかれずに殺されとるだろがぁっ! あいつらのどこがぁっ! 優秀なんだぁっ!」
「ぷぽっ、ぴっ、そ、その点につきましてはですねっ、敵のほうが一枚上手というしかないのでありまして、わ、私といたしましては、万全を尽くすことは尽くしているのでありますから、せ、先生にそのように非難されるいわれは全くないと……」
「おんどりゃあっ! なんじゃあその言いぐさはっ! きさま誰のお陰で首相やってられると思っとるんじゃっ! 舐めとんのかっ!」
「な、亡くなられた五人の先生の警護についていた二十五人はそのままご健在の先生方に振り分けていますしですねっ、つまり先生方の生存の可能性はそのぶん高まっていると思うわけでありまして……」
「このアホンダラァッ! 全く役に立ってない奴が何人増えようが同じことだろうがぁっ!」
「ぺぴっ、ぷぽっ、こ、このあと十時からですねっ、そ、その件につきまして緊急の閣議がありまして、も、申し訳ありませんが一旦お電話を切らせていただきます……」
まだ受話器の向こうで何やら喚いていたが、無視して切った。
マリアナ海溝より深い溜め息をつく。
「おい、もうこいつらからの電話は俺に繋ぐなよ。居留守使え」
傍らの秘書官にそう伝え、閣議が開かれる部屋へと向かう。
クソどもが。てめえらが侮れない力を持ってるからってこっちが下手に出てりゃあ調子に乗りやがって。殺されてざまあみろだ。てめえらなんざ本当ならアホな下級国民どもと同様に完無視してやるところだ。ってもうそうするけどな。どうせてめえらは終わりだ。どこの誰か知らんが目の上のこぶを勝手に除去してくれて感謝だぜ。高須クリニック並みの手際の良さだぜマーベラス!
亜婆旬三(あばしゅんぞう)首相は犯人に国民栄誉賞を与えたい気分だった。
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