35 / 155
35
しおりを挟む
こいつは片手で軽々とわしを壁に叩きつけおった……なんという怪力!
悦子は、Tの体をマッサージするように両手で撫で回し、さっきまで蚊藤にしていたようにときどき擽り、Tが擽られる度に軽く痙攣するとクスクス笑っていた。
「ぬくくく……お、おのれ……」
自分が死ぬまでの間授乳させるために手に入れた母乳奴隷・悦子(二十九歳)が、自分に完全服従して身も心も捧げてくれていたはずの悦子が、今目の前で、いきなり現れ自分に狼藉を働いたどこの馬の骨とも知れない男に、薄々感づいてはいたが自分のときとは違って真心から授乳しているのを見せつけられ、恥辱と恐怖と怒りで気も狂わんばかりだった。
生まれたての子鹿のように四肢をがくがくさせながら、ようやく立ち上がった蚊藤は人間の手足が生えたゴミ虫のようであった。
「きさまあっ! どうやってここに入った! 何が目的だっ! わしにこんな真似してただで済むと思っとるのか!」
見かけからは想像もつかない迫力あるだみ声でTを怒鳴りつけた。
元Z務事務次官にして、現在も名前だけの大企業顧問、政府系金融機関総裁、大手地方銀行頭取として破格の報酬を得ている、勝ち組の中の勝ち組のみが出せる声であった。
普段、悦子との会話においては「ばぁぁぶぅ」「はぁぁい」「ちゃぁん」しか喋らない蚊藤の、これが凶暴な本性であった。
「おい! おまえっ! わしの質問に答えんかぁっ! ぐがっ」
何かが蚊藤の額にぶち当たり今度はあお向けにひっくり返った。
背中と後頭部を強かに打ち、息が詰まり目の前を星がちらついた。
「く、か、こ……」
気力を振り絞りやっとの思いで再び立ち上がった。
足下を見ると罅の入ったガラガラが転がっていた。
な、なんだとぉ~っ!
Tに授乳していた悦子が傍らにあったそれを拾い上げるや、うるさいとばかりに蚊藤にぶつけたのだ。
悦子! おのれは~っ!
悦子は、Tの体をマッサージするように両手で撫で回し、さっきまで蚊藤にしていたようにときどき擽り、Tが擽られる度に軽く痙攣するとクスクス笑っていた。
「ぬくくく……お、おのれ……」
自分が死ぬまでの間授乳させるために手に入れた母乳奴隷・悦子(二十九歳)が、自分に完全服従して身も心も捧げてくれていたはずの悦子が、今目の前で、いきなり現れ自分に狼藉を働いたどこの馬の骨とも知れない男に、薄々感づいてはいたが自分のときとは違って真心から授乳しているのを見せつけられ、恥辱と恐怖と怒りで気も狂わんばかりだった。
生まれたての子鹿のように四肢をがくがくさせながら、ようやく立ち上がった蚊藤は人間の手足が生えたゴミ虫のようであった。
「きさまあっ! どうやってここに入った! 何が目的だっ! わしにこんな真似してただで済むと思っとるのか!」
見かけからは想像もつかない迫力あるだみ声でTを怒鳴りつけた。
元Z務事務次官にして、現在も名前だけの大企業顧問、政府系金融機関総裁、大手地方銀行頭取として破格の報酬を得ている、勝ち組の中の勝ち組のみが出せる声であった。
普段、悦子との会話においては「ばぁぁぶぅ」「はぁぁい」「ちゃぁん」しか喋らない蚊藤の、これが凶暴な本性であった。
「おい! おまえっ! わしの質問に答えんかぁっ! ぐがっ」
何かが蚊藤の額にぶち当たり今度はあお向けにひっくり返った。
背中と後頭部を強かに打ち、息が詰まり目の前を星がちらついた。
「く、か、こ……」
気力を振り絞りやっとの思いで再び立ち上がった。
足下を見ると罅の入ったガラガラが転がっていた。
な、なんだとぉ~っ!
Tに授乳していた悦子が傍らにあったそれを拾い上げるや、うるさいとばかりに蚊藤にぶつけたのだ。
悦子! おのれは~っ!
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説


ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

アレンジ可シチュボ等のフリー台本集77選
上津英
大衆娯楽
シチュエーションボイス等のフリー台本集です。女性向けで書いていますが、男性向けでの使用も可です。
一人用の短い恋愛系中心。
【利用規約】
・一人称・語尾・方言・男女逆転などのアレンジはご自由に。
・シチュボ以外にもASMR・ボイスドラマ・朗読・配信・声劇にどうぞお使いください。
・個人の使用報告は不要ですが、クレジットの表記はお願い致します。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる