超人ゾンビ

魚木ゴメス

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「おっぱいおっぱい」

 Tはビンビンにり返った熱く脈打つシンボルを、歩みに連動して上下左右に振りながら二人に近付いた。

 母乳美女は激しく上気した顔で、ぽってりとした肉厚の唇を開き、そこから白く輝くエナメル質の前歯を覗かせ、かぐわしい甘い熱い息を吐き、黒い濃い睫毛で囲まれた大きな瞳をきらめかせながら、お預けを食った犬のように待ち構えていた。

 Tは二人の目の前まで進むと、すっとしゃがみこみ、片手で蚊藤の頭をつかんだ。
 めきめきと音を立てるように指がくい込んでいった。

「かはっ」

 あまりの激痛に蚊藤が口を離した瞬間、その体ごと美女から引きがしぬいぐるみを投げるように軽い動作で後ろへ放り投げた。そのままタックルするように美女に抱きつき早とちりの噴乳をしていた魅惑の片乳首を、その病的なまでに真っ白な肌の色に反比例して濃いげ茶色で水で戻した干し椎茸しいたけの表面そっくりの質感の、無数の亀裂のように皺が寄って盛り上がっている乳輪ごと頬張るように咥えこむや牛用ミルカーのように強烈な乳吸いを始めた。

 美女はTの荒々しい飲乳で体を揺らされながら、きかん坊をあやす母親のようにどこまでも優しくTを抱え、思いがけずアイドルに求愛された追っかけおばさんのように歓喜していた。

「おっぱい美味しい?」

「うん」

「ママのおっぱい美味しい?」

「うん」

「嬉しい! それにとっても気持ちいいわぁ。ママのおっぱい、いっぱい、いっぱい 飲もうね」

「うん」

「いい子いい子……坊やはいい子ねぇ」

「うん」

 Tはスッポンのように美女の巨乳首に食らいつき、決して口を離すことなく鼻で返事をするのだった。

 壁に叩きつけられ顔から絨毯に激突した蚊藤は、死ぬ寸前のゴキブリのように這いつくばりながら、いきなり背後から試し斬りされた江戸時代の町人のような理不尽を味わっていた。

 ちなみに、いったん飲乳行為に入ると、その間は完全に痴呆化し何もわからなくなる乳ボケ老人蚊藤が正気にかえったのは、Tに万力まんりきのような力で頭を締め付けられたときだった。
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