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月の砂漠のかぐや姫 第11話
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「また、進み始めましたね」
逃げた駱駝を探して、終始砂漠の奥の方に気を配っている竹姫と羽。ずっと離れたところに、その二人をじっと見つめている人影がありました。万が一にも二人に見つからないように、注意深く砂丘の影の中に潜んでいるその人物は、バダインジャランでラクダを探す竹姫と羽の行動を、ここまでずっと追いかけてきていたのでした。
その人物は、二人が移動を再開したのに合わせて、傍らに座らせていた駱駝を立ち上がらせました。二人に気付かれないように一定の距離を保ちつつ、二人を追いかけていくつもりのようでした。
「砂丘の影の中に潜んではいるが‥‥‥どうやら、また動き始めるようだな」
竹姫と羽を監視している人物からさらに離れたところに、もう一人、傍らに駱駝を座らせて、男が潜んでいました。この男は、竹姫と羽からは遠く離れた場所にいるので、どうやら、二人をではなく影に潜んでいる人物を監視しているようでした。
竹姫と羽を監視することに気を取られ、逆に自分が監視されるなどとは考えもしていないようなその人物と違い、対象から発見されることのないよう注意深く監視を行い、なおかつ、自らの周囲にも気を放って警戒を怠らない男の様子からは、数々の修羅場を潜り抜けたと思わせる凄みが感じられました。
筋肉質の大柄な体格で、月の民が騎上で用いるものよりも二回りは多きい強弓を背負うその男は、羽の父であり貴霜族の若者頭、この遊牧隊の長でもある大伴でした。
バダインジャラン砂漠を彷徨う駱駝。それを探す竹姫と羽。その二人を監視している人物。そして、さらにその人物を監視している大伴。中天に差し掛かかった月は、眼下で繰り広げられているこの奇妙な光景を、どのように感じているのでしょうか。
ただ黙って、それぞれに平等に青白い光を与える月。その月に、薄く雲がかかってくるのでした。
砂丘のうねりのほかには特に視界を遮るもののない砂漠では、見かけの距離よりも実際の距離の方が長いことがしばしばあります。竹姫が見つけた「赤い」何かに向って進み始めた二人でしたが、やはりその場所までは、思っていたよりも距離があるのでした。
途中、砂丘を上ったり下ったりする必要もありましたから、高低差の関係で砂丘に視界を遮られて、どうしても「赤い」ものが見えなくなるときもありました。そんなときには、二人とも声には出しませんでしたが「次にあの場所を見たときに、あれがいなくなっていたらどうしよう」との不安を胸の内に抱えるのでした。
そのため、急斜面を上り下りするときであっても、竹姫は駱駝の背からずり落ちそうになる身体を、鞍に両手でしがみついたりしながら必死に高く保って、少しでも手掛かりから目をそらさないように頑張るのでした。
気持ちばかりが焦る中、できる限りの速さで急ぐ二人。
そして二人は、ようやく、砂地のくぼみの中が良く見えるところまで辿り着きました。
「見て、羽。やっぱり、あの駱駝だったよ! 良かったね!」
「おおっ! 良し! いや、まだ捕まえたわけじゃないからな。大きな声出さないようにな」
二人にとってうれしいことに、近づくにつれてその「赤い」ものは、逃げた駱駝であることがわかってきました。
思わず大声を上げて喜ぶ竹姫と羽でしたが、やはり、遊牧経験で鍛えられている羽です。すぐに気を引き締めるのでした。
「むぅ、羽だって大きな声出したくせに‥‥‥。でも、そうだね、ゆっくり静かに、だね」
竹姫も、羽の言うことをすぐに理解しました。ここで、駱駝が驚いて走って逃げだすようなことがあれば、また一から探索のやり直しです。慎重に慎重に事を運ばなければなりません。二人は、いつもの遊牧生活で駱駝を扱う際には見せたことのないような慎重さで、ゆっくりゆっくり、静かに静かに、逃げた駱駝に近づいていきました。
斜面を降りてくぼみに入ります。
静かに、静かに。
緊張のあまり、足元で砂が踏みしめられる音さえ、とても大きく聞こえてきます。
もう、赤い布を首に巻き付けた駱駝が、くぼみの中にぽつぽつと生えているアカシアの茂みの横に立っているのがはっきりと見えます。
「竹はここで待っていてくれ」
少し離れたところで竹姫を乗せた駱駝を停止させると、逃げた駱駝を刺激しないように、羽はゆっくりゆっくりと近づいていきます。
「羽、頑張れー」
竹姫は、駱駝の背で手綱をぎゅっと握りしめながら、声なき声で羽を応援しました。
もう少し、あと少し。
「なんだろう。これまで自分にこんなに慎重に近づいてくる人を見たことがないな」などとでも考えているのか、逃げた駱駝は不思議そうに羽に視線を向けましたが、そこにはおびえたような色は見えませんでした。
「よしよし、良い子だ。そのままそのまま。たらふく食ったんだろう、良かったな……。よしよし、よし、よし。やった、やっと捕まえたぁっ」
駱駝をなだめるためか自分の緊張を鎮めるためか、小さな声で駱駝に語り掛けながら近づく羽。そして、とうとう、羽は逃げた駱駝の両前足にひもを結わえることができたのでした。一度両前足を結わえてしまえば、駱駝は走ることができません。いつでも轡をとって連れ出すことが可能です。薄暮の時から始まった二人の探索行は、長い時間をかけてバダインジャラン砂漠に踏み込んだところで、ようやく終了したのでした。もう、夜はすっかり更けて、月は中天に達していました。
「助かったぁ」
さしもの羽もほっとしたのでしょう。大きく伸びをして砂漠に大の字に寝ころびました。
「なんだ、こいつは」とでもいうように、捕まった駱駝が羽の顔に鼻を近づけ匂いを嗅ぎました。
「ははは、まったく、いい気なもんだぜこいつはよ。ふらふらと夜の散歩に出ただけですって顔してるぜ」
羽は、その駱駝の鼻面をいとおしそうに撫でさすりました。駱駝が悪くないのは彼にもわかっています。むしろ、自分の姿を見て逃げ出さないでいてくれたことに、嬉しさを感じているぐらいでした。
「良かったね、羽! 良かったね、羽ぅうう」
竹姫は、自分の駱駝から飛び降りると、大の字になっている羽に飛びつきました。嬉しいのかほっとしたのか、言葉の後半は泣き声になっていました。
「わっわっ。竹。ありがたいけど、ちょっと待てちょっと」
自分の事のように喜んでくれる竹姫、その勢いに圧倒されながらも、慌てて羽は竹姫がここまで乗ってきた駱駝に近づき、しっかりと両前足を結わえました。これで安心、同じ失敗は二度と繰り返さないというものでした。
「羽ーっ」
竹姫はまだ、喜びの波動が、身体中を駆け巡っているようでした。
がしっと羽の両手を握ります。そしてその両手を自分の頬に当てました。
「ほんとにほんとに、良かったねぇ‥‥‥。う、う、あああぁぁん、良かったあ」
そのまま、泣き出してしまう竹姫でした。羽も、もちろん、とても安心して、嬉しくて、大声をあげたいぐらいなのですが、先に竹姫にここまで喜ばれてしまうと、照れが来てしまいます。でも、両手は竹姫に握られたままです。
「あ、ありがとうな、竹。ほんとにありがとう」
そう、竹姫に声をかけながら、照れ隠しに頬をかくこともできずに、二人を照らす月を見上げる羽なのでした。
逃げた駱駝を探して、終始砂漠の奥の方に気を配っている竹姫と羽。ずっと離れたところに、その二人をじっと見つめている人影がありました。万が一にも二人に見つからないように、注意深く砂丘の影の中に潜んでいるその人物は、バダインジャランでラクダを探す竹姫と羽の行動を、ここまでずっと追いかけてきていたのでした。
その人物は、二人が移動を再開したのに合わせて、傍らに座らせていた駱駝を立ち上がらせました。二人に気付かれないように一定の距離を保ちつつ、二人を追いかけていくつもりのようでした。
「砂丘の影の中に潜んではいるが‥‥‥どうやら、また動き始めるようだな」
竹姫と羽を監視している人物からさらに離れたところに、もう一人、傍らに駱駝を座らせて、男が潜んでいました。この男は、竹姫と羽からは遠く離れた場所にいるので、どうやら、二人をではなく影に潜んでいる人物を監視しているようでした。
竹姫と羽を監視することに気を取られ、逆に自分が監視されるなどとは考えもしていないようなその人物と違い、対象から発見されることのないよう注意深く監視を行い、なおかつ、自らの周囲にも気を放って警戒を怠らない男の様子からは、数々の修羅場を潜り抜けたと思わせる凄みが感じられました。
筋肉質の大柄な体格で、月の民が騎上で用いるものよりも二回りは多きい強弓を背負うその男は、羽の父であり貴霜族の若者頭、この遊牧隊の長でもある大伴でした。
バダインジャラン砂漠を彷徨う駱駝。それを探す竹姫と羽。その二人を監視している人物。そして、さらにその人物を監視している大伴。中天に差し掛かかった月は、眼下で繰り広げられているこの奇妙な光景を、どのように感じているのでしょうか。
ただ黙って、それぞれに平等に青白い光を与える月。その月に、薄く雲がかかってくるのでした。
砂丘のうねりのほかには特に視界を遮るもののない砂漠では、見かけの距離よりも実際の距離の方が長いことがしばしばあります。竹姫が見つけた「赤い」何かに向って進み始めた二人でしたが、やはりその場所までは、思っていたよりも距離があるのでした。
途中、砂丘を上ったり下ったりする必要もありましたから、高低差の関係で砂丘に視界を遮られて、どうしても「赤い」ものが見えなくなるときもありました。そんなときには、二人とも声には出しませんでしたが「次にあの場所を見たときに、あれがいなくなっていたらどうしよう」との不安を胸の内に抱えるのでした。
そのため、急斜面を上り下りするときであっても、竹姫は駱駝の背からずり落ちそうになる身体を、鞍に両手でしがみついたりしながら必死に高く保って、少しでも手掛かりから目をそらさないように頑張るのでした。
気持ちばかりが焦る中、できる限りの速さで急ぐ二人。
そして二人は、ようやく、砂地のくぼみの中が良く見えるところまで辿り着きました。
「見て、羽。やっぱり、あの駱駝だったよ! 良かったね!」
「おおっ! 良し! いや、まだ捕まえたわけじゃないからな。大きな声出さないようにな」
二人にとってうれしいことに、近づくにつれてその「赤い」ものは、逃げた駱駝であることがわかってきました。
思わず大声を上げて喜ぶ竹姫と羽でしたが、やはり、遊牧経験で鍛えられている羽です。すぐに気を引き締めるのでした。
「むぅ、羽だって大きな声出したくせに‥‥‥。でも、そうだね、ゆっくり静かに、だね」
竹姫も、羽の言うことをすぐに理解しました。ここで、駱駝が驚いて走って逃げだすようなことがあれば、また一から探索のやり直しです。慎重に慎重に事を運ばなければなりません。二人は、いつもの遊牧生活で駱駝を扱う際には見せたことのないような慎重さで、ゆっくりゆっくり、静かに静かに、逃げた駱駝に近づいていきました。
斜面を降りてくぼみに入ります。
静かに、静かに。
緊張のあまり、足元で砂が踏みしめられる音さえ、とても大きく聞こえてきます。
もう、赤い布を首に巻き付けた駱駝が、くぼみの中にぽつぽつと生えているアカシアの茂みの横に立っているのがはっきりと見えます。
「竹はここで待っていてくれ」
少し離れたところで竹姫を乗せた駱駝を停止させると、逃げた駱駝を刺激しないように、羽はゆっくりゆっくりと近づいていきます。
「羽、頑張れー」
竹姫は、駱駝の背で手綱をぎゅっと握りしめながら、声なき声で羽を応援しました。
もう少し、あと少し。
「なんだろう。これまで自分にこんなに慎重に近づいてくる人を見たことがないな」などとでも考えているのか、逃げた駱駝は不思議そうに羽に視線を向けましたが、そこにはおびえたような色は見えませんでした。
「よしよし、良い子だ。そのままそのまま。たらふく食ったんだろう、良かったな……。よしよし、よし、よし。やった、やっと捕まえたぁっ」
駱駝をなだめるためか自分の緊張を鎮めるためか、小さな声で駱駝に語り掛けながら近づく羽。そして、とうとう、羽は逃げた駱駝の両前足にひもを結わえることができたのでした。一度両前足を結わえてしまえば、駱駝は走ることができません。いつでも轡をとって連れ出すことが可能です。薄暮の時から始まった二人の探索行は、長い時間をかけてバダインジャラン砂漠に踏み込んだところで、ようやく終了したのでした。もう、夜はすっかり更けて、月は中天に達していました。
「助かったぁ」
さしもの羽もほっとしたのでしょう。大きく伸びをして砂漠に大の字に寝ころびました。
「なんだ、こいつは」とでもいうように、捕まった駱駝が羽の顔に鼻を近づけ匂いを嗅ぎました。
「ははは、まったく、いい気なもんだぜこいつはよ。ふらふらと夜の散歩に出ただけですって顔してるぜ」
羽は、その駱駝の鼻面をいとおしそうに撫でさすりました。駱駝が悪くないのは彼にもわかっています。むしろ、自分の姿を見て逃げ出さないでいてくれたことに、嬉しさを感じているぐらいでした。
「良かったね、羽! 良かったね、羽ぅうう」
竹姫は、自分の駱駝から飛び降りると、大の字になっている羽に飛びつきました。嬉しいのかほっとしたのか、言葉の後半は泣き声になっていました。
「わっわっ。竹。ありがたいけど、ちょっと待てちょっと」
自分の事のように喜んでくれる竹姫、その勢いに圧倒されながらも、慌てて羽は竹姫がここまで乗ってきた駱駝に近づき、しっかりと両前足を結わえました。これで安心、同じ失敗は二度と繰り返さないというものでした。
「羽ーっ」
竹姫はまだ、喜びの波動が、身体中を駆け巡っているようでした。
がしっと羽の両手を握ります。そしてその両手を自分の頬に当てました。
「ほんとにほんとに、良かったねぇ‥‥‥。う、う、あああぁぁん、良かったあ」
そのまま、泣き出してしまう竹姫でした。羽も、もちろん、とても安心して、嬉しくて、大声をあげたいぐらいなのですが、先に竹姫にここまで喜ばれてしまうと、照れが来てしまいます。でも、両手は竹姫に握られたままです。
「あ、ありがとうな、竹。ほんとにありがとう」
そう、竹姫に声をかけながら、照れ隠しに頬をかくこともできずに、二人を照らす月を見上げる羽なのでした。
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