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社長の笑顔
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寿村商店に関係するニュースの切り抜き等をまとめたノートを手渡しながら、さくらは言った「社長はコスト意識が強いですね」
キョトンとする寿村をよそにさくらは続けた。
「社長の会社、誰が見ても従業員が居ると考えます。居ないなんて信じられません」
「あー、そのことね。よく言われるよ。雑用くらいバイトにやらせればいい、と」
「そう思います。そこで空いた時間で金融市場と対峙すればもっと利益確保できると思うのです」
「そうなんだけどね。雑用は他の人に譲るつもり無いんだよね」
「どうしてですか」
「苦労した時代を忘れたくないんだ。苦労があったからこそ今があるからね」
「社長が、、、苦労、、、笑笑」
イメージ出来ずに無邪気に笑うさくらを寿村は優しい眼差しで見守りながら
「何がおかしいのかな」
「いいえ、失礼しました。私、寿村社長は生まれもって成功者だと思っていまして、勿論、そのステータスの方にはその階級でのご苦労はお有りだと存じますが」
「社長は金融市場で利益を継続的に確保出来るスキルもお持ちですし、財産もお持ちです。かと言って偉ぶることはされず、いつも笑顔ですし、時に自らピエロになって周りの皆さんを笑わせたりしてます」
「世の中って色々な人がいるんだなあー、って思っています」
「東山さんがそんな風に私を見ていたなんて意外ですよ」
「そして、最後の感想、、、色々な人がいるなあー、が面白い」
「あっ、いえ、その、、、」
「ワッハッハ」
「いやいや、なんでもそう。最初から全て上手くいくなんてことはないよ」
「そうでしょ。失敗や苦い経験があって、それでも頑張って、いつかいいことがある」
「えっ、社長、、、」
さくらは不意を突かれた。
大好きな母親の口癖「頑張ればいいことある」
母親を思い出して固まっているさくらに
「そういえば、ここに来る前の電話で、何か相談があるようなこと言ってたよね」
寿村が声を掛けた。
さくらはなぜか少しうるうるしながら、
「はい、ご意見を伺いたいことがありまして、、、。」
「どうぞ。私でよければ」
「あのー、一般的な話としてiDeCoとNISA中小企業の方々に説明するとしたら、どちらに力点を置くのが正解と思われますか」
性格なのか、ただの不器用なのか、全く変化のない、そのままの質問をさくらは投げた。
「へー、どこかで説明会するんだね。私も行こうかな笑」
「いえいえいえ、社長、そうではなく」
「はいはいはい、私なりの意見を真面目に言うと、、、」
キョトンとする寿村をよそにさくらは続けた。
「社長の会社、誰が見ても従業員が居ると考えます。居ないなんて信じられません」
「あー、そのことね。よく言われるよ。雑用くらいバイトにやらせればいい、と」
「そう思います。そこで空いた時間で金融市場と対峙すればもっと利益確保できると思うのです」
「そうなんだけどね。雑用は他の人に譲るつもり無いんだよね」
「どうしてですか」
「苦労した時代を忘れたくないんだ。苦労があったからこそ今があるからね」
「社長が、、、苦労、、、笑笑」
イメージ出来ずに無邪気に笑うさくらを寿村は優しい眼差しで見守りながら
「何がおかしいのかな」
「いいえ、失礼しました。私、寿村社長は生まれもって成功者だと思っていまして、勿論、そのステータスの方にはその階級でのご苦労はお有りだと存じますが」
「社長は金融市場で利益を継続的に確保出来るスキルもお持ちですし、財産もお持ちです。かと言って偉ぶることはされず、いつも笑顔ですし、時に自らピエロになって周りの皆さんを笑わせたりしてます」
「世の中って色々な人がいるんだなあー、って思っています」
「東山さんがそんな風に私を見ていたなんて意外ですよ」
「そして、最後の感想、、、色々な人がいるなあー、が面白い」
「あっ、いえ、その、、、」
「ワッハッハ」
「いやいや、なんでもそう。最初から全て上手くいくなんてことはないよ」
「そうでしょ。失敗や苦い経験があって、それでも頑張って、いつかいいことがある」
「えっ、社長、、、」
さくらは不意を突かれた。
大好きな母親の口癖「頑張ればいいことある」
母親を思い出して固まっているさくらに
「そういえば、ここに来る前の電話で、何か相談があるようなこと言ってたよね」
寿村が声を掛けた。
さくらはなぜか少しうるうるしながら、
「はい、ご意見を伺いたいことがありまして、、、。」
「どうぞ。私でよければ」
「あのー、一般的な話としてiDeCoとNISA中小企業の方々に説明するとしたら、どちらに力点を置くのが正解と思われますか」
性格なのか、ただの不器用なのか、全く変化のない、そのままの質問をさくらは投げた。
「へー、どこかで説明会するんだね。私も行こうかな笑」
「いえいえいえ、社長、そうではなく」
「はいはいはい、私なりの意見を真面目に言うと、、、」
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