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1-15 救世主と決意
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雫ママはカウンター横まで矢部を迎えに行き、多くの客が歌う時に好む立ち位置まで移動する間、そう歌詞が始まるまでずっと矢部に向かって何やら話していた。
大志はそんな雫ママを見ながら、一生懸命バランス取ってくれてるなぁ、、、と、そして雫ママが矢部に何を話していたのかほぼ完璧に推察していた。
チリリーン
「遅いよー、ヒデちゃん」
勝彦が電話してから1時間くらいして
やっとコア5人衆の最後の重鎮が現れた。
「大阪からの出張帰りなんだよ」
「ハァーまたミナミまで遊びに行ったの?」
一斉に、悠一、勝彦、大志から突っ込まれ、
「イヤぁー、一応、仕事」
と言ってみた、、、が、、、、、
会社の理事である秀雄の仕事はやっぱり夜に集中しているのも、また事実だった。
「あっ、ママ、デュエットの最中に、来ちゃってごめんなさいね」
忘れていいの、はすっかりみんなから忘れられ、ほぼ終了という感じだった。
だった。
雫ママに諭され、一旦大人しくなったかに見えた矢部は、やはりヤベー奴だった。
「なんだよ、気持ち良く歌ってたら、うるさいんだよ。気分わりぃんだよ、オッさん」
「イヤぁ、タイミング悪くて本当に申し訳なかった」
秀雄は流石に大人の対応をした。
「はぁい、皆さん、仲良くしましょうね。
皆さんの日頃のご愛顧に感謝して、私からシャンパンをプレゼントしまぁーす」
なんとか店の雰囲気を良い方向にもっていこうと雫ママは仲に入った。
そして賭けに出た。
「矢部さん、ケイちゃんもみんなこっちのテーブル席で、一緒に飲みましょう」
遥は感心しきっていた。
雫ママの対応と、そして、気付けばシャンパンと人数分のシャンパングラスが優子の手によって既に綺麗に並べられている。
啓太はふわふわぁーと、
「了解でーす」
と、左隣りのテーブルに座った秀雄の横に腰を下ろした。そして
「矢部さん、こっち」
と、手招きしたのだった。
流石に気配を感じて、最善の位置取りに持ち込もうとしたのだった。
メモリーズは大人の集う場所なのだ。
絡み酒の矢部は啓太の隣りに座ってしばらくすると、半分以上睡魔との闘いにあけくれ、人間には絡む元気はなくなっていた。
テーブルを囲み、話題は専らミナミの話だった。
「はっはっは」
「本当か?」
「まぁ、イヤだわ」
いつもの楽しい時間は笑顔とともに流れていった。そろそろ、閉店かなぁ?という頃、大志は勝彦に耳打ちした。
「カッちゃん、何もなければそれでいいんだけど、実は俺、あそこで半分寝てる初老の方、知ってるんだよ。
昔のままだったら多分やっかいだよ。もしも、、、になったらやっちゃうけどいいよな?」
大志は勝彦には一目置いていることもあり、予告をした。
「多分、ダメだよ。人間の本質はそんなに変わらないからな。ただ、、、」
「分かってるよ。雫ママには迷惑も心配もさせないから。外に引きずり出してから、な」
「タイちゃん、だいたい俺が止めてもダメでしょ!」
いい人達なのか、怖い人達なのか?
ただ、言えることはここの重鎮達はこのコミュニティが好きでずっと守っていきたい、きっとそれが共通項なのだ。
大志はそんな雫ママを見ながら、一生懸命バランス取ってくれてるなぁ、、、と、そして雫ママが矢部に何を話していたのかほぼ完璧に推察していた。
チリリーン
「遅いよー、ヒデちゃん」
勝彦が電話してから1時間くらいして
やっとコア5人衆の最後の重鎮が現れた。
「大阪からの出張帰りなんだよ」
「ハァーまたミナミまで遊びに行ったの?」
一斉に、悠一、勝彦、大志から突っ込まれ、
「イヤぁー、一応、仕事」
と言ってみた、、、が、、、、、
会社の理事である秀雄の仕事はやっぱり夜に集中しているのも、また事実だった。
「あっ、ママ、デュエットの最中に、来ちゃってごめんなさいね」
忘れていいの、はすっかりみんなから忘れられ、ほぼ終了という感じだった。
だった。
雫ママに諭され、一旦大人しくなったかに見えた矢部は、やはりヤベー奴だった。
「なんだよ、気持ち良く歌ってたら、うるさいんだよ。気分わりぃんだよ、オッさん」
「イヤぁ、タイミング悪くて本当に申し訳なかった」
秀雄は流石に大人の対応をした。
「はぁい、皆さん、仲良くしましょうね。
皆さんの日頃のご愛顧に感謝して、私からシャンパンをプレゼントしまぁーす」
なんとか店の雰囲気を良い方向にもっていこうと雫ママは仲に入った。
そして賭けに出た。
「矢部さん、ケイちゃんもみんなこっちのテーブル席で、一緒に飲みましょう」
遥は感心しきっていた。
雫ママの対応と、そして、気付けばシャンパンと人数分のシャンパングラスが優子の手によって既に綺麗に並べられている。
啓太はふわふわぁーと、
「了解でーす」
と、左隣りのテーブルに座った秀雄の横に腰を下ろした。そして
「矢部さん、こっち」
と、手招きしたのだった。
流石に気配を感じて、最善の位置取りに持ち込もうとしたのだった。
メモリーズは大人の集う場所なのだ。
絡み酒の矢部は啓太の隣りに座ってしばらくすると、半分以上睡魔との闘いにあけくれ、人間には絡む元気はなくなっていた。
テーブルを囲み、話題は専らミナミの話だった。
「はっはっは」
「本当か?」
「まぁ、イヤだわ」
いつもの楽しい時間は笑顔とともに流れていった。そろそろ、閉店かなぁ?という頃、大志は勝彦に耳打ちした。
「カッちゃん、何もなければそれでいいんだけど、実は俺、あそこで半分寝てる初老の方、知ってるんだよ。
昔のままだったら多分やっかいだよ。もしも、、、になったらやっちゃうけどいいよな?」
大志は勝彦には一目置いていることもあり、予告をした。
「多分、ダメだよ。人間の本質はそんなに変わらないからな。ただ、、、」
「分かってるよ。雫ママには迷惑も心配もさせないから。外に引きずり出してから、な」
「タイちゃん、だいたい俺が止めてもダメでしょ!」
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ただ、言えることはここの重鎮達はこのコミュニティが好きでずっと守っていきたい、きっとそれが共通項なのだ。
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