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本編
60.「あぁ。戦闘だけは、得意だからな」
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「ったく、この馬鹿!やつのペースに乗せられて……」
「いくらベルゼブブ様でも、サクヤを侮辱するのは許せませんが」
不機嫌そうなベルゼブブの言葉に被せられた絶対零度の声。あの場にいた全員がペースを持っていかれていたし、スズランがたまたま近くにいた咲夜を選んだだけなので、咲夜が理不尽に責められる言われはない。フィルが言いたかったのはそういう事だ。
「あんなにふざけてても神は神なのです。本来"人"が何かを言い返せるはずないのです」
「その証拠に、父様だって途中まで惚けてたじゃない」
「……わ、悪かった、言いすぎた」
フィルに続いてミドルと、ルルにまで指摘され大人げなかったと謝るベルゼブブ。しゅん……としょぼくれている姿はまさに、大きな子供といった風である。因みにとうの咲夜そっちのけであることに誰も気付かない。
「で、どないすんの?」
そう話を切り出したのは、この城に来てからフィルとの約束通り黙りを決め込んでいたリィカであった。
「どうするって言っても断れないよね?」
「うん。ゆあはリュカがウィルを潰すっていうからついて来たし」
「あぁ。当初の目的からほぼズレてないよな」
「確かに、そうだな。ウィルを潰すなら必然的にカスミソウとやらをどうにかする必要がありそうだしな」
どうせやらなくちゃいけないし、と受け入れモードの咲夜達。リィカも 竜王が動くならラフィリアも動くから、と協力体制。
「あの、できれば協力をお願いしたいんですが」
「言われずとも。ナゼルが関わっていた時点で私も協力しないと責任がとれないじゃない」
「ルルが動くならボクらも手伝うのです」
「あぁ。戦闘だけは、得意だからな。……あと言いそびれてたが普通に喋れ」
とまぁ結局この場にいた全員が、カスミソウを封印する流れに。ただし彼らはあくまでもフィルに協力するだけであって、スズランの頼みを受け入れたとは頑として認めなかった。
***シェル***
とある世界でふと、夜回りをしていた女性が立ち止まり、星空を見上げた。
「オレも、動くのか」
***りん***
とある世界でふと、夕食を食べていた夫婦が手を止めて窓の外を見た。
「全くもう、この忙しい時期ニィ……」
「ですね」
***ルシ***
とある世界でふと、ピクニックをしていた1家が青空を見上げた。
「少しだけ、協力しようかな」
「そうだな」
***ユキ***
とある世界でふと、女性が銃の手入れをしていた手を休めて空を見た。
「また面倒なことが起こりそうね」
***イオ***
日本の山奥にある社でふと、月見酒をしていた二人の少女が視線を手に持つコップに移動させた。
「やっと動く気になったみたいー」
「我らは関わらぬほうがよかろう」
「だねー」
***スズラン***
「咲夜、リュカ、ゆあ、一。ベルゼブブ達も、ごめんね、大変なことを頼んじゃって……」
誰もいない神界で、ポツリと呟いた少年。床に並べられた6つの水晶玉にはそれぞれ話し合いをする咲夜達と、そしてスズランからのメッセージを受けった5人の様子が写っている。
「ボクは直接は何も出来ないけど、せめて援護はするから。だから、頑張って……」
こうして見て、そして頼れる数人の人しか手助けに送ってやれない自分が悔しくて仕方ないスズラン。だからせめて、全力でサポートしようと今一度心に決めたのだった。
「いくらベルゼブブ様でも、サクヤを侮辱するのは許せませんが」
不機嫌そうなベルゼブブの言葉に被せられた絶対零度の声。あの場にいた全員がペースを持っていかれていたし、スズランがたまたま近くにいた咲夜を選んだだけなので、咲夜が理不尽に責められる言われはない。フィルが言いたかったのはそういう事だ。
「あんなにふざけてても神は神なのです。本来"人"が何かを言い返せるはずないのです」
「その証拠に、父様だって途中まで惚けてたじゃない」
「……わ、悪かった、言いすぎた」
フィルに続いてミドルと、ルルにまで指摘され大人げなかったと謝るベルゼブブ。しゅん……としょぼくれている姿はまさに、大きな子供といった風である。因みにとうの咲夜そっちのけであることに誰も気付かない。
「で、どないすんの?」
そう話を切り出したのは、この城に来てからフィルとの約束通り黙りを決め込んでいたリィカであった。
「どうするって言っても断れないよね?」
「うん。ゆあはリュカがウィルを潰すっていうからついて来たし」
「あぁ。当初の目的からほぼズレてないよな」
「確かに、そうだな。ウィルを潰すなら必然的にカスミソウとやらをどうにかする必要がありそうだしな」
どうせやらなくちゃいけないし、と受け入れモードの咲夜達。リィカも 竜王が動くならラフィリアも動くから、と協力体制。
「あの、できれば協力をお願いしたいんですが」
「言われずとも。ナゼルが関わっていた時点で私も協力しないと責任がとれないじゃない」
「ルルが動くならボクらも手伝うのです」
「あぁ。戦闘だけは、得意だからな。……あと言いそびれてたが普通に喋れ」
とまぁ結局この場にいた全員が、カスミソウを封印する流れに。ただし彼らはあくまでもフィルに協力するだけであって、スズランの頼みを受け入れたとは頑として認めなかった。
***シェル***
とある世界でふと、夜回りをしていた女性が立ち止まり、星空を見上げた。
「オレも、動くのか」
***りん***
とある世界でふと、夕食を食べていた夫婦が手を止めて窓の外を見た。
「全くもう、この忙しい時期ニィ……」
「ですね」
***ルシ***
とある世界でふと、ピクニックをしていた1家が青空を見上げた。
「少しだけ、協力しようかな」
「そうだな」
***ユキ***
とある世界でふと、女性が銃の手入れをしていた手を休めて空を見た。
「また面倒なことが起こりそうね」
***イオ***
日本の山奥にある社でふと、月見酒をしていた二人の少女が視線を手に持つコップに移動させた。
「やっと動く気になったみたいー」
「我らは関わらぬほうがよかろう」
「だねー」
***スズラン***
「咲夜、リュカ、ゆあ、一。ベルゼブブ達も、ごめんね、大変なことを頼んじゃって……」
誰もいない神界で、ポツリと呟いた少年。床に並べられた6つの水晶玉にはそれぞれ話し合いをする咲夜達と、そしてスズランからのメッセージを受けった5人の様子が写っている。
「ボクは直接は何も出来ないけど、せめて援護はするから。だから、頑張って……」
こうして見て、そして頼れる数人の人しか手助けに送ってやれない自分が悔しくて仕方ないスズラン。だからせめて、全力でサポートしようと今一度心に決めたのだった。
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