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本編
23.事情聴取
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「それで、君はどうしたんだね」
「どうしたもこうしたもねぇよ」
イライラと机を叩きながら答えになっていないことを言うのは、フィル。その前に机を挟んで座るのは警察官。咲夜達は自宅待機。
「真面目に答えんかっ!一体お前はあそこで何をしていた!」
「何もしてねぇよ。それとも何だ、あの破壊後は俺がやったもんだと?あの化け物は作り物だと?」
「重機を使えば……」
「あそこにジュウキなんてあったか?あの破壊を素手でやったとでも!?」
いやまぁ実際出来ちゃうフィルなのだが。そんな事より、フィルはこの平行線の話し合いにいい加減うんざりしていた。
朝起きて挙動不審の一を見て楽しんでいた所に来たのがこの警察官。防犯カメラの映像に写っていたフィルを事情聴取するためにこの場に連れてこられてかれこれ3時間。
「それよりさっさと家に返してくれ」
「何を言っている。お前が事実を吐くまでずっと、ここが家だ。だから早く吐け。あぁ、何人たりとも面会は許さん」
なんだコイツは。何もかも、自分の立場さえ忘れて、フィルはそう思ってしまった。と、そこに血相を変えて取り込んできた者が1人。
「しょ、署長!リュカ・ラフィリアなんていう人物、国籍にありません!」
「ほっほう!お前、何処からきた?ん?」
心底嬉しそうに聞いてくる上に、咲夜が側に居ないことでフィルは相当イライラしておりまして。ついつい、口を滑らせてしまった。
「ラフィリア国。俺はそこの王だ」
「……お前、薬物をしてるんじゃあないだろうな。んん?まぁ、いずれにしてもお前が家に帰れるのは数年後だろうな」
「(ふざけるな)」
「さぁ早く証拠を揃えろ。怪しい部分は沢山あるからな。私はこの手の若者が1番嫌いなんだ」
「(ふざけるな。ヒトごときの分際で)」
ギリッとフィルが歯ぎしりする。今フィルは暴れだそうとする魔力を抑えるのに必死だった。
もしここでフィルが暴れれば、咲夜に迷惑がかかるから。仕方なく、カイに貰った魔力安定の魔石を取り出す。
「おい何だそれは」
「あ?何でもいいだろ」
署長の言葉を一蹴して石を口に含み、力任せに噛み砕くフィル。それだけで今にも暴走せんとしていた魔力がいくらか安定して、息をつく。
「おい待て!今すぐそれを吐き出せ。麻薬の類だろう?」
「違ぇよ。てめぇのせいで気が狂いそうだからそれを治すもんだよ」
「そういうものを麻薬と言うのだ!」
麻薬じゃねぇよ、魔石だよ。心の中でそうツッコミつつ、取られちゃ大変とばかりにガリガリ噛み砕く。そんなフィルに近ずき無理にでも吐かせようとする男が2人と女が1人。
「っ、触んじゃねぇ!」
不意に女の手が腕に触れ、ぞわりと悪寒が走り強い拒否感から全力で逃げたフィル。
「(サクヤジャナイ)」
「……っくそ!」
せっかく魔石を食べたのにこれでは無意味だ。たった3時間、されど3時間。最近のフィルが咲夜からそこまで長時間離れることなんてなかった。それ故に、精神が安定しない。
「とりあえず情緒不安定の傾向が見られる為、明日に事情聴取を延期するとしよう」
その一言がトドメだった。爆発的に魔力が高まり、暴走を始める。その直前、フィルはどうにか自分が気を失うことでそれを阻止したのだった。
*** ***
実際の法は無視しています
「どうしたもこうしたもねぇよ」
イライラと机を叩きながら答えになっていないことを言うのは、フィル。その前に机を挟んで座るのは警察官。咲夜達は自宅待機。
「真面目に答えんかっ!一体お前はあそこで何をしていた!」
「何もしてねぇよ。それとも何だ、あの破壊後は俺がやったもんだと?あの化け物は作り物だと?」
「重機を使えば……」
「あそこにジュウキなんてあったか?あの破壊を素手でやったとでも!?」
いやまぁ実際出来ちゃうフィルなのだが。そんな事より、フィルはこの平行線の話し合いにいい加減うんざりしていた。
朝起きて挙動不審の一を見て楽しんでいた所に来たのがこの警察官。防犯カメラの映像に写っていたフィルを事情聴取するためにこの場に連れてこられてかれこれ3時間。
「それよりさっさと家に返してくれ」
「何を言っている。お前が事実を吐くまでずっと、ここが家だ。だから早く吐け。あぁ、何人たりとも面会は許さん」
なんだコイツは。何もかも、自分の立場さえ忘れて、フィルはそう思ってしまった。と、そこに血相を変えて取り込んできた者が1人。
「しょ、署長!リュカ・ラフィリアなんていう人物、国籍にありません!」
「ほっほう!お前、何処からきた?ん?」
心底嬉しそうに聞いてくる上に、咲夜が側に居ないことでフィルは相当イライラしておりまして。ついつい、口を滑らせてしまった。
「ラフィリア国。俺はそこの王だ」
「……お前、薬物をしてるんじゃあないだろうな。んん?まぁ、いずれにしてもお前が家に帰れるのは数年後だろうな」
「(ふざけるな)」
「さぁ早く証拠を揃えろ。怪しい部分は沢山あるからな。私はこの手の若者が1番嫌いなんだ」
「(ふざけるな。ヒトごときの分際で)」
ギリッとフィルが歯ぎしりする。今フィルは暴れだそうとする魔力を抑えるのに必死だった。
もしここでフィルが暴れれば、咲夜に迷惑がかかるから。仕方なく、カイに貰った魔力安定の魔石を取り出す。
「おい何だそれは」
「あ?何でもいいだろ」
署長の言葉を一蹴して石を口に含み、力任せに噛み砕くフィル。それだけで今にも暴走せんとしていた魔力がいくらか安定して、息をつく。
「おい待て!今すぐそれを吐き出せ。麻薬の類だろう?」
「違ぇよ。てめぇのせいで気が狂いそうだからそれを治すもんだよ」
「そういうものを麻薬と言うのだ!」
麻薬じゃねぇよ、魔石だよ。心の中でそうツッコミつつ、取られちゃ大変とばかりにガリガリ噛み砕く。そんなフィルに近ずき無理にでも吐かせようとする男が2人と女が1人。
「っ、触んじゃねぇ!」
不意に女の手が腕に触れ、ぞわりと悪寒が走り強い拒否感から全力で逃げたフィル。
「(サクヤジャナイ)」
「……っくそ!」
せっかく魔石を食べたのにこれでは無意味だ。たった3時間、されど3時間。最近のフィルが咲夜からそこまで長時間離れることなんてなかった。それ故に、精神が安定しない。
「とりあえず情緒不安定の傾向が見られる為、明日に事情聴取を延期するとしよう」
その一言がトドメだった。爆発的に魔力が高まり、暴走を始める。その直前、フィルはどうにか自分が気を失うことでそれを阻止したのだった。
*** ***
実際の法は無視しています
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