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2話 そしてショタとショタ神は出会った。
ショタとの出会い
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「はぁ……」
今日、間違って学校に行ってしまった僕は、帰路についているのだが、なにやら周りの人々から異様なものを見るような目で見られているようだった。
横を通った休日の女子高生らしき集団が僕とすれ違った後、「あの子、間違って学校行ったのかな?クスクス」
「シッ!あの子に聞こえちゃうでしょ。クスクス」と言っていて、僕の繊細で脆い心が深く傷ついた。
女子高生達とかなり距離が空いた後、僕は、「はぁーーーー……」っと長いため息をついた。
(なんで間違って学校に行っちゃったんだろ……僕のバカバカバカバカバカバカバカ……)
そんなことを考えて歩いていたら、もう家はすぐそこだった。
僕は半分泣きたい気分で、思いっきり速く走り、すぐに自分の部屋のトビラへと向かった。
ちなみにアパートの見た目だが、歴史があると言えば聞こえがいいが、只のボロアパートである。
でも、ちょっと和風な見た目で僕は結構好きだ。
あと、ボロい、といっても一様、穴は空いていないので安全性はバッチリである。
(部屋に帰って朝寝?昼寝?をしたら、朝のことは忘れるだろう。)
そう思っていた僕は、鞄から銀色の少し錆びた鍵を出す。
そして、鍵穴へと刺し、右にクルッと回す。
カチャ、と音が鳴り、ドアの鍵が開く。
カギを抜き、ドアノブに手をかけてドアを開ける。
部屋の中にはふかふかのソファーと
カーペットと新しいテレビとその他諸々があった。
やっぱり自分の部屋ほど落ち着くものは無い。
洗面所で手洗いうがいをして、自分の部屋へと行く。
僕は色々あって本当に眠かったので、自分の部屋に入ると人形のようにへにゃへにゃと布団に入ってしまい、惰眠を貪った。
*
「あのあのーすいませんーショタっ子、寝顔可愛いんだけど鍵開けっ放しは俺みたいなショタコンが不法侵入してくるから危ないよー」
どこからか声がする。
僕は重たい瞼をゆっくりと開けた。
すると、目の前に20代であろう
ワンコみたいな男の顔があった。
僕は慌てて、その男の顔を蹴った。
男は、「痛っ!痛っ!……ショタっ子ちゃんよ、残念ながら私にとってはそれはご褒……グハッ」
男の鳩尾に踵落としをしてやった。
ざまぁみろ。不法侵入した報いだ。ちなみに鳩尾はみぞおち、踵はかかとと読む。
ちょっとした豆知識。
流石にもう気絶したかな?と思ったらまだ息があった。
僕はもう一回踵落としをしようと思ったが、大人気ないし、この男がどこから取り出したのか白旗を振っているので、やめておいた。
とりあえず1階のリビングで不法侵入にした事情を聞くことにした。
ロープで椅子にグルグル巻きにしておいたので逃げられることはないだろう。
「えっとね……俺、神様なんだよね。君の家に派遣されたんだ。三年限定で」
「はぁ?神様なんているわけないじゃん?…………じゃあなんか神様っぽいことして見てよ。そうしたら信じるよ」
「えー、天界規約で妖精召喚しか
地上で出来ないんだけど。1日1回まで。今日はもう無理。
あ、でも空を飛ぶことぐらいなら出来るよ」
「空を飛ぶ?じゃあ僕に見せてみてよ。そしたらお前が神様だって信じるよ」
「……外はまずいから、家の中でいい?」
「いいよ」
全く、空なんて飛べるわけないじゃん、なんなんだこの中二病は。そう思いながら自称神様を見ていると、何かを唱え始めた。
「$%#$\$\$∀»»!」
唱え終わった。すると、自称神様の体は少しずつ床から離れていき、天井に自称神様の手がついた。
「あ、確か人間には飛んでる姿見せるのも禁止だったぁ……アハハ、アハハ、アハハ、もう始末書とか消えてしまえ」
何故か自分が神様だと証明出来たのに泣いていた。
笑い泣きとはこういうのを言うのか、そう思っていると神様は床に足を着き、泣きながらドヤ顔をしてきた。
「ドヤっ!これで信じてくれた?
…グスン」
僕は喋るのが面倒だったのでコクリと頷いた。
神様は満足そうだった。
そして神様は少し悩む動作をして、最終的に左手をパーにして、右手をグーにして、右手を左手の手のひらにポンとする動作をした。
閃きを表したいのだろうか?
口で、「そうだ!」とでも言ったらいいのに。
「ねぇ、ショタっ子?お兄さんの部屋ってある?」
「ない」
「え?」
「ない」
「えっ?えっ?」
「ないよ、僕、一人暮らしだもん」
「マジかぁ……仕方ない、お兄さんもショタっ子ちゃんの部屋でね……むぎゅう!」
「嫌だ、断る、そんな趣味はない!」
「(´・ω・`)」
*
結局、神様は隣の部屋を借りたらしい。
お金は案外持っているようだった。
ちょっとイラッとする。
ふと、首もとにかけてあるペンダントを見る。
「K.T.」と刻まれた金色のペンダントは、両親からの最後の誕生日プレゼントだ。
両親が事故で亡くなったあの日から、ずっと大切に持っている。
ギュッとペンダントを握り、神様に今の平和な日常を潰されないように願った。
今日、間違って学校に行ってしまった僕は、帰路についているのだが、なにやら周りの人々から異様なものを見るような目で見られているようだった。
横を通った休日の女子高生らしき集団が僕とすれ違った後、「あの子、間違って学校行ったのかな?クスクス」
「シッ!あの子に聞こえちゃうでしょ。クスクス」と言っていて、僕の繊細で脆い心が深く傷ついた。
女子高生達とかなり距離が空いた後、僕は、「はぁーーーー……」っと長いため息をついた。
(なんで間違って学校に行っちゃったんだろ……僕のバカバカバカバカバカバカバカ……)
そんなことを考えて歩いていたら、もう家はすぐそこだった。
僕は半分泣きたい気分で、思いっきり速く走り、すぐに自分の部屋のトビラへと向かった。
ちなみにアパートの見た目だが、歴史があると言えば聞こえがいいが、只のボロアパートである。
でも、ちょっと和風な見た目で僕は結構好きだ。
あと、ボロい、といっても一様、穴は空いていないので安全性はバッチリである。
(部屋に帰って朝寝?昼寝?をしたら、朝のことは忘れるだろう。)
そう思っていた僕は、鞄から銀色の少し錆びた鍵を出す。
そして、鍵穴へと刺し、右にクルッと回す。
カチャ、と音が鳴り、ドアの鍵が開く。
カギを抜き、ドアノブに手をかけてドアを開ける。
部屋の中にはふかふかのソファーと
カーペットと新しいテレビとその他諸々があった。
やっぱり自分の部屋ほど落ち着くものは無い。
洗面所で手洗いうがいをして、自分の部屋へと行く。
僕は色々あって本当に眠かったので、自分の部屋に入ると人形のようにへにゃへにゃと布団に入ってしまい、惰眠を貪った。
*
「あのあのーすいませんーショタっ子、寝顔可愛いんだけど鍵開けっ放しは俺みたいなショタコンが不法侵入してくるから危ないよー」
どこからか声がする。
僕は重たい瞼をゆっくりと開けた。
すると、目の前に20代であろう
ワンコみたいな男の顔があった。
僕は慌てて、その男の顔を蹴った。
男は、「痛っ!痛っ!……ショタっ子ちゃんよ、残念ながら私にとってはそれはご褒……グハッ」
男の鳩尾に踵落としをしてやった。
ざまぁみろ。不法侵入した報いだ。ちなみに鳩尾はみぞおち、踵はかかとと読む。
ちょっとした豆知識。
流石にもう気絶したかな?と思ったらまだ息があった。
僕はもう一回踵落としをしようと思ったが、大人気ないし、この男がどこから取り出したのか白旗を振っているので、やめておいた。
とりあえず1階のリビングで不法侵入にした事情を聞くことにした。
ロープで椅子にグルグル巻きにしておいたので逃げられることはないだろう。
「えっとね……俺、神様なんだよね。君の家に派遣されたんだ。三年限定で」
「はぁ?神様なんているわけないじゃん?…………じゃあなんか神様っぽいことして見てよ。そうしたら信じるよ」
「えー、天界規約で妖精召喚しか
地上で出来ないんだけど。1日1回まで。今日はもう無理。
あ、でも空を飛ぶことぐらいなら出来るよ」
「空を飛ぶ?じゃあ僕に見せてみてよ。そしたらお前が神様だって信じるよ」
「……外はまずいから、家の中でいい?」
「いいよ」
全く、空なんて飛べるわけないじゃん、なんなんだこの中二病は。そう思いながら自称神様を見ていると、何かを唱え始めた。
「$%#$\$\$∀»»!」
唱え終わった。すると、自称神様の体は少しずつ床から離れていき、天井に自称神様の手がついた。
「あ、確か人間には飛んでる姿見せるのも禁止だったぁ……アハハ、アハハ、アハハ、もう始末書とか消えてしまえ」
何故か自分が神様だと証明出来たのに泣いていた。
笑い泣きとはこういうのを言うのか、そう思っていると神様は床に足を着き、泣きながらドヤ顔をしてきた。
「ドヤっ!これで信じてくれた?
…グスン」
僕は喋るのが面倒だったのでコクリと頷いた。
神様は満足そうだった。
そして神様は少し悩む動作をして、最終的に左手をパーにして、右手をグーにして、右手を左手の手のひらにポンとする動作をした。
閃きを表したいのだろうか?
口で、「そうだ!」とでも言ったらいいのに。
「ねぇ、ショタっ子?お兄さんの部屋ってある?」
「ない」
「え?」
「ない」
「えっ?えっ?」
「ないよ、僕、一人暮らしだもん」
「マジかぁ……仕方ない、お兄さんもショタっ子ちゃんの部屋でね……むぎゅう!」
「嫌だ、断る、そんな趣味はない!」
「(´・ω・`)」
*
結局、神様は隣の部屋を借りたらしい。
お金は案外持っているようだった。
ちょっとイラッとする。
ふと、首もとにかけてあるペンダントを見る。
「K.T.」と刻まれた金色のペンダントは、両親からの最後の誕生日プレゼントだ。
両親が事故で亡くなったあの日から、ずっと大切に持っている。
ギュッとペンダントを握り、神様に今の平和な日常を潰されないように願った。
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