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7品目:執行猶予中の温やっこ(400円)
(7-4)お会計
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「こちら、薬味セット二つですね~」
「薬味セット?」
「はい~。うちの『やっこ』は冷たいのと温かいのから選べるだけじゃなくて、薬味を十二種類の中から四種類チョイスできるんですよ~~」
僕の方の器には、小口ネギ、ごま高菜、食べるラー油、黄色いオイルソースのようなものの四種類。ジョーさんの方はミョウガ、天かす、山形だし、なめ茸の編成だ。ただの豆腐が、急に豪華なおかずに見えてくる。
まずはオーソドックスに小口ネギをチョイス。小皿によそってぱらぱらとふりかけ、テーブルに備え付けのポン酢を回しかける。
「改めて、いただきます」
割りばしで下から持ち上げ、ひょいと口の中へ。
ポン酢とネギの香りが、ふわりと広がっていく。シャキシャキとした食感や、豆腐とポン酢の温度差が楽しい。ずっと口内に留めておきたくなってしまう。
お次はごま高菜。白ごまと和え、ごま油で炒めたもののようだ。豆腐の上に載せて、再び割りばしで一口。ピリ辛な高菜と、マイルドな豆腐が合う。ネギとは違ったシャキシャキ感で、濃い味付けなので、ご飯にもぴったりなのは間違いない。
三番目は食べるラー油だ。刻みニンニク、フライドオニオン、干しエビが真っ赤な海を泳いでいる。豆腐を大きめに削って、その上にたっぷりとかける。こっちはレンゲで大胆にいただこう。ばくりと食べると、主張の強い具材の風味が押し寄せてくる。薬味とは思えないザクザクな歯ごたえで、がっつり行きたくなる。
そして気になっていた、謎のオイルソース。
見た目から味の想像がつかない。豆腐をレンゲで小さくすくってから、割りばしで液体を数滴垂らしてそっと口へ。
「……?」
酸っぱいような、甘いような、それでいて、コクがある。
そうか。この油の正体は、オリーブオイルだ。
そこに塩とレモンが加えられている。さらにブラックペッパーが全体を引き締め、大豆の旨みを後押ししている。いわば洋風温やっこだ。ちゅるんとした豆腐と、ねっとりした酸味のあるソースが絡み合い、癖になる。
四者四様、どれもうまい。豆腐にこれほど薬味のバリエーションがあるなんて、考えてもみなかった。
ジョーさんは割りばしで半分ほどに切った豆腐に天かす、山形だし、なめ茸をライドオンし、ほんのりポン酢でコーティングしている。
「特製たぬき豆腐の完成だ」
こぼれる薬味ごとレンゲですくい上げ、大口でぱくり。
「……ふっ」
言葉はいらない。満面の笑みを見れば、最強の一品であることは容易に想像がつく。
「一口分けてもらってもいいですか」
だから僕がおすそ分けを要求してしまうのは自然な行動なのだ。
「おうよ、食え食え」
遠慮せずに掘削し、僕も大口で食らう。
豆腐、天かす、山形だし、なめ茸、ポン酢が手を取り合い、口の中で芸術作品を創作していた。
ネバネバ、ポリポリ、サクサク、トロトロ。渾然一体となった特製たぬき豆腐は、もはや平和の象徴と呼べるのではなかろうか。文句なしで今まで食べてきた豆腐の中で一番だ。
そこからは薬味を交換し合い、品評会が催された。
「オイルソースにミョウガを混ぜるとバーニャカウダっぽくなるぞ」
「醤油でふやけた天かすだけでもイケますよ」
「山形だしとミョウガの相性もいいな」
「ラー油と高菜のコンビも意外と」
「ネギをポン酢で浸して一味唐辛子をかけると、グレードアップするな」
「口の中が濃くなったところを、豆腐単体でリセットできますね」
二丁の豆腐は、あっという間になくなってしまった。
これは残り四種類の薬味も気になるところだ。豆腐をリピートしたくなるなんて感覚は初めてだった。
「ふー、食った食った」
ミョウガをちびちびつまみながら、ジョーさんも満足げだった。
「これで、『ゆう』のメニューはコンプリートだぜ」
「相当通い詰めましたね」
「本懐を遂げられてよかったぜ。ところで、紙とペンを貸してくれねぇか?」
「あ、はい」
ウエストポーチからボールペンとメモ帳を渡すと、ジョーさんはどこかの住所を記入する。そしてメモを千切り、今度は文章を書き始めた。
「お前さん、この店は好きか?」
「ええ。料理もお酒もおいしいし、飲み友達もできましたし」
おまけに、失恋のショックからも立ち直らせてくれた。救いといっても過言ではない。
「依存はするなよ?」
「え?」
「俺たちゃ仮初の存在だ。俺自身、今の人生を執行猶予みてぇなモンだと思っている。本来なら行くべき場所があるのに、神様か閻魔様かの温情でシャバにいさせてもらっているんだ。執行猶予が終わったところで、まぁ、戻る場所は現世じゃねぇけどな。友達が増えるのは結構だが、ここが拠りどころになっちまったら、油断すると引き込まれるぜ」
「……ご忠告、心に留めておきます」
忘れかけていたが、ここは幽霊居酒屋なのだ。目の前で手紙を書いているジョーさんも、いつもにひひと笑っているマナも、ふわふわと舞うようにフロアで働いているアイハも、本来なら出会うはずのない存在だ。僕やユウさんのように霊感がなければ視認することもできない。優先すべきは生きとし生ける者であることは、頭ではわかっているつもりだ。
しかし、僕の中で『ゆう』は確実に大きな存在となっている。通う頻度を意図的に下げるつもりはないが、今一度自覚しなければならないのは確かだ。
「さて、そろそろ行くかな」
「あれ、もうですか?」
「自分で食った分は払うから安心しろよ。ユウちゃん、お会計」
食事をしたら代金を払う。当たり前のことだ。
なのにユウさんをはじめとする、店中の視線が一斉に僕たちに集まった。
「……もう、行っちゃうんですね」
レジの前でジョーさんを見送るアイハの瞳は、憂いを帯びていた。一方のジョーさんは快活な表情で、お金の代わりに手紙を預ける。
「ここの住所にカミさんが住んでるから、こっちの紙を渡しておいてくれ。俺の筆跡は特徴的だから信じてもらえると思うからよ。金額は今まで食った分にちょっと色つけといた」
「客なのに今まで手伝ってもらって悪かったな」
「気にすんな。俺も気楽に居酒屋仕事ができて楽しかったよ。それよりいい加減新しいバイト雇った方がいいぜ」
「応募資格に『霊感持ち』は外せないな」
ユウさんとジョーさんの間で、渇いた笑いが起こる。
なんだ、このしみったれた空気は。まるで今生の別れかのような。
「……まさか」
「薬味セット?」
「はい~。うちの『やっこ』は冷たいのと温かいのから選べるだけじゃなくて、薬味を十二種類の中から四種類チョイスできるんですよ~~」
僕の方の器には、小口ネギ、ごま高菜、食べるラー油、黄色いオイルソースのようなものの四種類。ジョーさんの方はミョウガ、天かす、山形だし、なめ茸の編成だ。ただの豆腐が、急に豪華なおかずに見えてくる。
まずはオーソドックスに小口ネギをチョイス。小皿によそってぱらぱらとふりかけ、テーブルに備え付けのポン酢を回しかける。
「改めて、いただきます」
割りばしで下から持ち上げ、ひょいと口の中へ。
ポン酢とネギの香りが、ふわりと広がっていく。シャキシャキとした食感や、豆腐とポン酢の温度差が楽しい。ずっと口内に留めておきたくなってしまう。
お次はごま高菜。白ごまと和え、ごま油で炒めたもののようだ。豆腐の上に載せて、再び割りばしで一口。ピリ辛な高菜と、マイルドな豆腐が合う。ネギとは違ったシャキシャキ感で、濃い味付けなので、ご飯にもぴったりなのは間違いない。
三番目は食べるラー油だ。刻みニンニク、フライドオニオン、干しエビが真っ赤な海を泳いでいる。豆腐を大きめに削って、その上にたっぷりとかける。こっちはレンゲで大胆にいただこう。ばくりと食べると、主張の強い具材の風味が押し寄せてくる。薬味とは思えないザクザクな歯ごたえで、がっつり行きたくなる。
そして気になっていた、謎のオイルソース。
見た目から味の想像がつかない。豆腐をレンゲで小さくすくってから、割りばしで液体を数滴垂らしてそっと口へ。
「……?」
酸っぱいような、甘いような、それでいて、コクがある。
そうか。この油の正体は、オリーブオイルだ。
そこに塩とレモンが加えられている。さらにブラックペッパーが全体を引き締め、大豆の旨みを後押ししている。いわば洋風温やっこだ。ちゅるんとした豆腐と、ねっとりした酸味のあるソースが絡み合い、癖になる。
四者四様、どれもうまい。豆腐にこれほど薬味のバリエーションがあるなんて、考えてもみなかった。
ジョーさんは割りばしで半分ほどに切った豆腐に天かす、山形だし、なめ茸をライドオンし、ほんのりポン酢でコーティングしている。
「特製たぬき豆腐の完成だ」
こぼれる薬味ごとレンゲですくい上げ、大口でぱくり。
「……ふっ」
言葉はいらない。満面の笑みを見れば、最強の一品であることは容易に想像がつく。
「一口分けてもらってもいいですか」
だから僕がおすそ分けを要求してしまうのは自然な行動なのだ。
「おうよ、食え食え」
遠慮せずに掘削し、僕も大口で食らう。
豆腐、天かす、山形だし、なめ茸、ポン酢が手を取り合い、口の中で芸術作品を創作していた。
ネバネバ、ポリポリ、サクサク、トロトロ。渾然一体となった特製たぬき豆腐は、もはや平和の象徴と呼べるのではなかろうか。文句なしで今まで食べてきた豆腐の中で一番だ。
そこからは薬味を交換し合い、品評会が催された。
「オイルソースにミョウガを混ぜるとバーニャカウダっぽくなるぞ」
「醤油でふやけた天かすだけでもイケますよ」
「山形だしとミョウガの相性もいいな」
「ラー油と高菜のコンビも意外と」
「ネギをポン酢で浸して一味唐辛子をかけると、グレードアップするな」
「口の中が濃くなったところを、豆腐単体でリセットできますね」
二丁の豆腐は、あっという間になくなってしまった。
これは残り四種類の薬味も気になるところだ。豆腐をリピートしたくなるなんて感覚は初めてだった。
「ふー、食った食った」
ミョウガをちびちびつまみながら、ジョーさんも満足げだった。
「これで、『ゆう』のメニューはコンプリートだぜ」
「相当通い詰めましたね」
「本懐を遂げられてよかったぜ。ところで、紙とペンを貸してくれねぇか?」
「あ、はい」
ウエストポーチからボールペンとメモ帳を渡すと、ジョーさんはどこかの住所を記入する。そしてメモを千切り、今度は文章を書き始めた。
「お前さん、この店は好きか?」
「ええ。料理もお酒もおいしいし、飲み友達もできましたし」
おまけに、失恋のショックからも立ち直らせてくれた。救いといっても過言ではない。
「依存はするなよ?」
「え?」
「俺たちゃ仮初の存在だ。俺自身、今の人生を執行猶予みてぇなモンだと思っている。本来なら行くべき場所があるのに、神様か閻魔様かの温情でシャバにいさせてもらっているんだ。執行猶予が終わったところで、まぁ、戻る場所は現世じゃねぇけどな。友達が増えるのは結構だが、ここが拠りどころになっちまったら、油断すると引き込まれるぜ」
「……ご忠告、心に留めておきます」
忘れかけていたが、ここは幽霊居酒屋なのだ。目の前で手紙を書いているジョーさんも、いつもにひひと笑っているマナも、ふわふわと舞うようにフロアで働いているアイハも、本来なら出会うはずのない存在だ。僕やユウさんのように霊感がなければ視認することもできない。優先すべきは生きとし生ける者であることは、頭ではわかっているつもりだ。
しかし、僕の中で『ゆう』は確実に大きな存在となっている。通う頻度を意図的に下げるつもりはないが、今一度自覚しなければならないのは確かだ。
「さて、そろそろ行くかな」
「あれ、もうですか?」
「自分で食った分は払うから安心しろよ。ユウちゃん、お会計」
食事をしたら代金を払う。当たり前のことだ。
なのにユウさんをはじめとする、店中の視線が一斉に僕たちに集まった。
「……もう、行っちゃうんですね」
レジの前でジョーさんを見送るアイハの瞳は、憂いを帯びていた。一方のジョーさんは快活な表情で、お金の代わりに手紙を預ける。
「ここの住所にカミさんが住んでるから、こっちの紙を渡しておいてくれ。俺の筆跡は特徴的だから信じてもらえると思うからよ。金額は今まで食った分にちょっと色つけといた」
「客なのに今まで手伝ってもらって悪かったな」
「気にすんな。俺も気楽に居酒屋仕事ができて楽しかったよ。それよりいい加減新しいバイト雇った方がいいぜ」
「応募資格に『霊感持ち』は外せないな」
ユウさんとジョーさんの間で、渇いた笑いが起こる。
なんだ、このしみったれた空気は。まるで今生の別れかのような。
「……まさか」
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