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2章 動き出す世界
10話 旅路2
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しばらくクロ姉さんにおんぶされていたけど、
すれ違う人たちからの視線が恥ずかしくて降ろしてもらったよ。
クロ姉さんは「えー・・・遠慮しなくてもいいのにー」って、
もの凄く残念がっていたけど・・・。
もう大分回復してるし、大丈夫!
それから更に道を進んで行くと、道の端にうずくまった人がいたから、
大丈夫ですか?と声をかけた。
どうやらその老人は疲労と喉の渇きでぐったりしてたみたい。
僕たちの水を分けてあげると、喉を鳴らして飲んでいった。
その様子を見ていたアル姉さんが何かに気がついたのか、その人に話しかけた。
「あなた・・・まさかサン・・・?まだ人間やってたの?」
「ふぉふぉふぉ・・まだやるべき事があるのでな」
「・・・あなたのやる事にまともな事なんてあるのかしら?」
「ふぉふぉふぉ・・・」
「誤魔化さないでもらえるかしら?
どうせこの遭遇だって偶然な訳ないでしょう?」
「おお!お見通しじゃったか!」
「何を企んでいるのか教えなさい?」
「うむ、今回の勇者の坊やの血を一滴貰いたくてのぅ・・」
「用途はなにかしら?」
「魔王退治に役に立つ使役獣をプレゼントしようとしただけじゃよ。
その為に契約者の血が必要でのぅ・・・」
「・・・あなたが肩入れした陣営は敗北すると噂があるけれど?」
「ほぉ~そんな噂がのぅ・・・」
「・・・・白々しい」
「ちと耳を拝借するぞ?ふぉふぉふぉ・・・」
そう言うとアル姉さんの耳元で何かを囁いた。
「・・・っ!!」
「・・・ごめんねアクシオス・・・一滴だけだから」
「う、うん!だいじょうぶだよ?」
さっきまであんなに警戒していたのに何を言われたんだろう・・・?
僕の血と交換に何かを受け取っていたのは気のせいだよね・・・きっと・・・。
「すまぬのぉ・・・あと数日もすれば勝手にくるでの。楽しみにしておくんじゃぞ」
そう言うとサン老人は一瞬で掻き消えた。
その尋常ならざる出来事にクロ姉さんがアル姉さんへ尋ねる。
「姉さん、さっきの老人は何者・・・?」
「昔の知り合いよ?名前はサンジェルマン・・と名乗っていたわね。
昔は色々暗躍はしているみたいだけど、最たるものは主神を欺き、
邪心を騙して召喚システムを作った張本人と言えば分かるかしら?
最も本人達は暫くの間気付かなかったけれどね?」
「あの人が・・・でもただの人間でしょ・・・?」
「ええ・・・その筈よ。ただの人間に世界の理を構築する事なんて出来ないでしょうけど・・・」
「それじゃあステータス鑑定も・・・?」
「ええ、無駄よ。鑑定する度に全く違う結果がでるわよ?」
「は~・・・あんあまり関わらない方がいいね~・・・もう手遅れな気がするけど・・・」
「そうね・・・」
「・・・ところで姉さんさっきは何を受け取ったの?」
「な、なんのことかしら?」
「へ~・・・アー君を売ったんだ~、ふーん」
「ちょっと!なんて事をいうのかしら!?
私がそんな事する訳ないでしょう!?」
「・・・正直に言った方がいいんじゃないかな~?アー君傷ついてるんじゃない?」
「お姉ちゃん・・・」
「くっ・・・」
「ちょっと耳を貸しなさい」
そう言うと耳元で何かを説明し始めた。
「・・・半分頂戴!それで手を打つよ~」
「仕方ないわね・・・」
「お姉ちゃん・・・?」
「えっとね・・・アー君さっき何かを受け取っていたの気付いていたよね?」
「・・・うん」
「アレはちょっとしたマジックアイテムなんだよ~特に女の人が使うもので、
具体的な事を言うとちょっと恥ずかしいモノなんだよ~ごめんね~」
「う、うん・・・」
「ごめんねアクシオス」
「僕、お姉ちゃん達の事信じてるからねっ」
そう言いながら目を潤ませ上目遣いをするアクシオスであった。
当然二人は罪悪感に苛まれる事になるが、全力で甘やかそうと心に誓ったのだった。
すれ違う人たちからの視線が恥ずかしくて降ろしてもらったよ。
クロ姉さんは「えー・・・遠慮しなくてもいいのにー」って、
もの凄く残念がっていたけど・・・。
もう大分回復してるし、大丈夫!
それから更に道を進んで行くと、道の端にうずくまった人がいたから、
大丈夫ですか?と声をかけた。
どうやらその老人は疲労と喉の渇きでぐったりしてたみたい。
僕たちの水を分けてあげると、喉を鳴らして飲んでいった。
その様子を見ていたアル姉さんが何かに気がついたのか、その人に話しかけた。
「あなた・・・まさかサン・・・?まだ人間やってたの?」
「ふぉふぉふぉ・・まだやるべき事があるのでな」
「・・・あなたのやる事にまともな事なんてあるのかしら?」
「ふぉふぉふぉ・・・」
「誤魔化さないでもらえるかしら?
どうせこの遭遇だって偶然な訳ないでしょう?」
「おお!お見通しじゃったか!」
「何を企んでいるのか教えなさい?」
「うむ、今回の勇者の坊やの血を一滴貰いたくてのぅ・・」
「用途はなにかしら?」
「魔王退治に役に立つ使役獣をプレゼントしようとしただけじゃよ。
その為に契約者の血が必要でのぅ・・・」
「・・・あなたが肩入れした陣営は敗北すると噂があるけれど?」
「ほぉ~そんな噂がのぅ・・・」
「・・・・白々しい」
「ちと耳を拝借するぞ?ふぉふぉふぉ・・・」
そう言うとアル姉さんの耳元で何かを囁いた。
「・・・っ!!」
「・・・ごめんねアクシオス・・・一滴だけだから」
「う、うん!だいじょうぶだよ?」
さっきまであんなに警戒していたのに何を言われたんだろう・・・?
僕の血と交換に何かを受け取っていたのは気のせいだよね・・・きっと・・・。
「すまぬのぉ・・・あと数日もすれば勝手にくるでの。楽しみにしておくんじゃぞ」
そう言うとサン老人は一瞬で掻き消えた。
その尋常ならざる出来事にクロ姉さんがアル姉さんへ尋ねる。
「姉さん、さっきの老人は何者・・・?」
「昔の知り合いよ?名前はサンジェルマン・・と名乗っていたわね。
昔は色々暗躍はしているみたいだけど、最たるものは主神を欺き、
邪心を騙して召喚システムを作った張本人と言えば分かるかしら?
最も本人達は暫くの間気付かなかったけれどね?」
「あの人が・・・でもただの人間でしょ・・・?」
「ええ・・・その筈よ。ただの人間に世界の理を構築する事なんて出来ないでしょうけど・・・」
「それじゃあステータス鑑定も・・・?」
「ええ、無駄よ。鑑定する度に全く違う結果がでるわよ?」
「は~・・・あんあまり関わらない方がいいね~・・・もう手遅れな気がするけど・・・」
「そうね・・・」
「・・・ところで姉さんさっきは何を受け取ったの?」
「な、なんのことかしら?」
「へ~・・・アー君を売ったんだ~、ふーん」
「ちょっと!なんて事をいうのかしら!?
私がそんな事する訳ないでしょう!?」
「・・・正直に言った方がいいんじゃないかな~?アー君傷ついてるんじゃない?」
「お姉ちゃん・・・」
「くっ・・・」
「ちょっと耳を貸しなさい」
そう言うと耳元で何かを説明し始めた。
「・・・半分頂戴!それで手を打つよ~」
「仕方ないわね・・・」
「お姉ちゃん・・・?」
「えっとね・・・アー君さっき何かを受け取っていたの気付いていたよね?」
「・・・うん」
「アレはちょっとしたマジックアイテムなんだよ~特に女の人が使うもので、
具体的な事を言うとちょっと恥ずかしいモノなんだよ~ごめんね~」
「う、うん・・・」
「ごめんねアクシオス」
「僕、お姉ちゃん達の事信じてるからねっ」
そう言いながら目を潤ませ上目遣いをするアクシオスであった。
当然二人は罪悪感に苛まれる事になるが、全力で甘やかそうと心に誓ったのだった。
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