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2章 動き出す世界
8話 修羅場
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それから僕はクロ姉さんと暫く暮らしている。
クロ姉さんによると、魔力があれば直ぐに帰れるらしい。
ただ一度に沢山貰うとなると、“ああいう事”をしないといけないらしいので、
少しずつ貰うんだって。
本当かなぁ・・・。
でも、クロ姉さんは本当に物知りで凄かった。
貰った綺麗な石は賢者の石なんだって。
金属ならなんでも金に換える事が出来るんだって。
遠くに投げても必ず手元に戻ってくる機能も付いてるんだって。
凄い性能だと思うけど、クロ姉さんは「金属が金に変わって何が楽しいのか分からないしー」って、凄くつまらなそうに説明してくれた。
それから僕の役割もお酒に酔った時に色々教えて貰っちゃった・・・。
「アクシオス君は勇者だよー?魔王とかと戦うと思うから頑張ってねー!死なないと思うけどー」
って言われても・・・。
具体的に何をするんだろう?
死なないってどういうこと?
村に被害が出る前に旅に出た方がいいのかな・・・。
この前のドラゴンみたいな事もあるし・・・。
でもアル姉さんにはもう弓返しちゃったし、どうしよう・・・。
翌日クロ姉さんに聞いたら、慌てて誤魔化すように無理矢理話題を変えて、
結局聞きそびれちゃった。
もう一度アル姉さんを召喚しようかな?
それとも村を出て旅に出ようかな?
何故かアル姉さんを召喚しようとしたら物凄い勢いで止められちゃったから、
召喚するならクロ姉さんが居ないときにしないと・・・。
なんでそんなに慌てるんだろう?
気が重いなぁ・・・。
天界
クロ姉さんの部屋
「ねえ?それはそうとあなたからアクシオスの匂いがプンプンするのはどういうことかしら?」
笑顔だが異常に迫力がある顔でクロ姉さんに迫る。
「そ、そう?」
冷や汗を流しつつもごまかそうとするクロ姉さん。
「・・・あなたは“いつ”のあなたなのかしら?」
笑顔に何か形容しがたいどろどろしたものが混じっていく・・・。
「・・・っっ!?」
顔が真っ青になっていくクロ姉さん。
「時を加速させている事に、まさか私が気付かないとでも思ったのかしら?」
あからさまな殺意が混じっているであろう笑顔になっているアル姉さん。
「さ、流石御姉様っ!!」
もう顔が真っ青を通り越して蒼白といった所である。
「やはり始末しておくべきだったかしら・・・うふふ」
意図的に聞こえるような小声で呟くアル姉さん。
既に目のハイライトは消えている。
「ヒッ!」
もう完全に怯えきった顔で目じりに涙を湛えている。
「・・・で?今なら腹パン1発位で許してあげるわよ?」
きっと笑顔で人が殺せるならこんな笑顔なんだろうな、
というトテモステキナ笑顔で問いかける。
その後、土下座しながら事細かに詳細を洗いざらい全て吐かされる羽目になるクロ姉さんだった。
もちろんお仕置き(物理・精神的)も込みで。
アクシオスの家
あれから“色々”あってクロ姉さんはいつでも帰れるらしいけど、
全然帰るつもりがないみたい・・・。
・・・全然迷惑って訳じゃないケド。
それとやっぱり僕は旅に出る事にした。
村はドラゴンのおかげですっかり裕福な暮らしが出来る様になったし。
僕が旅立つっていったら村長さんが10万Gをポンとくれてビックリ。
いいのかなこんなに貰っちゃって・・・。
旅立つ前にアルお姉さんを召喚したいってクロ姉さんに相談したら、
何か覚悟を決めた様な顔で「分かった」って言ってギュッと抱きしめてくれた。
身長差が出来ちゃったけど、僕はこれ位が丁度いいかもしれないな、なんて思ったり。
でもなんでそんな顔するのかな・・・?
「・・・よし!」
いい魔法陣が出来て満足!
さあある姉さんを召喚しよう!
僕が魔力を魔法陣へ込めるとそれに反応して魔法陣が輝きだす・・・。
閃光と共にお姉ちゃんが現れた。
でも何でだろう雰囲気が凄く怖い・・・。
「お、お姉ちゃん・・・?」
「ごめんねアクシオス、“そこの人”と凄く大切な話し合いがあるの。
だから少し待っててね?」
「アー君ごめんね。ちょっと行って来るね」
そう言って二人はどこかへ行ってしまった。
暫くして遠くの山が2つ爆発音と共に消滅しちゃったけど・・・。
一体何が起こっているんだろう・・・。
まだ見たこと無いけど、魔王よりお姉ちゃん達の方が怖いんじゃないのかな?
と思い始めるアクシオスであった。
山が2つ消滅してそれに連なる山脈も全て消滅し、
平地になって暫くすると、
服がボロボロのお姉ちゃん達が帰ってきた。
隙間から色々見えてて凄く困るよ。
「だ、大丈夫・・・?」
お姉ちゃん達は睨み合っていたけど、
凄い勢いで二人とも僕の事を抱きしめてくるから苦しかった。
早く落ち着いて欲しいなぁ・・・。
「ねえアクシオス?あなたの中で誰が一番なの?」
「勿論アル姉さんだよ!」
「本当に?絶対に?神に誓える?」
「う、うん」
「そう・・・ならいいわ。そこの人も一応許してあげるわ」
アル姉さんはどこかホッとしような顔で優しく僕を撫でてくれた。
「・・・っ」
クロ姉さんは物凄く悔しそうな顔をしてた様な気がするけど、
アル姉さんが無理矢理キスしてきたので、よく分からなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
例によって閑話あります。
作者ページより適当に探していただけると幸いです。
(内容はR18の為ご注意下さい)
しかも本編より長いです。
ほんとすみません(;´Д`)
クロ姉さんによると、魔力があれば直ぐに帰れるらしい。
ただ一度に沢山貰うとなると、“ああいう事”をしないといけないらしいので、
少しずつ貰うんだって。
本当かなぁ・・・。
でも、クロ姉さんは本当に物知りで凄かった。
貰った綺麗な石は賢者の石なんだって。
金属ならなんでも金に換える事が出来るんだって。
遠くに投げても必ず手元に戻ってくる機能も付いてるんだって。
凄い性能だと思うけど、クロ姉さんは「金属が金に変わって何が楽しいのか分からないしー」って、凄くつまらなそうに説明してくれた。
それから僕の役割もお酒に酔った時に色々教えて貰っちゃった・・・。
「アクシオス君は勇者だよー?魔王とかと戦うと思うから頑張ってねー!死なないと思うけどー」
って言われても・・・。
具体的に何をするんだろう?
死なないってどういうこと?
村に被害が出る前に旅に出た方がいいのかな・・・。
この前のドラゴンみたいな事もあるし・・・。
でもアル姉さんにはもう弓返しちゃったし、どうしよう・・・。
翌日クロ姉さんに聞いたら、慌てて誤魔化すように無理矢理話題を変えて、
結局聞きそびれちゃった。
もう一度アル姉さんを召喚しようかな?
それとも村を出て旅に出ようかな?
何故かアル姉さんを召喚しようとしたら物凄い勢いで止められちゃったから、
召喚するならクロ姉さんが居ないときにしないと・・・。
なんでそんなに慌てるんだろう?
気が重いなぁ・・・。
天界
クロ姉さんの部屋
「ねえ?それはそうとあなたからアクシオスの匂いがプンプンするのはどういうことかしら?」
笑顔だが異常に迫力がある顔でクロ姉さんに迫る。
「そ、そう?」
冷や汗を流しつつもごまかそうとするクロ姉さん。
「・・・あなたは“いつ”のあなたなのかしら?」
笑顔に何か形容しがたいどろどろしたものが混じっていく・・・。
「・・・っっ!?」
顔が真っ青になっていくクロ姉さん。
「時を加速させている事に、まさか私が気付かないとでも思ったのかしら?」
あからさまな殺意が混じっているであろう笑顔になっているアル姉さん。
「さ、流石御姉様っ!!」
もう顔が真っ青を通り越して蒼白といった所である。
「やはり始末しておくべきだったかしら・・・うふふ」
意図的に聞こえるような小声で呟くアル姉さん。
既に目のハイライトは消えている。
「ヒッ!」
もう完全に怯えきった顔で目じりに涙を湛えている。
「・・・で?今なら腹パン1発位で許してあげるわよ?」
きっと笑顔で人が殺せるならこんな笑顔なんだろうな、
というトテモステキナ笑顔で問いかける。
その後、土下座しながら事細かに詳細を洗いざらい全て吐かされる羽目になるクロ姉さんだった。
もちろんお仕置き(物理・精神的)も込みで。
アクシオスの家
あれから“色々”あってクロ姉さんはいつでも帰れるらしいけど、
全然帰るつもりがないみたい・・・。
・・・全然迷惑って訳じゃないケド。
それとやっぱり僕は旅に出る事にした。
村はドラゴンのおかげですっかり裕福な暮らしが出来る様になったし。
僕が旅立つっていったら村長さんが10万Gをポンとくれてビックリ。
いいのかなこんなに貰っちゃって・・・。
旅立つ前にアルお姉さんを召喚したいってクロ姉さんに相談したら、
何か覚悟を決めた様な顔で「分かった」って言ってギュッと抱きしめてくれた。
身長差が出来ちゃったけど、僕はこれ位が丁度いいかもしれないな、なんて思ったり。
でもなんでそんな顔するのかな・・・?
「・・・よし!」
いい魔法陣が出来て満足!
さあある姉さんを召喚しよう!
僕が魔力を魔法陣へ込めるとそれに反応して魔法陣が輝きだす・・・。
閃光と共にお姉ちゃんが現れた。
でも何でだろう雰囲気が凄く怖い・・・。
「お、お姉ちゃん・・・?」
「ごめんねアクシオス、“そこの人”と凄く大切な話し合いがあるの。
だから少し待っててね?」
「アー君ごめんね。ちょっと行って来るね」
そう言って二人はどこかへ行ってしまった。
暫くして遠くの山が2つ爆発音と共に消滅しちゃったけど・・・。
一体何が起こっているんだろう・・・。
まだ見たこと無いけど、魔王よりお姉ちゃん達の方が怖いんじゃないのかな?
と思い始めるアクシオスであった。
山が2つ消滅してそれに連なる山脈も全て消滅し、
平地になって暫くすると、
服がボロボロのお姉ちゃん達が帰ってきた。
隙間から色々見えてて凄く困るよ。
「だ、大丈夫・・・?」
お姉ちゃん達は睨み合っていたけど、
凄い勢いで二人とも僕の事を抱きしめてくるから苦しかった。
早く落ち着いて欲しいなぁ・・・。
「ねえアクシオス?あなたの中で誰が一番なの?」
「勿論アル姉さんだよ!」
「本当に?絶対に?神に誓える?」
「う、うん」
「そう・・・ならいいわ。そこの人も一応許してあげるわ」
アル姉さんはどこかホッとしような顔で優しく僕を撫でてくれた。
「・・・っ」
クロ姉さんは物凄く悔しそうな顔をしてた様な気がするけど、
アル姉さんが無理矢理キスしてきたので、よく分からなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
例によって閑話あります。
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(内容はR18の為ご注意下さい)
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ほんとすみません(;´Д`)
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