僕は女神さんに勇者にされる様です

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2章 動き出す世界

6話 事後

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目を覚ましたく無いけれど、目が覚めた。
おそらく夜明けだと思う。
隣に人の気配がある。
そちらを振り返らなくても誰がいるかは分かっている。
取り返しを付かない事をしてしまった事も、聞かされている。
しかも二人とも裸なのも分かっている。
おそらくは寝ているのだろう、安らかな寝息をたてている。
どうしよう・・・
「んんっ・・・おはよう」
目を擦りながらお姉ちゃんが目を覚ます。
「!?お、おはようアルテミスさん」
「!!なんで他人行儀なの?怒るわよ?あんな事までしたのに・・・」
そう言うと寂しそうに自身の下腹部を大切な何かがある様に優しく撫でる。
「ご、ごめんなさい・・・」
どうしよう、謝ってすむ問題じゃないと思うし・・・
「責任とって?」
そう言うと目を閉じて顔を近づけてくる。
「(これってキスってことかな?恥ずかしい・・・でも!)」
思い切ってキスしたら歯があったって痛かった・・・。
「上手くなってね?」
そういって抱きしめてくれる。
「う、うん」
ダイレクトに感触が伝わり、昨夜の感触が蘇ってくる。
も、もう忘れないと!!
「もう1回する?」
結局そういって笑顔で微笑んだお姉ちゃんに甘えちゃった。


家を出ると、やさぐれた様子の眼鏡なお姉さんがしゃがみ込んでいた。
「昨夜はお楽しみでしたねー」
「えっと・・・」
照れながら戸惑っているとお姉ちゃんが話し始める。
「ええ、とっても。とても満ち足りた気分よ?」
「でしょうねぇ・・・そんなツヤツヤした顔してればねー」
そういうと不機嫌そうに僕に話しかけてきた。
「ねぇ、ボクまだ代償もらってないんだけど?」
「あっ!ごめんなさい!」
「ほぼ1晩放置されたしなーどうしよっかなー」
そういうと僕でも分かる位、わざとらしく悩む振りをする。
「多めに僕の魔力を使って下さい」
完全に忘れてたんだししょうがないよね?
それにしても、昨日はなんであんな事になったんだろう?
全然覚えてないや・・・
「ほんと!?ありがとー!」
そういうといきなり抱きついてきて、キスをしてきた。
戸惑っていると、舌まで入れてきて暫く離してくれなかった。
苦しかった・・・。

「はぁ・・・はぁ・・・」
僕が苦しそうにしていると、お姉ちゃんにがデコピンで吹っ飛してくれた。
どこまで飛んでいったんだろう?
それにしても本当にお姉ちゃんは優しい。
でも一瞬凄く怖い雰囲気がした気がするのは気のせいかな?
「私意外にああいうことしちゃ駄目よ?」
「は、はい!」
そういうと今度はお姉ちゃんが触れるか触れないかの軽いキスをしてくれた。
それだけなのに凄く満ち足りた気持ちになった。
やっぱり僕はお姉ちゃんがいいな。
「いきなりなにすんのさー!」
そういうと眼鏡のお姉さんが怒りながら帰ってきたけど、逆にお姉ちゃんに凄い勢いで怒られて、どこかへ引きずられていった・・・。
しばらくすると遠くで爆発音みたいな凄い音がした後に二人共帰ってきた。
あの音はなんだったんだろう・・・?

「ふぅ・・・それじゃあ一旦帰るわね?」
そう言うとお姉さんは僕の左手の薬指に指輪をはめてくれた。
確か何か意味があったような気がするけど、なんだっけ・・・?
お姉ちゃん曰く、凄い効果がある指輪なんだけど、今はまだ効果は秘密なんだって。
お姉ちゃんも付けてたし、きっと凄い効果があるんだろうなぁ・・・。
眼鏡のお姉さんは複雑そうな顔をしてたけど、なんでだろう?
あ、あと眼鏡のお姉さんに貰った綺麗な石はただの石じゃないんだって。
いろいろ試してみてーって悪戯っぽく言われたけど・・・
じ、時間があったら試してみようっと。

「またね!アル姉さん!クロ姉さん!」
僕が真名をもじってそう言うと、眼鏡のお姉さん・・クロ姉さんが急に涙目になって抱きついてきた。
「・・・ありがとうっ!」
そんなに喜んでもらえるなんて思わなかった。
良かった!
お姉ちゃん・・アル姉さんに引き剥がされる様に離されると、
二人とも魔法陣から閃光と共に消えていった。
帰り際にアル姉さんが「天界で一緒に暮らさない?」って言ってたけど、
「まだ分かんないです」って言ったら悲しそうな顔してた。
だって僕の方が確実に先に死んじゃうけどいいのかな?
そ、それに突然居なくなったら・・・
ん・・・?突然居なくなる・・・?
もしかして、父さんってもしかして誰かに連れて行かれたの!?


天界
クロ姉さんの部屋

相変わらず書類に山が山積しており埃っぽ部屋である。
「はー疲れた!でもこれからもっと忙しくなるねー」
「あら?どうして?」
「どうしてって・・・アー君勇者にするんでしょ?」
「え?」
「え?」
「・・・?その為にあの呪い解かせたんでしょー?
アー君が転生すると勇者になる筈だったのを、無理矢理先取りしちゃったから、今頃魔王も目覚めてるはずだし・・・次の魔王戦役は色々間違えないぞー」
「なんてこと・・・」
軽く過去のトラウマがフラッシュバックするが、
今度こそは・・・と決意するアル姉さんのだった。

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