僕は女神さんに勇者にされる様です

量産型774

文字の大きさ
上 下
4 / 12
1章危機的状況の村で

4話 天誅

しおりを挟む
「あら~かわいい坊やね~私を呼び出してくれてあ・り・が・と・う」
と色気を振りまき体もくねらせながら妖艶な姉さんは話し始めた
「あれ・・・?(お姉ちゃんじゃない、なんで・・・)」
「お・ね・が・いの前に代償の前払いちょうだいね~」
「えっ!?」
じりじりと距離を取ろうとするアクシオス
「逃げちゃ駄目じゃない~」
というと素早い動きでアクシオスを拘束する妖艶な姉さん
「ん~!ん~!!(お姉ちゃん助けて・・・!)」
しっかり猿轡までするところからも、手馴れていると言わざるを得ない。


とある天界
「!?」
「どうかした?」
「あなたさっきこの部屋の位相を変えたわよね?」
「勿論」
「その状態で召喚ってされるの・・・?」
「勿論、無理だね私の術だし!」
ドヤ顔で胸を張る
「そう・・・」
何かを真剣に考えながら上の空で適当に相槌をうつ女神さん
「・・・?」
「もしかして時間も弄ってたりするのかしら・・・?」
「うーん・・・ちょっとのズレはあるかもしれない・・・かな?」
もしかして何かやらかしたのではと思いながら答える眼鏡少女
「ちょっと・・・?人間界でどれ位の時間?」
難しい顔をしながら尋ねる女神さん
「たぶん数ヶ月以内だと思う、よ・・・?」
「なんですって!」
女神さんは顔を真っ青にしながら叫んだ。


妖艶な姉さんに草むらに連れ込まれ、順調に服を脱がされていくアクシオス
「んー!んー!!」
声にならない悲鳴をあげる事しか出来ないアクシオス
「とってもおいしそうな魔力ね~ボク~?」
最後の一枚を脱がそうとしたその時、何かが高速で飛んでくると同時に
妖艶な姉さんの頭がトマトの様に弾け、おびただしい血が辺りにぶちまけられた。
「んー!?」
あまりのグロテスクな出来事に意識を無くすアクシオスだった。
不思議な事にアクシオスには一滴の血さえかからなかった。
「うわぁ・・・(ああならなくてよかった・・・)」
どん引きしながら眺める眼鏡少女だが、眼鏡はひび割れ、ほっぺたは腫れ、目の回りには青タンが出来ていた。
「手加減したし、これぐらいで死なないでしょう?起きなさい?」
張り付いた笑顔のまま女神さんが抑揚の無い声で尋ねる
当たり前だがこの世界でも、手加減でいきなりヘッドショットはしない。

吹き飛んだ破片が急速に集まり、元通り治る
「いった~・・・いきなり何するのさあんt」
といい終わる前にもう一度妖艶な姉さんの頭が弾けとんだ。
「言い直し♪あなたは誰?何をしようとしてのかしら?」
「あんたね!なn」
シュッ、ボン
「言い直し♪」

「(あれで数%位・・・かな)」
意味深な事を思いながら震えながら顔を真っ青にしつつ嫌な汗を流す眼鏡少女だった。
「あなた手が空いているならあの子を助けてもらえないかしら?あんな姿をいつまでもさせておけないし、つい手加減しちゃうし」
「は、はい」
手加減って一体何だろうと思ったが華麗にスルーする眼鏡少女だった。
「くれぐれもいかがわしい事はしないでね?」
「は、はい・・・モチロンデスヨ」
殺気を込められならかけられた言葉に、
思わず片言になりつつ答える眼鏡少女だった。
その後、シュッ、ボンという高速で何かが飛ぶ音と、何かが弾ける音は暫く響く。
分不相応な者の教育的指導が終わるその時まで。

その間に拘束され、あられもない姿だったアクシオスの服を綺麗に正し、
地べたに寝かせるのも可哀想だなと思った眼鏡少女は膝枕をするのだった。
「(確かに可愛いけど、食べごろはあと2,3年後かなー?
それにしてもなんでこの子の危機が分かったんだろう?)」
と不思議に思い、なんとなくこの子に授けられた加護を確認する眼鏡少女。

「(豊穣の女神の加護:全状態異常無効、即死無効、ステータス低下無効、全ステータス2倍、全武具装備可、常時体力魔力回復、全種族特攻、全属性無効、物理攻撃無効、魔法攻撃無効、精神攻撃無効、トラップ無効、地形効果無効、窮地強制回避(召喚)・・・上げたらキリが無い・・・加護というより過保護過ぎ・・・窮地に姉さんが自動召喚されるってそこまでする!?)」
呆れ果てる程強靭な加護に唖然とするしかなかった。

通常加護なんてめんどくさい事神々はしないのである。
気に入った人間や、たまたまの気まぐれで授けられる加護もあるが、精々1つ2つである。
ここまで強固で強靭な加護だと、この人間を害するなら神までもが相手になる、
と宣言している様なものである。

「う、う~ん・・・」
眼鏡少女に膝枕をされていたアクシオスの意識が覚醒しだす。
「お姉ちゃん・・・?」
霞む目を擦りながら膝枕の主を確認しようとするアクシオス
「目が覚めたかな?」
多分この子に嫌われたらボクもあんな風になるのかなーと思いつつ出来るだけ笑顔で語りかける眼鏡少女。
勿論抜かりなく先程まで凄惨だった顔面は治し、眼鏡のヒビも直っている。
「う、うん」
そういいながらおもむろに起き上がり、露骨に距離を取り警戒するアクシオス
「そ、そんなに警戒しなくてもいいんだよ・・・?」
そういいながらアクシオスに近づこうとするが、
眼鏡少女が一歩進むとアクシオスが一歩下がるという状況に陥っていた。
「(完全に警戒されてる・・・まぁあんな目にあってれば女性不信になっても不思議じゃないよねぇ・・・どうしよ・・・)」
眼鏡少女が次の一手を悩んでいる眼鏡少女を尻目に、先程から断続的に聞こえている教育指導的な音に気付き目線をそちらに移そうとした。
それと同時に眩い閃光と共に女神さんがアクシオスに抱きつく。
「大丈夫?変な事されなかった?」
「お姉ちゃん!!・・・大丈夫っ」
無理矢理笑顔を作り涙目を隠す様に女神さんの胸深くに抱きつき肩を震わせながら静かに泣くアクシオスであった。
「(健気だなー可愛いなー羨ましいなー爆発しないかなー)」
そう思う眼鏡少女だったが、女神さんと比べると絶望的に足りない部分があり少し凹むのであった。
「(負けた訳じゃないんだよ!ボクだって脱ぐと凄いんだよっ!)」
と自分の中で戦い始める眼鏡少女だった。

「あ、あの~・・・」
ボロクズのようになり見る影も無くなった元妖艶な姉さんが空気を読まずに話しかける。
「(あっ・・・これは許されないな)」
そう思い哀れみの気持ちを込めた視線をボロ姉さんに向けていた眼鏡少女であった。
「あっ!」
何を感じ取ったのか体を震わせて危機を察知し、逃げ出そうとするボロ姉さんだったが、女神さんからピンポイントで放たれた殺気によって意識を刈り取られその場に崩れ落ちた。
一連の動作をアクシオスに悟られる事無く、彼に笑顔で頭を撫でながら行っているのだから器用なものである。
ボロ姉さんが崩れ落ちた音に驚きビクッとしつつ
「お姉ちゃん今の音は・・・?」
と女神さんに恐々尋ねるアクシオス
「何かが転んだだけじゃないかしら?あなた様子を見てきて貰えるかしら?ついでにボロクズがあったら拾ってきてね?」
「(演出上手いなー、人の使い方上手いなー、あ、私も神だったけ、あはは・・・はぁ)」
そう思うと、無言でコクコクと頷くとボロクズを拾いにいく眼鏡少女であった。

------------------------------------------------------------------------------
いやー天誅は怖いですねー(棒
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

異世界に飛ばされたおっさんは何処へ行く?

シ・ガレット
ファンタジー
おっさんが異世界を満喫する、ほのぼの冒険ファンタジー、開幕! 気づくと、異世界に飛ばされていたおっさん・タクマ(35歳)。その世界を管理する女神によると、もう地球には帰れないとのこと……。しかし、諦めのいい彼は運命を受け入れ、異世界で生きることを決意。女神により付与された、地球の商品を購入できる能力「異世界商店」で、バイクを買ったり、キャンプ道具を揃えたり、気ままな異世界ライフを謳歌する! 懐いてくれた子狼のヴァイス、愛くるしい孤児たち、そんな可愛い存在たちに囲まれて、おっさんは今日も何処へ行く? 2017/12/14 コミカライズ公開となりました!作画のひらぶき先生はしっかりとした描写力に定評のある方なので、また違った世界を見せてくれるものと信じております。 2021年1月 小説10巻&漫画6巻発売 皆様のお陰で、累計(電子込み)55万部突破!! 是非、小説、コミカライズ共々「異世界おっさん」をよろしくお願い致します。 ※感想はいつでも受付ていますが、初めて読む方は感想は見ない方が良いと思います。ネタバレを隠していないので^^;

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

神様がチートをくれたんだが、いやこれは流石にチートすぎんだろ...

自称猫好き
ファンタジー
幼い頃に両親を無くし、ショックで引きこもっていた俺、井上亮太は高校生になり覚悟をきめやり直そう!!そう思った矢先足元に魔法陣が「えっ、、、なにこれ」 意識がなくなり目覚めたら神様が土下座していた「すまんのぉー、少々不具合が起きてのぉ、其方を召喚させてしもたわい」 「大丈夫ですから頭を上げて下さい」 「じゃがのぅ、其方大事な両親も本当は私のせいで死んでしもうてのぉー、本当にすまない事をした。ゆるしてはくれぬだろうがぁ」「そんなのすぎた事です。それに今更どうにもなりませんし、頭を上げて下さい」 「なんて良い子なんじゃ。其方の両親の件も合わせて何か欲しいものとかは、あるかい?」欲しいものとかねぇ~。「いえ大丈夫ですよ。これを期に今からやり直そうと思います。頑張ります!」そして召喚されたらチートのなかのチートな能力が「いや、これはおかしいだろぉよ...」 初めて書きます!作者です。自分は、語学が苦手でところどころ変になってたりするかもしれないですけどそのときは教えてくれたら嬉しいです!アドバイスもどんどん下さい。気分しだいの更新ですが優しく見守ってください。これから頑張ります!

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...