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7話

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7話


何故だがパスでの会話は何故か拒否された。
酷く恥ずかしがっているような困惑している感情が一瞬流れてきたが・・・。
ルピアの気配を確認し、心身共に異常は無い事は感知している。
勿論常に害意を持って近づいてくる連中の事も考慮してしているが、そんな気配もない。

暫く戻ってきたいくない理由があるのだろうが、詮索されたくもないのだろう。
仕方ないのでベッドで気を失っているアニスに服を着せ、彼女を背負うと彼女の部屋のベッドへ運んでおいた。

それからまた暫く備え付けのワインを楽しんでいるとルピナが恐る恐るドアを開けた。
ルピナは無言で後ろに何かを隠しながら俺に近づいてきた。

「随分遅かったな?」

「・・・・・・・」

「どうした?」

「・・・あのね、私もハジメテの経験でよくわからないんだけど、卵産んじゃいました!!」

「・・・卵?」

「・・・(コクコク)」

そう頷きながら後ろに隠していた卵を見せてくれた。

・・・まじまじと卵を観察した。
不思議な模様が特徴的な全長20cmはありそうな卵だった。

まあ、昨日の今日だから思いたる節しかない。

「その卵をルピナはどうしたい?」

「ニューくんが迷惑じゃなければ!・・・育てたい・・・です」

「ルピナが腹を痛めて産んだ卵だ、そうしたいならそうすればいい」

「・・・うん」

「だが、大丈夫なのか?ドラゴニュートに犯され、さらに孕まされた女って事が明るみにでてニンゲンの貰い手は大丈夫なのか?」

「・・・ニンゲンの貰い手?」

曖昧にいいすぎたたのかうまく伝わっていないみたいだ。
ルピナは首をかしげている。

「ルピナの将来の結婚相手に支障はでないのかって事だ」

「!?・・・ニュートさん?」

「な、なんだ?」
一瞬俺でも怯む様な殺気をぶつけられたぞ!?
滅茶苦茶怒っていらっしゃるようだぞ?

「・・・まさかいつか私を捨てるつもりですか?」
ルピナの身体強化をさせ過ぎたせいか、この殺気だけでその辺を歩いているニンゲンなら一瞬で即死させられる程度の威力で垂れ流している。
面倒な事にこの感じだと本人は一切気づいていない。


「そ、そういうつもりで言ったわけじゃないんだが・・・」
前世の俺も、この身体の持ち主もこういう出来事に免疫が碌に無い様だ。
俺は内心焦りつつも平静を保ちつつ少しでもルピナを落ち着かせようと言葉をかける。

「・・・本当ですか?」

「ああ、ルピナが気が済むまでずっと一緒にいてやるさ」

「・・・嬉しい」
そう言うと一旦丁寧に卵を置き、俺に抱きついてきた。

「ルピナはパートナーがニンゲン以外でもいいのか?」

「当たり前じゃないですか!そうじゃなかったらあんな!
あんな・・・ぇっちなことしませよ・・・?」

「そ、そうか・・・」
あまり迂闊な発言は謹んだ方がいいだろう。

「それに、そんなに長く一緒に居ないから大丈夫ですよ?」

「・・・寿命の事か?」

「・・・!?気づいていたんですね・・・」

「まあ、な」

「ごめんなさい」

「何がだ?」

「こんな重要な事を黙っていて、ごめんなさい・・・」

「そんなに深刻そうな顔をするな、もうお前は俺の所有物にしたから俺の許可無く勝手に死ぬ事は出来ないぞ?
例えそれが不治の病とされる病魔だとろうとも、致命的な攻撃を受けようとも、運命に定められた命が付きようとも、な?」

「えぇっと・・・つまり私はニューくんに不老不死にされちゃったって事ですか!?」

「そういう訳ではないが、少なくとも1000年程度限定で限りなく不老不死に近いかもしれないな・・・嫌だったか?」


「嫌じゃないですけど、だったらなんでニンゲンと結婚~みたいな事をいったんですか!?」

「・・・俺にとって数十年程度なんて、なんででもない時間でしかないからな。
それに今以上に老いる事も無いからどこかで迫害される可能性もなるがな?」

「・・・ニュートさん?」

「ま、まあ、勿論そんな事になる前に攫ってやるつもりだがな?」
結構遠慮なく殺気を飛ばしてくるのは本当に辞めてほしい。

「・・・もう!!(ぎゅっ)」
この姿だと基礎防御力が低いのか背骨がミシッと嫌な軋み方をしている。
普通のニンゲンなら背骨をへし折られるどころか上下二分割にされ絶命しているのは間違いないだろう。
流石にルピナ本人も薄々は気づいているとは思うが・・・。
身体強化の事も明日にでも説明しておかないとな、と心に誓っておいた。

しかし、こんなに簡単に孕んでしまうとは思わなかった。
異種族間の垣根は無いのか?
それとも相性が良すぎたのか?
もしかすると今後は気安く性欲が解消出来ない可能性がある。

とりあえずアニスも明後日頃に出産している可能性がある。
アニスも孕んでしまうようならルピナには申し訳無いが確実に何としても俺専属の苗床になってもらおう。

まあ、この件については可能性である以上、別にアニスには伝えなくてもいいか・・・。

暫く抱き合っていたが、置いてあった卵が突然光りだした。

光が収まると、卵にヒビが入っていく・・・。
ルピナも驚き困惑していた。
まあ、1日で卵を産ませてしまっている時点で俺の持っている知識はとうに壊れている。
だから受け入れるしかなった訳だ。
ルピナと固唾をのんで卵の様子を見守っていると数分もせずに小さいトカゲの様な爬虫類が姿を現した。
そのトカゲはルピナと俺をジッと見つめる。
そして「ぴぃー!」と一鳴きすると俺が一部破壊していた隙間から外へ出ていってしまった。
ルピナも呆然としている。
まだ事態をうまく飲み込めていないようだ。
・・・勿論、俺も同じく事態を飲み込めていないのだが。
暫く待ってみたが、帰って来る様子もなかった。
全てが幻だったのではないのかと思ってしまうあまりにもスピーディーな出来事だったが、残された卵の殻が覆せない現実だと教えてくれていた。


ルピナは相当ショックを受けていたのか夜の事情を結構しっかり断られた。
ベッドでは俺に背を向けて静かに泣いているようだったので後ろから優しく抱きしめてやった。
暫くそのまま抱きしめている内に眠ってしまった様だ。

もう少しだけアニスを抱いておけばよかったな・・・。

なんて下衆な事を思わないようにしながら眠りについた。
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