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77話

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77話

龍子は治った足の調子で確かめるように動かしながら調子を確認している。

永久は龍子の唐突な辛辣過ぎる言葉に自尊心をへし折られたのか俺に猫の様に甘えている。

確かに力を失っていた頃の永久だったらそうかもしれなかったが、今では俺に開発されて最高に魅力的で色気もあると思うんだがな。
普通に永久にこんな風に甘えられたら、どんな男だろうと本能的に生涯を賭して守ってあげたくなるんだろうな・・・。

そういえば先程とはうって変わって娘たちは無反応だった。
いや、正確に言えば龍子を警戒し様子を窺っているようだ。
俺は娘達がしっかりと状況を理解している事に少し安心した。

まるで柔軟体操が終わったような龍子は自分で破壊した壁をマジマジと観察していた。
「この程度の厚みの壁で何故あんな強度が・・・?」
などと独り言を呟きながら自分の世界に入っているようだ。
声をかけようとしたが、何かを思い付いたのか、来た時と同じ速度でどこかへ飛去ってしまった。


とりあえず最悪の事態が起こらなくて良かったという安堵感がある。
俺の印象としては何を考えているのかサッパリ分からない印象が強かった。

永久にも改めて龍子がどんな奴なのか聞いてみだが、
「どんなこんなもあるか!あ奴はずっとあんな奴じゃ・・・」と深い溜め息を吐くだけだった。
憂いを多分に含んだ永久の顔を見ながら、
俺も流石に「じゃあなんで四天王にしたんだよ」とは言えなかった。

まぁ、またどこかで会う事もあるだろう。
その時にでも直接聞いてみるとしよう。

それよりも、スルーしそうになったが龍子に回復魔法をかける時に明らかに俺から5m以上離れていたぞ?

原因は分からないが永久との距離が離れても大丈夫じゃないのか?
そう思って早速永久から無言で距離を5m以上離れてみた。

「なっ!?何をするんじゃ!?くっ・・・苦し・・・くないのじゃ?」

「コレで俺から離れられるな?」

「それはそうじゃが・・・」
永久は何か言いたそうに上目遣いで俺をチラチラ見てくる。

「なんだ?」

「・・・ふ、ふん!何でもないのじゃ!」

そう言うと、サッサと俺の部屋を出て行ってしまった。

暫くしても帰ってくる様子が無いので、本格的に大丈夫なんだろう。
改善の原因は何なんだろうな、とボンヤリと考えてみるが俺の子供を孕んだのがきっかけだったのか?
と考えに至る。

やることが無くなった俺以外居なくなった部屋は随分広く感じた。

ここでボンヤリしていても暇なので、久し振りに娘に会いにでも行くことにした。
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