67 / 119
54話
しおりを挟む
54話
ドゴォ!!
俺の拳を受けたボロボロの剣は無数のヒビが入っていき、粉々になったかと思うと、光の粒子になって消えていった。
「よし!破壊したぞ!」
「ご主人凄い!」、「流石パパとママだね☆」と言いながら二人が抱き付いてきた。
フェンリルはヤマが消えていった空間を眺めながらボタボタとドン引きする位、涙を流していた。
「女神様の光臨が見られるなんて、ボクもう思い残す事無いかも・・・」
などと譫言の様に言っていた。
もはや俺が剣を破壊した事など、全く意に介さずどうでも良さそうに一人ボタ泣きしていた。
仕方ないので苦悶の表情を浮かべた石像にエルフの飲み薬をふりかけた。
すると、危険な程魔力が膨れ上がって大爆発が起こった。
俺はとっさにステビアとリリスを抱き締めると、爆風を背中で受け止めた。
背中にしょっているバスターソードが若干盾の役割を果たしてくれたようでそこまでダメージは無かった。
勿論、抱き締めていた二人にはダメージは無さそうだ。
二人して顔を赤くして、潤んだ瞳で俺を見つめている以外は。
フェンリルはどこかに吹き飛ばされたのか姿が見えない。
まあ一応四天王らしいし、多分どこかで生きているだろう。
「ふぁ~・・・よく寝たのじゃ~・・・」
欠伸をしながら緊張感ゼロのボロボロの布切れをまとった幼女が爆心地から現れた。
「ふむ・・・おぬしが妾を助けてくれたんじゃな?
・・・男!?な、なななんでお、男がこんな所にいるんじゃ!?」
魔王さんは慌てふためきながら、「こんな時はどんな服を着ればいいんじゃ!?最近の”とれんど”など分からんぞ!?」とパニックになりながら何かを考えている。
暫くすると、何を思い付いたのか不思議な呪文を唱えた。
閃光で辺りが包まれ、光が収まった場所には何故か巫女服を着た魔王さんがいた。
「これでばっちりじゃろう?」
何がバッチリなのかサッパリ分からなかったが、
小走りで俺の近くまでくると、
「ぉーそれにしてもおぬし”いけめん”じゃのぅ・・・ほー・・・造形美が美しいのじゃ・・・どの角度から見ても完璧じゃ!ここまで非の打ち所がないとは・・・素晴らしい!」
等と俺の顔を見ながら瞳をキラキラさせて勝手に評論していた。
・・・あまりにも緊張感の欠片も無い魔王さんの行動に呆気にとられていた。
暫くすると魔王さんも満足したのか話を切り出した。
妙に熱い視線を受けながら、だが。
「妾はウロボロス。魔王と呼ぶ者も多いかの?妾を永きに渡る封印より解き放った礼をしなくてはな?なーんでも良いぞ?」
「なら、ラビット族をここに住まわせてくれないか?出来る事なら、アイツらにちょっかいを出さないように魔王さんからもこの大地に住む魔物に言って欲しいんだが」
「・・・無理じゃな」
「何故だ!?」
「そんなウサギを助けてどうするのじゃ?人間の”ぺっと”をしている方が幸せかもしれんぞ?
それにこの場所はいずれ戦場になるからのぅ?
お主も妾と共に人間族に討たれ悠久の時を共に過ごすかえ?・・・ククク」
ドゴォ!!
俺の拳を受けたボロボロの剣は無数のヒビが入っていき、粉々になったかと思うと、光の粒子になって消えていった。
「よし!破壊したぞ!」
「ご主人凄い!」、「流石パパとママだね☆」と言いながら二人が抱き付いてきた。
フェンリルはヤマが消えていった空間を眺めながらボタボタとドン引きする位、涙を流していた。
「女神様の光臨が見られるなんて、ボクもう思い残す事無いかも・・・」
などと譫言の様に言っていた。
もはや俺が剣を破壊した事など、全く意に介さずどうでも良さそうに一人ボタ泣きしていた。
仕方ないので苦悶の表情を浮かべた石像にエルフの飲み薬をふりかけた。
すると、危険な程魔力が膨れ上がって大爆発が起こった。
俺はとっさにステビアとリリスを抱き締めると、爆風を背中で受け止めた。
背中にしょっているバスターソードが若干盾の役割を果たしてくれたようでそこまでダメージは無かった。
勿論、抱き締めていた二人にはダメージは無さそうだ。
二人して顔を赤くして、潤んだ瞳で俺を見つめている以外は。
フェンリルはどこかに吹き飛ばされたのか姿が見えない。
まあ一応四天王らしいし、多分どこかで生きているだろう。
「ふぁ~・・・よく寝たのじゃ~・・・」
欠伸をしながら緊張感ゼロのボロボロの布切れをまとった幼女が爆心地から現れた。
「ふむ・・・おぬしが妾を助けてくれたんじゃな?
・・・男!?な、なななんでお、男がこんな所にいるんじゃ!?」
魔王さんは慌てふためきながら、「こんな時はどんな服を着ればいいんじゃ!?最近の”とれんど”など分からんぞ!?」とパニックになりながら何かを考えている。
暫くすると、何を思い付いたのか不思議な呪文を唱えた。
閃光で辺りが包まれ、光が収まった場所には何故か巫女服を着た魔王さんがいた。
「これでばっちりじゃろう?」
何がバッチリなのかサッパリ分からなかったが、
小走りで俺の近くまでくると、
「ぉーそれにしてもおぬし”いけめん”じゃのぅ・・・ほー・・・造形美が美しいのじゃ・・・どの角度から見ても完璧じゃ!ここまで非の打ち所がないとは・・・素晴らしい!」
等と俺の顔を見ながら瞳をキラキラさせて勝手に評論していた。
・・・あまりにも緊張感の欠片も無い魔王さんの行動に呆気にとられていた。
暫くすると魔王さんも満足したのか話を切り出した。
妙に熱い視線を受けながら、だが。
「妾はウロボロス。魔王と呼ぶ者も多いかの?妾を永きに渡る封印より解き放った礼をしなくてはな?なーんでも良いぞ?」
「なら、ラビット族をここに住まわせてくれないか?出来る事なら、アイツらにちょっかいを出さないように魔王さんからもこの大地に住む魔物に言って欲しいんだが」
「・・・無理じゃな」
「何故だ!?」
「そんなウサギを助けてどうするのじゃ?人間の”ぺっと”をしている方が幸せかもしれんぞ?
それにこの場所はいずれ戦場になるからのぅ?
お主も妾と共に人間族に討たれ悠久の時を共に過ごすかえ?・・・ククク」
1
お気に入りに追加
388
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
男女比がおかしい世界に来たのでVtuberになろうかと思う
月乃糸
大衆娯楽
男女比が1:720という世界に転生主人公、都道幸一改め天野大知。 男に生まれたという事で悠々自適な生活を送ろうとしていたが、ふとVtuberを思い出しVtuberになろうと考えだす。 ブラコンの姉妹に囲まれながら楽しく活動!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる