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42話
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42話
やっと落ち着いたユリが眼鏡の種明かしとここで話したことは絶対に秘密にするという約束を交わした。
ユリがおもむろに装備した眼鏡は真贋の眼鏡と言って、
嘘か本当か分かってしまうマジックアイテムらしい。
試しに俺も装備しながら、
「ユリは本当にユリって本当は何歳なんだ?」
と聞いてみると、ユリは本気で怒ってしまい、
「さ、最低です!そんな事聞かないでください!」
と軽蔑されてしまったので、必死で謝るハメになった。
最後に、眼鏡をかけたままの俺に「さーくんなんて嫌いです!絶対許しませんからね!」と言ってきたが、それを聞いて安心した。
しかし、人間族か・・・欲しいモノは手段を問わず根こそぎ奪うってのは幾ら何でもやりたい放題過ぎる気もするがな~・・・。
そう思った瞬間頭が割れるような頭痛が俺を襲う。
耐えられるレベルでは無いと諦めて意識を手放そうとした瞬間、”また”世界が止まった。
思い出した・・・。
俺達兄妹はある時まで、平凡な一般家庭で育っていた。
だが、両親が訳の分からない新興宗教にハマったらしく、
何かと理由を付けて、宗教団体へ金をどんどん献金していき、
家は加速度的に貧しくなっていった。
ある日、洗脳され、狂った両親によって妹が胡散臭い教祖に捧げられそうになったとき、泣いて拒む妹と逃げ出そうとしたが、「邪神の使いめ!」とか言われ、狂った両親に包丁で滅多刺しにされた筈だ。
遠ざかる意識の中、泣きじゃくりながら妹が「お兄ちゃん!お兄ちゃん!!死なないで!」と必死に俺の手を掴んでいたのが最期の記憶のようだ。
いつの間にか漆黒の穴から現れていたヤマが嬉しそうに微笑む。
「やっと思い出した?お兄ちゃん?お兄ちゃんはあの後すぐに死んじゃったけど、あの後私は狂った宗教団体の肉便器にされたんだよ?毎日毎日何人とセックスしたか分からない位して、妊娠したらお腹を何度も殴られて無理矢理堕胎させられてね?何回目かの堕胎するときに加減を間違えた馬鹿に殴り殺されちゃった♪」
妹の壮絶な過去に絶句するしかないが、妹の独白はまだ続いた。
「その後、死んだ私は真っ黒いモヤモヤしたモノにスカウトされたの♪凄い力を持って転生させてくれるとか言われてね?
でも1人だと寂しいから真っ黒いモヤモヤに、お兄ちゃんも連れてきてってお願いしちゃった♪勿論人間以外の種族で☆」
「なんで人間以外なんだ?」
「そんなの、私が人間が大嫌いだからに決まってるでしょう?」
背筋が凍るほどぞっとする笑みを湛え話を続けた。
やっと落ち着いたユリが眼鏡の種明かしとここで話したことは絶対に秘密にするという約束を交わした。
ユリがおもむろに装備した眼鏡は真贋の眼鏡と言って、
嘘か本当か分かってしまうマジックアイテムらしい。
試しに俺も装備しながら、
「ユリは本当にユリって本当は何歳なんだ?」
と聞いてみると、ユリは本気で怒ってしまい、
「さ、最低です!そんな事聞かないでください!」
と軽蔑されてしまったので、必死で謝るハメになった。
最後に、眼鏡をかけたままの俺に「さーくんなんて嫌いです!絶対許しませんからね!」と言ってきたが、それを聞いて安心した。
しかし、人間族か・・・欲しいモノは手段を問わず根こそぎ奪うってのは幾ら何でもやりたい放題過ぎる気もするがな~・・・。
そう思った瞬間頭が割れるような頭痛が俺を襲う。
耐えられるレベルでは無いと諦めて意識を手放そうとした瞬間、”また”世界が止まった。
思い出した・・・。
俺達兄妹はある時まで、平凡な一般家庭で育っていた。
だが、両親が訳の分からない新興宗教にハマったらしく、
何かと理由を付けて、宗教団体へ金をどんどん献金していき、
家は加速度的に貧しくなっていった。
ある日、洗脳され、狂った両親によって妹が胡散臭い教祖に捧げられそうになったとき、泣いて拒む妹と逃げ出そうとしたが、「邪神の使いめ!」とか言われ、狂った両親に包丁で滅多刺しにされた筈だ。
遠ざかる意識の中、泣きじゃくりながら妹が「お兄ちゃん!お兄ちゃん!!死なないで!」と必死に俺の手を掴んでいたのが最期の記憶のようだ。
いつの間にか漆黒の穴から現れていたヤマが嬉しそうに微笑む。
「やっと思い出した?お兄ちゃん?お兄ちゃんはあの後すぐに死んじゃったけど、あの後私は狂った宗教団体の肉便器にされたんだよ?毎日毎日何人とセックスしたか分からない位して、妊娠したらお腹を何度も殴られて無理矢理堕胎させられてね?何回目かの堕胎するときに加減を間違えた馬鹿に殴り殺されちゃった♪」
妹の壮絶な過去に絶句するしかないが、妹の独白はまだ続いた。
「その後、死んだ私は真っ黒いモヤモヤしたモノにスカウトされたの♪凄い力を持って転生させてくれるとか言われてね?
でも1人だと寂しいから真っ黒いモヤモヤに、お兄ちゃんも連れてきてってお願いしちゃった♪勿論人間以外の種族で☆」
「なんで人間以外なんだ?」
「そんなの、私が人間が大嫌いだからに決まってるでしょう?」
背筋が凍るほどぞっとする笑みを湛え話を続けた。
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