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45話

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45話


変わった夢を見始めてから暫くは特に無理をせず、目立たずに行動を心掛けた。
幸い資金はまだまだ大量にあるので困ることも無い。
大きな出来事は、ステビアの発情期があった事位だろうか。
また一段とステビアとは親しくなれた気がする。
それくらい何もしていなかった。
勿論、ユリは俺を心配して頻繁に訪れて差し入れを持って来てくれたり、料理を作りに来てくれたりした。

・・・それもこれも、ヤマに言われた事、ユリが秘密裏に行動している事、いまだに俺の心を乱す拭いきれないどす黒い前世の記憶・・・。
もう俺が出すべき答えは決まっているような気はするが、
その答えで本当にいいのかと考えてしまっているからだ。
・・・ただの逃避なのかもしれないが。

そんな怠惰な生活を送っていると、
あまりに使っていない財布に入っている「秘密のパス」が輝き出し俺は激しい光に包まれた。

光が収束すると、宿屋とは明らかに違う場所にいた。

「久し振りだね、サラメアさん?約束通り全然来てくれないから、呼ばせて貰いましたよ?」

「えーっと鈴蘭・・・だったよな?」

「ひっどい!私の事しっかり孕ませておいて!」
などとは言ってはいるが、どこか嬉しそうな感じだった。

だが、妊娠している割にお腹に膨らみは全く無く、胸が随分大きくなったような気がする位だった。

「ほーら!睡蓮もおいで!」
部屋の外から様子を窺っていた女の子が小走りで鈴蘭の後ろへやってきた。

「お父さん・・・?」
まるで鈴蘭をそのままミニサイズにしたような可愛さがある女の子が鈴蘭の後ろに隠れながら俺の様子をうかがっていた。


状況が掴めず、呆然としていると、
鈴蘭が「どう?睡蓮は可愛いでしょう?」と聞いてきた。

そんなにすぐに子供って産まれないよな・・・?
そう思って、猜疑心に駆られながら鈴蘭を見てしまっていた。

ヤレヤレそんな事も知らないの?
と言わんばかりに避妊魔法の事、ラビット族の特性を教えてくれた。

避妊魔法については、ヤマと言われた事と同じ事を聞くことになり、身に染みて俺はとんでもない事をしてしまったんだな、と再認識する羽目になった。
ラビット族については、流石は異世界だなと思った。
まさか妊娠から出産まで1ヶ月で終わり、産まれた子供もある程度までは人間に比べて圧倒的に早く成長するらしい。

「もし私の事が信じられないなら、私を監禁していーっぱい犯してまた孕ませてみる?もう避妊魔法も無いし、すぐ妊娠しちゃうと思うけど♪別に今とそんなに変わらし、私はそれでも良いのだけれど?」
なんて、どれだけ本気なのか分からないが非常に艶めかしく俺の耳元で囁いてくる。
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