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40話

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40話


俺でさえ驚異的な速さだと感じるくらだ、
他の人には認識できたかった怪しいレベルだろう。
実際1秒掛かったか怪しい。
一陣の風と共に3人の首が空を舞った様に見えたかもしれない。
その前に余りにも静かに、自然に行われた凶行は下手をすると誰にも気が付かない可能性すらある。

どうしたの?という表情でにこにこ俺を眺めているステビアには罪悪感の欠片も無さそうだ。

俺は毎日の様にワーキャット族のヤバさを体験出来るツアーにでも迷い込んだのか・・・?

とりあえず、ステビアにはこんなの人通りの有るところでこんな事しちゃ駄目だぞ?と軽い口調でいっておいたので多分大丈夫だろう。

「ご主人には見えていたんだね、やっぱり凄いな~・・・」
と言いながら羨望の眼差しで見るのは止めて欲しいんだが・・・。

幸い人通りの少ない所だったのが幸いしたのか、周囲は大きなパニックにはならなかった。

駆けつけた衛兵に事情を説明すると、応援を呼び、3人の死骸手早くを処理して去って行った。
・・・最敬礼と共に。

どうやら賞金は冒険者ギルドから支払われる事になっているようだので、早速向かうことにした。

ユリの所へ行くと、早速恨みがましい眼差しで俺を睨んできた。
どうやらランクアップ手続きが終わったのに、
先程の功績でまたランクアップしてしまったようだ。
「事務手続きも楽じゃないんですよ~?今度埋め合わせしてくださいね?」

と言いながら、この前討伐したコボルトの賞金と今回の賞金を
入金して貰った。

それと疑問だったステビアの爪とは言わず・・・純粋にニャルニャンタイトについて聞いてみた。


「それなら、今はもうほぼ存在しないだろうと言われている
伝説の幻想金属ですよ?」

ステビアの方をチラリと見て、何か躊躇っているようだったが、
「ごく一部のワーキャット族の爪がニャルニャンチウムだったのが分かって一時期乱獲があったんです。30年以上昔ですけど・・・おかげでワーキャット族は絶滅寸前です。酷いものですよね~・・・」
と教えてくれた。

当のステビアはそれを聞いて、俺の耳元で「うちご主人の子供いっぱい産むね?」と言っている位だったのでユリの心配は杞憂だろう。

ユリは端末を操作すると、何かを調べてくれる。

「最後にオークションに出品された時は1gで1000億タームの値段が付いたみたいですね。
と言っても、これも15年位前の話ですから今は幾らの値段が付くか想像出来ないですね~」

「そ、そうか」
一生遊んで暮らせるってレベルじゃないな。
ステビアにお願いすれば欠片どころか、全ての爪を無理矢理剥がして俺にくれそう気がするが・・・。


しかし、ギルドには便利な端末が有るんだな。
他にどんな事調べられるのか聞いてみると、
冒険者の氏名、冒険者の功績、残高、取引先リスト、等々
あらゆる事が調べられるらしい。
ただの受付嬢にそんな権限あるのか?
と聞いてみると、急にユリがしどろもどろになって挙動が怪しくなった。
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