（R-18）オークに転生した俺は女神の下僕らしい？

30話

30話


薄暗い部屋はそこまで広くは無かったので、
吟味する意味も含めて、一人一人確認する事にした。
当然ここにいる奴隷は洗脳されていないので、
一人一人檻に入れられている。
まるで、罪を犯していなくとも囚人のようだな。
服装までも、統一された様な服だし・・・。

俺は一人一人確認しながら、あらかじめ欲しいと考えていた奴隷が居ないか確認していく。

条件としては、
女で出来れば亜人で、猫耳少女なら良し！
っと危うく声に出しそうになっちっまたぜ・・・。

それぐらいビックリするタイミングで
丁度いい子が見つかった。

しかし、その子は俺に対して酷く怯え、
体をブルブルと震わせている。
正直、殺気の混じった視線を送ってくる雑魚よりか全然いい。
それとも、本能的に危機を感じ取っているんだろうか？

「お前、名前は？」

「・・・・・・」
猫耳少女は俺から視線を外す事無く無言を貫いた。

「・・・言葉は分かるか？」

「ぉ・・・じゃない！」

「ん？」

「お前じゃない！！ステビアだ！！」
猫耳少女・・・ステビアは体を震わせてはいるものの、
俺から視線を外す事無く言い切った。

「ステビアか、また後でな。」
根性も座ってるし、
危機感知能力にも優れている様だし、あの子にしよう。

早速部屋を出ると、ケルビンにステビアを奴隷にすると伝えた。

「よりによってあの奴隷を・・・あの奴隷は洗脳魔法を自分で破り、数多の返品を受けていますし、気性が荒いので大変困っていましてね、返品は不可という条件でお譲り致しますが、それでも良いですかね？ヒヒ・・・」

俺にとってはタダなら願ったり叶ったりだ。
俺は二つ返事で快諾した。

正直、最低限の働きさえしてくれればそれで構わない。
ヤバくなったら適当に逃げてくれればなお助かる。
後は、個人的な癒やしだな。
どうも猫というキーワードが俺の中で外したくキーワードの様なのは間違い無い。
まあ、俺なりに大切にしてやろう。

お約束の手続きと、奴隷の契約を結んだ。
契約するまでは「嫌だ！嫌だ！こんなバケモノと奴隷契約なんて！許して！！」なんて泣き叫びながら拒んでいたが、
「これ以上お前に無駄飯を食わせてる金は無いんでね、
精々幸せにしてもらいな、ヒヒ・・・」
と、ケルビンも相当腹に据えかねていたんだろうなー・・・。
タダで俺に譲る位だしなぁ・・・。

滞り無く無事奴隷契約を結んでから
ステビアはまるで魂が抜けた様にグッタリしている。
ケルビン曰わく、「一時的なショックですよ、ヒヒ・・・」
とのことだった。

しかし、俺がバケモノねぇ・・・？
まぁ、確かにそうかもな。
本能的に理解しているのか？
それとも何かを看破しているのか？
ステビアが目を覚ましたら聞いてみよう。