無理矢理異世界転生! 調子にのったら人類の敵になっていた

量産型774

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10話

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・・・俺は生きているのか・・・?
ぼやける視界と脳に残る激痛の残滓と共になんとか覚醒する。
酷い目にあったよホント・・・。
この世界の説明文は致命的に説明が不足してる!
スキルを取得するだけであんなに酷い激痛を味わうなんて想定外過ぎる。
ステータスカンストしてる俺がこんな状態なんだから、
何か一つ間違えたら脳ミソが弾け飛んで即死していたのか・・・?
恐ろしい世界だな・・・。

しかしあれからどれ位たったのだろうか・・・。
時計も無いし分からないな・・・。
額に乗っている布は冷たく保たれているから、
誰かが俺の看病をしてくれているようだけど。
部屋には誰もいないな・・・。
看病してくれていたのはファル・・・かな?

とりあえず手足が動く事を確認する為に、
体を起こし手足の感覚を確かめ始めた。
脳をやられて手足が動かないなんて良く聞くしな。
残りの人生寝たきりなんて真っ平御免だ!
若干の痺れはあるみたいだけど、支障は無さそうだな・・・。
これ位ならその内に治るだろう・・・。

かなり真剣に確認していた為、
水を汲みに出かけていたファルが戻った事に気が付かなかった。

ガシャン
ファルは手に持っていた水の瓶を取り落とし、俺に抱きついてくる。

「・・・良かった本当に良かったもう目を覚まさないかと思った・・・」

「お、おぅ・・・もう大丈夫だからさ」
そう言ってもファルは離してくれなかった。
順調にシャツが冷たくなっていく事から彼女が泣いている事は分かる。
俺は心配させて申し訳ない気持ちから、
彼女が落ち着くまで頭を優しく撫でていた。

暫くすると、安心し切ってしまったのか、安らかな寝息が聞こえ始めたので、
優しく抱擁を解きファルをベッドに寝かせると、俺もベッドに横になった。

「ありがとな・・・」
聞こえてないだろうけど、言っておきたかった。

そして今回の出来事を改めて考える。
確かにHPもMPも自動で回復する事は間違いないが、
それを上回るダメージを受ければ、痛いし死ぬよな。
回復魔法を使えない状況になったら即座に回復すら出来ない。
外的要因ならオートカウンターでどうにかなるっぽいけどな・・・。
アイテムでどうにかするか・・・?
薬草作成とかポーション作成とかかな?
どっちにしても材料が無いと何も出来ないな。
早いうちにどうにかしよう。
あとは状態異常には全く耐性がないんだよな・・・。
そう思うと、スキルリストから状態異常無効を取得しLv99まで上げた。


隣で涙の痕を残して安らかに眠るファルを見て、
絶対に死んでたまるかと思いながら眠りについた。
眠っている彼女と手を繋ぎながら。


朝、目が覚めると彼女は隣に居なかった。
昨日までの出来事が嘘の様に普通に朝ごはんを作っていた。
「逞しいな・・・」と思わず呟いちゃったけど、
多分聞かれてないよな?

ただ、スキンシップが今までの1.5倍程度に増えているような気がする・・・。
しかも俺の分のフォークやスプーンが無かったから、ファルに聞いたら、
料理を一口サイズに切って口元まで持ってきて「・・・あーん」してくれた。
至れり尽くせりだけど、これは恥ずかしい・・・!
ファルも顔が赤いぞ!?無理しなくてもいいなだけどな!?
なんて思っていたけど、
わざわざ言葉に出して止めさせるような野暮な事はせずに
朝食は美味しく完食した。

・・・これが毎日になるのか・・・?
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