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43話
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ファルは俺の後ろをジッと凝視しているみたいだ。
しかし、「パパ?」だと?
幻聴でも聞こえたのか?
今の俺は“やる事”をやったとしてもそんな結果にはならない・・・筈だ。
ちょっと疲れが出たのか?
そんな事を考えていたら、俺の足に何かが纏わり付いてきた。
思わず確認すると、
浴衣?姿で黒髪黒目の女の子が俺の足にしがみ付き、
キラキラした目で俺を見つめている様に見える。
「パパ!」
とうとう幻聴に幻覚でも見え始めたか・・・?
俺には休養が必要なのかもしれない。
「・・・どういうこと?」
淡い青色の髪の毛を逆立てている。
心なしか部屋の温度が下がっているような気がする。
「へ!?この子ファルにも見えているのか!?」
「ねえ、怒らないから、本当の事を話して?」
にこやかな笑顔で優しく俺に話しかけてくるが、
部屋の温度が凄い勢いで下がっているのを感じる。
「い、いや・・・俺も良く分かってないんだけどさ・・・」
「そう・・・」
部屋の中でダイヤモンドダストを見れるだなんて思わなかったな。
綺麗ダナー・・・はは。
幻覚だと思っていた女の子はファルの様子をみて恐怖を感じたのか、
俺の後ろでぷるぷる震えている。
あー・・・寒いのかなー?
「っくち!・・・この部屋なんでこんなに寒いの!?」
風呂から出来てきたブリギッドがこの部屋にやってきた様だ。
「ファルちゃんも来ていたんだね、いらっしゃい」
状況を知らない為、のほほんとファルに挨拶をしている。
「姉さん!あの子は何ですか!?」
珍しくファルが声を荒げてブリギッドを問い詰める。
「え!?あの子・・・?」
俺の後ろに隠れていた子がひょっこり顔を出す。
「ママ!」
そういうと嬉しそうにブリギッドに走りより、足に抱き付く。
「えっ!?ええ!?」
突然の事に驚いている様子のブリギッドだったので、
確認の意味も含めて聞いてみた。
「その子はブリギッドが産んだ子供じゃないのか・・・?」
「ち、違うよ!?
この前リョウに初めてをあげたばかりだよ!!
あたし他の男となんてしてないからね!?」
真剣な眼差しで俺を見つめる様子は、
とても嘘偽りを言っている様には感じられない。
「・・・・」
ファルは俺とブリギッドのやり取りを、
無言で鋭い目付きのまま観察している様だ。
部屋の温度は下がり続けているようだから、
全く落ち着いていない事は良く分かる。
「となると、この子は一体・・・?」
駄目だな、俺にはステータス鑑定があるじゃないか。
アレを使えば、あの子が何者か直ぐに分かるじゃないか。
気が動転してすっかり忘れていた。
「ステータス鑑定」
名前:
年齢:0
身長:0.5
体重:1
種族:伝説の魔剣
職業:魔剣
レベル:1
HP:9
MP:9
STR:9
VIT:9
DEX:9
AGI:9
INT:9
スキル
HP吸収Lv99
MP吸収Lv99
攻撃変換Lv99
称号
アーティファクト
・・・・凄くどこかで見た事があるな?
つい1週間くらい前に、
この奥の作業場で見た事がある様な気がするんだがな。
気のせいじゃないよなぁ・・・。
俺とブリギッドで作ったから“パパ”と“ママ”か・・・。
ある意味間違ってはいない、のかもしれない。
よく見るとどこかブリギッドの面影があるような気がする。
目の形とかそっくりじゃないか・・・?
そもそもこの世界って武器も人に変身できるのか・・・?
ドラゴン族だって変身出来るなら出来るのか・・・?
本当にこの世界のシステムは不親切極まりない。
種族として当たり前に使えるスキルの様なモノは、
いくらステータス鑑定をしても分からない。
もっとも、呼吸とか歩行とか詳細過ぎる記載は逆に困るけどさ・・・。
・・・さて、この分かってしまった事実をどう伝えようか・・・。
しかし、「パパ?」だと?
幻聴でも聞こえたのか?
今の俺は“やる事”をやったとしてもそんな結果にはならない・・・筈だ。
ちょっと疲れが出たのか?
そんな事を考えていたら、俺の足に何かが纏わり付いてきた。
思わず確認すると、
浴衣?姿で黒髪黒目の女の子が俺の足にしがみ付き、
キラキラした目で俺を見つめている様に見える。
「パパ!」
とうとう幻聴に幻覚でも見え始めたか・・・?
俺には休養が必要なのかもしれない。
「・・・どういうこと?」
淡い青色の髪の毛を逆立てている。
心なしか部屋の温度が下がっているような気がする。
「へ!?この子ファルにも見えているのか!?」
「ねえ、怒らないから、本当の事を話して?」
にこやかな笑顔で優しく俺に話しかけてくるが、
部屋の温度が凄い勢いで下がっているのを感じる。
「い、いや・・・俺も良く分かってないんだけどさ・・・」
「そう・・・」
部屋の中でダイヤモンドダストを見れるだなんて思わなかったな。
綺麗ダナー・・・はは。
幻覚だと思っていた女の子はファルの様子をみて恐怖を感じたのか、
俺の後ろでぷるぷる震えている。
あー・・・寒いのかなー?
「っくち!・・・この部屋なんでこんなに寒いの!?」
風呂から出来てきたブリギッドがこの部屋にやってきた様だ。
「ファルちゃんも来ていたんだね、いらっしゃい」
状況を知らない為、のほほんとファルに挨拶をしている。
「姉さん!あの子は何ですか!?」
珍しくファルが声を荒げてブリギッドを問い詰める。
「え!?あの子・・・?」
俺の後ろに隠れていた子がひょっこり顔を出す。
「ママ!」
そういうと嬉しそうにブリギッドに走りより、足に抱き付く。
「えっ!?ええ!?」
突然の事に驚いている様子のブリギッドだったので、
確認の意味も含めて聞いてみた。
「その子はブリギッドが産んだ子供じゃないのか・・・?」
「ち、違うよ!?
この前リョウに初めてをあげたばかりだよ!!
あたし他の男となんてしてないからね!?」
真剣な眼差しで俺を見つめる様子は、
とても嘘偽りを言っている様には感じられない。
「・・・・」
ファルは俺とブリギッドのやり取りを、
無言で鋭い目付きのまま観察している様だ。
部屋の温度は下がり続けているようだから、
全く落ち着いていない事は良く分かる。
「となると、この子は一体・・・?」
駄目だな、俺にはステータス鑑定があるじゃないか。
アレを使えば、あの子が何者か直ぐに分かるじゃないか。
気が動転してすっかり忘れていた。
「ステータス鑑定」
名前:
年齢:0
身長:0.5
体重:1
種族:伝説の魔剣
職業:魔剣
レベル:1
HP:9
MP:9
STR:9
VIT:9
DEX:9
AGI:9
INT:9
スキル
HP吸収Lv99
MP吸収Lv99
攻撃変換Lv99
称号
アーティファクト
・・・・凄くどこかで見た事があるな?
つい1週間くらい前に、
この奥の作業場で見た事がある様な気がするんだがな。
気のせいじゃないよなぁ・・・。
俺とブリギッドで作ったから“パパ”と“ママ”か・・・。
ある意味間違ってはいない、のかもしれない。
よく見るとどこかブリギッドの面影があるような気がする。
目の形とかそっくりじゃないか・・・?
そもそもこの世界って武器も人に変身できるのか・・・?
ドラゴン族だって変身出来るなら出来るのか・・・?
本当にこの世界のシステムは不親切極まりない。
種族として当たり前に使えるスキルの様なモノは、
いくらステータス鑑定をしても分からない。
もっとも、呼吸とか歩行とか詳細過ぎる記載は逆に困るけどさ・・・。
・・・さて、この分かってしまった事実をどう伝えようか・・・。
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