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6話 本当の……
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「1つお聞きしても、よろしいでしょうか。」
「何でも聞いてくれ。」
「貴方は…ルア様は、何者ですか?」
「そう……だね。貴族なのか何なのかも分からない人に、婚約を申し込まれても受け入れられないよね…。」
「……。」
「改めて自己紹介を。私はメルヴァント・ディア・イジェガルドという。」
「メルヴァント……まさか、第二王子殿下!?」
「ああ。私はこの国の第二王子だよ。」
また倒れそうになる。
しかしルア……メルヴァント殿下が受け止めて下さった。
私は落ち着き、椅子に座る。
「返事が……聞きたい。」
「……こんな私で良ければ、お受け致しますわ。」
「っ、本当かい!?ありがとう!」
満面の笑みで、私の手を握る殿下。
それほど嬉しいのだと分かる。
私は、他人にそんな表情をされたことがなかった。
胸が熱くなる。
きっと顔も赤いだろう。
こんな感情は初めてだった。
ガイディアス様は、好きだと言ってくれていたが、愛してはくれなかった。
私は愛していたのだけれど、どこか距離を感じてしまう。
でも殿下は違うと分かる。
そして殿下に対する私の気持ちも、ガイディアス様を本当に愛していたのかと疑ってしまうほどのものだった。
今更、シファナに想いが向くようなガイディアス様など、どうでも良かった。
「父上には既に伝えてあるんだ。だから後は、君の方だけだよ。」
「……行くしか…ありませんわね。」
「勿論私もついて行こう。」
「感謝致します、殿下。」
そうして、私は不本意ながら伯爵家へと向かう事にした。
「何でも聞いてくれ。」
「貴方は…ルア様は、何者ですか?」
「そう……だね。貴族なのか何なのかも分からない人に、婚約を申し込まれても受け入れられないよね…。」
「……。」
「改めて自己紹介を。私はメルヴァント・ディア・イジェガルドという。」
「メルヴァント……まさか、第二王子殿下!?」
「ああ。私はこの国の第二王子だよ。」
また倒れそうになる。
しかしルア……メルヴァント殿下が受け止めて下さった。
私は落ち着き、椅子に座る。
「返事が……聞きたい。」
「……こんな私で良ければ、お受け致しますわ。」
「っ、本当かい!?ありがとう!」
満面の笑みで、私の手を握る殿下。
それほど嬉しいのだと分かる。
私は、他人にそんな表情をされたことがなかった。
胸が熱くなる。
きっと顔も赤いだろう。
こんな感情は初めてだった。
ガイディアス様は、好きだと言ってくれていたが、愛してはくれなかった。
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でも殿下は違うと分かる。
そして殿下に対する私の気持ちも、ガイディアス様を本当に愛していたのかと疑ってしまうほどのものだった。
今更、シファナに想いが向くようなガイディアス様など、どうでも良かった。
「父上には既に伝えてあるんだ。だから後は、君の方だけだよ。」
「……行くしか…ありませんわね。」
「勿論私もついて行こう。」
「感謝致します、殿下。」
そうして、私は不本意ながら伯爵家へと向かう事にした。
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