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最終話
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「……改めて、私もヴァリフィアに言わなければいけないことがあってね。」
「……?」
国外追放にされるのかと、私は落ち着かない気持ちでいた。
しかし、ふとディルジアの異変に気付く。
卒業パーティーという公の場で、敬語を使っていないのだ。
つい先程までは私に対しても使っていた。
しかし、今のディルジアは一人称こそ普段通りだが、口調が違う……。
他の令嬢達も気づいた様子。
「ヴァリフィア。私は貴女を愛しているよ。」
「えっ……ちょ、で、殿下…!?」
「だからその……私と、結婚して下さい。」
「っ~~!」
(この場で言う!?確かに、本人から聞きたいとは言ったけど……。でも、これだけの覚悟を見せてくれたんだ。私も答えなきゃね。)
「ヴァリフィア…?」
「殿下。……喜んで。」
「っ!ありがとう!」
周りから拍手が起こった。
「おめでとうございます。」という声が飛び交う。
クラスメイト達は芸術魔法で祝ってくれている。
ゲームでは、この場はヒロインと攻略された者、つまり今回はエールズの2人が祝福される場面だ。
しかし現状、何故か私とディルジアが祝福されている。
(まぁ一国の王子がプロポーズしたんだから、祝わないといけないっていうのも分かるんだけどね……ごめん、メイナ。)
そう思ってメイナとエールズの方を見ると、私に笑いかけていた。
手を繋いでいるあたり、私に向かって幸せアピールをしている様子。
そこで私は、魔法で創った美しい花だけをメイナの手へと転移させた。
勿論、手を繋いでいない方に、だ。
驚いた顔をしたメイナだったが、私が笑いかけると、お辞儀をしていた。
「ヴァリフィア、式の事なんだけど…。」
「既に聞いております。」
「だろうね。」
「ディル、ヴァリフィア。おめでとう。」
「ありがとうございます、エフェン。」
「ありがとうございます。」
「普段のディルに戻ったな。ヴァリフィアの時と同じ口調にして良いんだけど?」
「今は公の場ですよ。結婚が決まった今、ヴァリフィアへの対応を変えても不思議はありませんが、貴方は身内になるわけでもないでしょう。」
「まぁそういうことにしておくさ。」
こそこそと周りに聞こえない声で話すエフェンとディルジア。
尤も、エフェンが急に現れたので、令嬢達が悲鳴のような歓声を出したのは言うまでもない。
その後、報告の為に国王陛下の書斎へと向かった。
見たこともないような満面の笑みで、ディルジアの報告を聞く陛下。
「うわぁ」と声が出そうになるが、我慢する。
これで1週間後の結婚が確定した。
ラーノンス侯爵家に行く時間がなかった為、両親に手紙で報告すると喜びに満ちた返事が返ってきた。
それはそうと、これにて乙女ゲームの物語が終わった。
本当に長い、長い日々だった。
悪役令嬢の運命なんかぶっ飛ばしてやると思いながら、今まで頑張ってきた。
自分の命を守り、時には友人に助けられ、協力してもらい……。
皆には、感謝してもしきれない。
『フルシーネア学園』を去った今、悪役令嬢ということを気にする必要もなくなった。
解放されたのだ--
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
10日が経ち、私は王族の一員となっていた。
現在は王城暮らしだ。
私が1人で自室に居た時、エフェンが瞬間移動してきた。
「結婚おめでとう。それと、無事に学園生活が終わって良かったよ。」
「それもこれも、エフェンが協力してくれたから……。感謝してもし足りないよっ。」
「友人として、当然のことをしたまでさ。あとは全て、ヴァリフィアの力だ。これからも私なりに支えさせてもらうよ。」
「本当に、本当にありがとう。でも、無理はしないでね。」
「分かっているよ。また…な。」
「ええ、また。」
こうして、私はただの令嬢ではなく、第2王子ディルジアの妻となったのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
凛 伊緒
『あれ、題名と違うような………気にしないでおきましょう…。
改めまして。
少し詰め込んだ気はしますが、
【私ですか?ただの令嬢です。】
を完結とさせていただきます。
この後は番外編を少し書こうと思っています。
番外編は完結後の話ですので、読んでいただければ幸いです。』
※毎日更新ではなくなります…。
「……?」
国外追放にされるのかと、私は落ち着かない気持ちでいた。
しかし、ふとディルジアの異変に気付く。
卒業パーティーという公の場で、敬語を使っていないのだ。
つい先程までは私に対しても使っていた。
しかし、今のディルジアは一人称こそ普段通りだが、口調が違う……。
他の令嬢達も気づいた様子。
「ヴァリフィア。私は貴女を愛しているよ。」
「えっ……ちょ、で、殿下…!?」
「だからその……私と、結婚して下さい。」
「っ~~!」
(この場で言う!?確かに、本人から聞きたいとは言ったけど……。でも、これだけの覚悟を見せてくれたんだ。私も答えなきゃね。)
「ヴァリフィア…?」
「殿下。……喜んで。」
「っ!ありがとう!」
周りから拍手が起こった。
「おめでとうございます。」という声が飛び交う。
クラスメイト達は芸術魔法で祝ってくれている。
ゲームでは、この場はヒロインと攻略された者、つまり今回はエールズの2人が祝福される場面だ。
しかし現状、何故か私とディルジアが祝福されている。
(まぁ一国の王子がプロポーズしたんだから、祝わないといけないっていうのも分かるんだけどね……ごめん、メイナ。)
そう思ってメイナとエールズの方を見ると、私に笑いかけていた。
手を繋いでいるあたり、私に向かって幸せアピールをしている様子。
そこで私は、魔法で創った美しい花だけをメイナの手へと転移させた。
勿論、手を繋いでいない方に、だ。
驚いた顔をしたメイナだったが、私が笑いかけると、お辞儀をしていた。
「ヴァリフィア、式の事なんだけど…。」
「既に聞いております。」
「だろうね。」
「ディル、ヴァリフィア。おめでとう。」
「ありがとうございます、エフェン。」
「ありがとうございます。」
「普段のディルに戻ったな。ヴァリフィアの時と同じ口調にして良いんだけど?」
「今は公の場ですよ。結婚が決まった今、ヴァリフィアへの対応を変えても不思議はありませんが、貴方は身内になるわけでもないでしょう。」
「まぁそういうことにしておくさ。」
こそこそと周りに聞こえない声で話すエフェンとディルジア。
尤も、エフェンが急に現れたので、令嬢達が悲鳴のような歓声を出したのは言うまでもない。
その後、報告の為に国王陛下の書斎へと向かった。
見たこともないような満面の笑みで、ディルジアの報告を聞く陛下。
「うわぁ」と声が出そうになるが、我慢する。
これで1週間後の結婚が確定した。
ラーノンス侯爵家に行く時間がなかった為、両親に手紙で報告すると喜びに満ちた返事が返ってきた。
それはそうと、これにて乙女ゲームの物語が終わった。
本当に長い、長い日々だった。
悪役令嬢の運命なんかぶっ飛ばしてやると思いながら、今まで頑張ってきた。
自分の命を守り、時には友人に助けられ、協力してもらい……。
皆には、感謝してもしきれない。
『フルシーネア学園』を去った今、悪役令嬢ということを気にする必要もなくなった。
解放されたのだ--
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
10日が経ち、私は王族の一員となっていた。
現在は王城暮らしだ。
私が1人で自室に居た時、エフェンが瞬間移動してきた。
「結婚おめでとう。それと、無事に学園生活が終わって良かったよ。」
「それもこれも、エフェンが協力してくれたから……。感謝してもし足りないよっ。」
「友人として、当然のことをしたまでさ。あとは全て、ヴァリフィアの力だ。これからも私なりに支えさせてもらうよ。」
「本当に、本当にありがとう。でも、無理はしないでね。」
「分かっているよ。また…な。」
「ええ、また。」
こうして、私はただの令嬢ではなく、第2王子ディルジアの妻となったのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
凛 伊緒
『あれ、題名と違うような………気にしないでおきましょう…。
改めまして。
少し詰め込んだ気はしますが、
【私ですか?ただの令嬢です。】
を完結とさせていただきます。
この後は番外編を少し書こうと思っています。
番外編は完結後の話ですので、読んでいただければ幸いです。』
※毎日更新ではなくなります…。
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