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卒業パーティーです!
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あっという間に、1週間が経った。
今、学園内で卒業パーティーが開かれている。
ディルジアやサールズ、エールズ、そしてエフェン達は大勢の貴族令嬢に囲まれ、対応に追われていた。
エフェンが、令嬢相手という慣れないことをする姿を見ようと思っていたのだが、対応が完璧過ぎた。
「アーリグェー様ぁ~!今日で学園を去られてしまうのですね……。」
「寂しいですわぁ!もう会えなくなってしまいますぅ…。」
「そんなことはないさ。年に数回、貴族が集まるパーティーがある。だから二度と会えなくなるわけじゃない。」
「そうですわね!」
「流石アーリグェー様っ!格好良いですわぁ。」
(えぇ、……と?どこかで聞いたことのある台詞のような…?)
ラノベによくある、別れのシーンでの言葉だ。
それを言っただけで、令嬢達のあの様子。
イケメンって何でもありだなと思わずにはいられない。
かくいう私も、令嬢達に囲まれていた。
エフェン達と違う点は、令嬢以外にも囲まれていることだ。
令息が交じっていた。
「賢華様!こちらをお受け取りください!」
「まぁ、綺麗なお花ね。ありがとう。」
「賢華様!こちらもぜひ!」
「ありがとう、いただくわ。」
「寂しいですね……。」
「いいえ。私は月に数回は研究棟に顔を出すわ。私の研究棟ですもの。だからまた会えるわよ。」
「……っ…そうですね!」
「研究棟でお待ちしておりますわぁ!」
「ええ。」
と、後輩達に構っている暇はない。
メイナの元へ行かなければと思い、私は探すために魔力感知を使った。
すぐ近くに反応があったので、「少し外すわね。」とだけ言い残し、彼女の元へ向かった。
「あっ、ヴァリフィア様!」
「こんにちは、メイナ。」
「どうなされたのですか?貴族の方々があちらでお待ちのようですが……。」
「少し疲れたの。ねぇ、メイナは好きな人とかいないの?」
「えっ!?ヴァ……ヴァリフィア様。急にそんなことを聞かれましても……。」
「気にしない気にしない。それで、いるの?いないの?」
「え、えぇ……と…。」
「例えばエールズ様とか。」
「えっ…!?わわ、私がえええ、エールズ様となど、平民風情がおこがましいです!」
「ふふっ、分かりやすいわね。」
「ななっ、何がですかっ!?」
「いいえ、何も。それに、おこがましくなんてないわよ。高等部門を卒業出来る程の成績を収め、将来は魔法省に入ることが決まっている。そこで功績を挙げれば、名誉貴族になれる可能性もあるわ。」
「私でも、貴族の方と…?」
「ええ。自分の得意な光属性の魔法を研究していけば、必ず…ね。それまで奪われないようにしないといけないわよ?ふふっ。」
「……っ!ありがとうございます、ヴァリフィア様!私、後悔しないよう今すぐに行ってまいります!」
「ええ。」
メイナを見送るふりをしつつ、こっそりついていく。
すぐにエールズを見つけ、声をかけた。
「あの…エールズ様。」
「メイナ…。どうしたんだい?」
「その……。突然なのですが、私はエールズ様が…好き……です。なのでっ、これからも貴方様のそばに、居させてください……!」
(攻略が成功するか否かが決まる、ヒロインの名台詞!というか、メイナに対していつからタメ口になったの!?でも、それだけ攻略されてたんだ…。)
「っ……!僕も…同じことを思っていたんだ。」
「えっ…。」
「メイナ。僕はメイナがその……好き…なんだ。だから……僕のそばに、ずっと居てくれないか…?」
「…っ……喜んでっ…!」
私は嬉しさのあまり声が出そうになったが、押し殺した。
周りはパーティー恒例の貴族話をしているので、メイナとエールズの現状に気付いていない。
そんな2人に釘付けになっていたせいか、私は後ろから迫る人影を察知出来なかった。
両肩に手を添えられ、初めて振り返る。
「なっ!?何者です?」
「ヴァリフィアが私に気付かないとは。」
「ディ…ディルジア殿下でしたか……。」
「何をしていたのです?」
「メイナとエールズ様が、互いに告白されたようです。それの様子を見ていたのですよ。」
「盗み見ですか?」
「違います……と言いたいところですが、おっしゃる通りです。それで、殿下こそどうなされたのですか?」
「……改めて、私もヴァリフィアに言わなければいけないことがあってね。」
「……?」
(まさか……メイナとエールズが結ばれたから、私が国外追放になっちゃうの?!でも、国外追放にする理由がないはず……だよね…。)
何を言われるのかと、心が落ち着かないのだった--
今、学園内で卒業パーティーが開かれている。
ディルジアやサールズ、エールズ、そしてエフェン達は大勢の貴族令嬢に囲まれ、対応に追われていた。
エフェンが、令嬢相手という慣れないことをする姿を見ようと思っていたのだが、対応が完璧過ぎた。
「アーリグェー様ぁ~!今日で学園を去られてしまうのですね……。」
「寂しいですわぁ!もう会えなくなってしまいますぅ…。」
「そんなことはないさ。年に数回、貴族が集まるパーティーがある。だから二度と会えなくなるわけじゃない。」
「そうですわね!」
「流石アーリグェー様っ!格好良いですわぁ。」
(えぇ、……と?どこかで聞いたことのある台詞のような…?)
ラノベによくある、別れのシーンでの言葉だ。
それを言っただけで、令嬢達のあの様子。
イケメンって何でもありだなと思わずにはいられない。
かくいう私も、令嬢達に囲まれていた。
エフェン達と違う点は、令嬢以外にも囲まれていることだ。
令息が交じっていた。
「賢華様!こちらをお受け取りください!」
「まぁ、綺麗なお花ね。ありがとう。」
「賢華様!こちらもぜひ!」
「ありがとう、いただくわ。」
「寂しいですね……。」
「いいえ。私は月に数回は研究棟に顔を出すわ。私の研究棟ですもの。だからまた会えるわよ。」
「……っ…そうですね!」
「研究棟でお待ちしておりますわぁ!」
「ええ。」
と、後輩達に構っている暇はない。
メイナの元へ行かなければと思い、私は探すために魔力感知を使った。
すぐ近くに反応があったので、「少し外すわね。」とだけ言い残し、彼女の元へ向かった。
「あっ、ヴァリフィア様!」
「こんにちは、メイナ。」
「どうなされたのですか?貴族の方々があちらでお待ちのようですが……。」
「少し疲れたの。ねぇ、メイナは好きな人とかいないの?」
「えっ!?ヴァ……ヴァリフィア様。急にそんなことを聞かれましても……。」
「気にしない気にしない。それで、いるの?いないの?」
「え、えぇ……と…。」
「例えばエールズ様とか。」
「えっ…!?わわ、私がえええ、エールズ様となど、平民風情がおこがましいです!」
「ふふっ、分かりやすいわね。」
「ななっ、何がですかっ!?」
「いいえ、何も。それに、おこがましくなんてないわよ。高等部門を卒業出来る程の成績を収め、将来は魔法省に入ることが決まっている。そこで功績を挙げれば、名誉貴族になれる可能性もあるわ。」
「私でも、貴族の方と…?」
「ええ。自分の得意な光属性の魔法を研究していけば、必ず…ね。それまで奪われないようにしないといけないわよ?ふふっ。」
「……っ!ありがとうございます、ヴァリフィア様!私、後悔しないよう今すぐに行ってまいります!」
「ええ。」
メイナを見送るふりをしつつ、こっそりついていく。
すぐにエールズを見つけ、声をかけた。
「あの…エールズ様。」
「メイナ…。どうしたんだい?」
「その……。突然なのですが、私はエールズ様が…好き……です。なのでっ、これからも貴方様のそばに、居させてください……!」
(攻略が成功するか否かが決まる、ヒロインの名台詞!というか、メイナに対していつからタメ口になったの!?でも、それだけ攻略されてたんだ…。)
「っ……!僕も…同じことを思っていたんだ。」
「えっ…。」
「メイナ。僕はメイナがその……好き…なんだ。だから……僕のそばに、ずっと居てくれないか…?」
「…っ……喜んでっ…!」
私は嬉しさのあまり声が出そうになったが、押し殺した。
周りはパーティー恒例の貴族話をしているので、メイナとエールズの現状に気付いていない。
そんな2人に釘付けになっていたせいか、私は後ろから迫る人影を察知出来なかった。
両肩に手を添えられ、初めて振り返る。
「なっ!?何者です?」
「ヴァリフィアが私に気付かないとは。」
「ディ…ディルジア殿下でしたか……。」
「何をしていたのです?」
「メイナとエールズ様が、互いに告白されたようです。それの様子を見ていたのですよ。」
「盗み見ですか?」
「違います……と言いたいところですが、おっしゃる通りです。それで、殿下こそどうなされたのですか?」
「……改めて、私もヴァリフィアに言わなければいけないことがあってね。」
「……?」
(まさか……メイナとエールズが結ばれたから、私が国外追放になっちゃうの?!でも、国外追放にする理由がないはず……だよね…。)
何を言われるのかと、心が落ち着かないのだった--
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