【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒

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白?それとも黒?

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「今後、暫くは動かないでくれたまえ。」

「分かりました。」「承知ですぞ。」

「では今日の話はこれくらいにしよう。あまり長居すると、誰かに見られかねない。」

「同感ですな。」


そしてケルレーム公爵とバーレイク侯爵は、伯爵家を時間を空けて去った。
伯爵に探知魔法をかけ、何時でも居場所が分かるようにしておき、侯爵を追う。


(サールズ達の父親が他国と通じているなんて、信じたくはないものね……。どうか白でありますように…。)


侯爵を追い、行き着いた先は王城だった。
国王陛下の書斎へと迷いなく歩いて行くと、中へ入っていった。
私も姿を消しながら瞬間移動にて書斎へと入る。

会話が始まる前に、私の中で侯爵は白だと確定した。
密会が終わってすぐに国王陛下へと謁見出来たのだ。
予め謁見することを予定していたかのような動きだった。
だからこそ、侯爵は他国に通じていないと確信出来たのだ。


「国王陛下。『賢華』ヴァリフィアと『情報屋』エフェン、2人の行動によりケルレーム公爵と問題となっているサキューセズ伯爵は、暫く動かないようです。」

「そうか。つまりは、新しき武具などを開発するには適しているということだな。」

「はい。……陛下、もしや戦争でも始まりそうなのですか…?」

「いや、戦争などするわけがなかろう。民の生活を良くするため、魔物退治を行う騎士達の武具を強化したいのだが、他国へと流されてしまえば軍事利用されかねない。他国はその武具をさらに進化させ、攻め込んで来るだろうからな。」

「今まではリスクを避ける為に、武具・武器開発を止めていたということでしょうか。」

「その通りだ。」

「なるほど…!流石は陛下。」

「これも全てはバーレイク侯の働きによるものだ。暗部への対策が強くされているが故に、彼らを行かせるわけにはいかなかった。そこで信頼出来る貴族である侯に頼んだのだが、正解だったな。」

「バーレイク侯爵様が白で安心しました。」

「誰だっ!?」

「ヴァリフィアか。」

「はい。無断での入室、申し訳ありません。」

「気にするな。バーレイク侯が他国との関わりがあるかもしれぬと疑っていたのだろう?」

「その通りにございます。ですが杞憂でしたね。仲間だと思っている方が哀れに見えます。敵を欺くにはまず味方から。私も騙された一員ですね。」


本当にバーレイク侯爵が他国と裏で通じていなくて良かった。
しかし、ディルジアを通してでも伝えておいてほしいものだ……。
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