211 / 255
実力者と試練
しおりを挟む
「ちょ、2人とも。どうしたの……!?」
転移した先には、見知らぬ者が居た。
魔石の木を守っている暗部同等の者達は気付いていない。
なぜなら、不可視化の魔法を発動させていたからだ。
それに中々の手練の様子。
気付いているのは私達のみだった。
「誰ですか?無断でこの場に立ち入れるのは、私とヴァリフィアのみのはずですが。」
エフェンはその何者かに、剣を突きつける。
警備の都合上、私達が結界を張っているので無断で立ち入ることを許可されていた。
ディルジアですら、国王陛下に許可をいただかなければならないのだが。
今回はディルジアを私とエフェンが強制的に連れてきたので、ノーカンとさせてもらおう。
「…!?」
「転移は阻止させていただきました。逃げられては困りますから。」
「観念しろ。私達から、逃げられやしないのだからな。」
「……流石だな。『賢華』ヴァリフィア、『情報屋』エフェン。そして第2王子ディルジア殿下、はじめまして。俺はロゼンという。とある方の命により、魔石の木周辺を調査することになった者だ。」
「なるほど。貴方の主が動き出したのだな。」
「まるで俺に命令をした人物を、知っているかのような口ぶりだな。」
「ああ、知っているぞ。逆に聞くが、私が知らないとでも?」
「ふっ、それもそうだな。『情報屋』のエフェン。その堂々たる態度も、学園生とは思えんぞ。」
「お褒めに預かり光栄だ。王国2位の実力者、ロゼ・カンティスハ殿。」
「えっ!?この人がロゼ殿なのです!?」
「そういえば、ディルジア殿下は名前だけは知っているのでしたね。」
「ええ。スフレ先生が王国3位の実力者とはヴァリフィア達が言っていましたけれど…。」
「実を言うと、この国最強、1位の実力者の方にも私達は会っているぞ。」
「エフェン、そういうことは早めに言ってください。」
「冬季休暇中だからな。言う時間もないさ。それに、国王陛下がディルに伝えていないんだ。本来なら、自分で気付けという試練だろうからな。」
「そうですか…。」
国王陛下がディルジアに実力者達の名前のみを伝えている理由、それはエフェンが言った通りのものだ。
自ら情報を集め、見分けられる程の力をつける。
それが国王陛下からディルジアへの試練でもあった。
ロゼはエフェンの言葉に、少し笑って肯定した。
「本題に戻るが、魔石の木の件については俺も協力させてもらおう。もっとも、2人がいれば俺は必要ないだろうけどな。」
「そんなことはありませんよ。今回の件は、殿下にも手伝っていただけますか?」
「勿論ですよ。その為に、ヴァリフィア達に伝えよと国王陛下から命じられてのですから。」
そうして、魔石を奪っていく者の調査をはじめたのだった。
転移した先には、見知らぬ者が居た。
魔石の木を守っている暗部同等の者達は気付いていない。
なぜなら、不可視化の魔法を発動させていたからだ。
それに中々の手練の様子。
気付いているのは私達のみだった。
「誰ですか?無断でこの場に立ち入れるのは、私とヴァリフィアのみのはずですが。」
エフェンはその何者かに、剣を突きつける。
警備の都合上、私達が結界を張っているので無断で立ち入ることを許可されていた。
ディルジアですら、国王陛下に許可をいただかなければならないのだが。
今回はディルジアを私とエフェンが強制的に連れてきたので、ノーカンとさせてもらおう。
「…!?」
「転移は阻止させていただきました。逃げられては困りますから。」
「観念しろ。私達から、逃げられやしないのだからな。」
「……流石だな。『賢華』ヴァリフィア、『情報屋』エフェン。そして第2王子ディルジア殿下、はじめまして。俺はロゼンという。とある方の命により、魔石の木周辺を調査することになった者だ。」
「なるほど。貴方の主が動き出したのだな。」
「まるで俺に命令をした人物を、知っているかのような口ぶりだな。」
「ああ、知っているぞ。逆に聞くが、私が知らないとでも?」
「ふっ、それもそうだな。『情報屋』のエフェン。その堂々たる態度も、学園生とは思えんぞ。」
「お褒めに預かり光栄だ。王国2位の実力者、ロゼ・カンティスハ殿。」
「えっ!?この人がロゼ殿なのです!?」
「そういえば、ディルジア殿下は名前だけは知っているのでしたね。」
「ええ。スフレ先生が王国3位の実力者とはヴァリフィア達が言っていましたけれど…。」
「実を言うと、この国最強、1位の実力者の方にも私達は会っているぞ。」
「エフェン、そういうことは早めに言ってください。」
「冬季休暇中だからな。言う時間もないさ。それに、国王陛下がディルに伝えていないんだ。本来なら、自分で気付けという試練だろうからな。」
「そうですか…。」
国王陛下がディルジアに実力者達の名前のみを伝えている理由、それはエフェンが言った通りのものだ。
自ら情報を集め、見分けられる程の力をつける。
それが国王陛下からディルジアへの試練でもあった。
ロゼはエフェンの言葉に、少し笑って肯定した。
「本題に戻るが、魔石の木の件については俺も協力させてもらおう。もっとも、2人がいれば俺は必要ないだろうけどな。」
「そんなことはありませんよ。今回の件は、殿下にも手伝っていただけますか?」
「勿論ですよ。その為に、ヴァリフィア達に伝えよと国王陛下から命じられてのですから。」
そうして、魔石を奪っていく者の調査をはじめたのだった。
34
お気に入りに追加
1,397
あなたにおすすめの小説

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

成り上がり令嬢暴走日記!
笹乃笹世
恋愛
異世界転生キタコレー!
と、テンションアゲアゲのリアーヌだったが、なんとその世界は乙女ゲームの舞台となった世界だった⁉︎
えっあの『ギフト』⁉︎
えっ物語のスタートは来年⁉︎
……ってことはつまり、攻略対象たちと同じ学園ライフを送れる……⁉︎
これも全て、ある日突然、貴族になってくれた両親のおかげねっ!
ーー……でもあのゲームに『リアーヌ・ボスハウト』なんてキャラが出てた記憶ないから……きっとキャラデザも無いようなモブ令嬢なんだろうな……
これは、ある日突然、貴族の仲間入りを果たしてしまった元日本人が、大好きなゲームの世界で元日本人かつ庶民ムーブをぶちかまし、知らず知らずのうちに周りの人間も巻き込んで騒動を起こしていく物語であるーー
果たしてリアーヌはこの世界で幸せになれるのか?
周りの人間たちは無事でいられるのかーー⁉︎

悪役令嬢はSランク冒険者の弟子になりヒロインから逃げ切りたい
鍋
恋愛
王太子の婚約者として、常に控えめに振る舞ってきたロッテルマリア。
尽くしていたにも関わらず、悪役令嬢として婚約者破棄、国外追放の憂き目に合う。
でも、実は転生者であるロッテルマリアはチートな魔法を武器に、ギルドに登録して旅に出掛けた。
新米冒険者として日々奮闘中。
のんびり冒険をしていたいのに、ヒロインは私を逃がしてくれない。
自身の目的のためにロッテルマリアを狙ってくる。
王太子はあげるから、私をほっといて~
(旧)悪役令嬢は年下Sランク冒険者の弟子になるを手直ししました。
26話で完結
後日談も書いてます。

強すぎる力を隠し苦悩していた令嬢に転生したので、その力を使ってやり返します
天宮有
恋愛
私は魔法が使える世界に転生して、伯爵令嬢のシンディ・リーイスになっていた。
その際にシンディの記憶が全て入ってきて、彼女が苦悩していたことを知る。
シンディは強すぎる魔力を持っていて、危険過ぎるからとその力を隠して生きてきた。
その結果、婚約者のオリドスに婚約破棄を言い渡されて、友人のヨハンに迷惑がかかると考えたようだ。
それなら――この強すぎる力で、全て解決すればいいだけだ。
私は今まで酷い扱いをシンディにしてきた元婚約者オリドスにやり返し、ヨハンを守ろうと決意していた。

婚約者を奪い返そうとしたらいきなり溺愛されました
宵闇 月
恋愛
異世界に転生したらスマホゲームの悪役令嬢でした。
しかも前世の推し且つ今世の婚約者は既にヒロインに攻略された後でした。
断罪まであと一年と少し。
だったら断罪回避より今から全力で奪い返してみせますわ。
と意気込んだはいいけど
あれ?
婚約者様の様子がおかしいのだけど…
※ 4/26
内容とタイトルが合ってないない気がするのでタイトル変更しました。

村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる