【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒

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利用し合っています

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「そうそう。」

「どうかしたか?」

「結婚にまで話が進んでいるけれど、1つ条件を付けたの。」

「ほう?そこは聞き逃していたな。それで、どんな条件なんだ?」

「国王陛下が決めた事だから、殿下に拒否権は無いと知っているのだけれど……彼自身から直接プロポーズされないと受けないと言ったわ。好きとは言われたけれど、結婚までとなると殿下の口から聞きたいもの。」

「ヴァリフィアもディルのことが好きなんだから……」

「だめよ!そういうの…女に言わせる気?」

「そうだよなぁ…。前世の記憶がある分、男からの方が良いというのには頷ける。」

「ええ。今はエフェンも男なのだから、言わないといけない立場ね。ふふっ。」

「私は問題なく言えるぞ?」

「本当かしら。でもエフェンなら、普通に言えても不思議じゃないわね。」


そうして私とエフェンは、この国に表向きは味方することにした。
忠告を無視し、間違ったことをした暁にはツィレイル王国を見捨てる気だ。

他国は私達を警戒する為、戦争などは仕掛けてこないだろう。
さらに、私がディルジアと結婚し、エフェンが魔法省の大臣となれば、他国は私達がこの国に付いたと思うはずだ。
下手なことはしてこなくなる。
つまりは、互いに互いを盾とするのだ。
国→私とエフェンを戦争の抑止力に
私とエフェン→国に仕えることで他国からの干渉を免れる
利用し合うのだ。


「おや?ヴァリフィアとエフェンじゃないか。」

「殿下。」「ディルか。」

「2人とも、気付いていたのか。」

「無論です。殿下は何故このような人気のない場所に?」

「2人に用があって、探していたのさ。」

「殿下も腕を上げられたのですね。」

「嫌味かい?僕が探していることに気付いて、分かりやすいように魔力を僕にだけ一瞬見せたじゃないか。それも2人揃って。」

「あら、何のことでしょう?この森に居た魔物を狩っただけですが。」

「そんなわけ……まぁいいさ。それで用件なんだが……。」

「魔石の木の存在が何者かに知られ、魔石を盗まれている…ということでしょうか。」

「流石だな。その通りだよ。」


その時、エフェンと共に魔石の木周辺に張った結界に反応があった。
私とエフェンは頷き合い、ディルジアを強制的に連れて、その場所に瞬間移動するのだった。
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