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年明けパーティー②
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私はエイリジュの方に向かって歩いていく。
私が進むと、他の令嬢や令息達は皆一様に道をあける。
二つ名とは、それだけで公爵よりも高い地位を与えられたに等しいのだ。
さらに言えば、私は第二王子ディルジアの婚約者。
避けなければならないのは当然だった。
婚約自体は解消したいものなのだが……。
そんなことを考えているうちに、エイリジュの元まで来ていた。
「エイリジュ。」
「姉上!」
エイリジュは他の貴族達がいる前でのみ、『姉上』と呼ぶようにしている。
貴族は普通、そう呼ぶからだ。
日常で姉上と呼ばれるのは嫌だったので、『姉さん』にしてほしいと私が言った。
姉さんの方が、家族感がある。
そしてそう呼んでもらうことが、前世からの夢でもあった。
前世では兄妹がいなかったので、エイリジュが産まれてきてくれたことは本当に嬉しい。
「姉上は挨拶が済んだの……ですか?」
「ええ。皆さんに、新年のご挨拶をしてきたわよ。」
「そうなん……そうなのですね。」
「ふふっ。」
「な、何がおかしいのですかっ……!?」
「いいえ……ふふっ、何だか可愛くて。」
私に対して敬語を使い慣れていない為、ぎこちなくなっている。
可愛くて、つい笑ってしまった。
そんな私とエイリジュの様子を見た令嬢達は……
「まぁ!エイリジュ様のあのような表情、見たことがありませんわぁ~。」
「恥ずかしくしているお姿も素敵ですぅ。」
「憧れであるヴァリフィア様を前にして、緊張なさっているのかしら。」
「家族ですから、緊張なさっているということはないのでは?」
「それもそうですわねぇ~。」
「ですがどんなエイリジュ様も格好良いですわぁ。」
という感じだ。
なんという高評価。
私が見ているエイリジュは、父や母から聞いていた通り皆の知っている姿とはかなり違う様子。
「ヴァリフィア。あまりエイリジュをいじめてやるなよ。」
「エフェン様。人聞きが悪いですわ。私はいじめておりませんよ。少し会いに来ただけではありませんか。」
「はははっ。だが、皆のエイリジュに対する印象を壊さないであげた方が良いんじゃないか?」
「ふふっ、それもそうね。エイリジュ。私は向こうの方にいるわね。何かあったら呼んで頂戴。」
「分かりました、姉上。」
そして私はエイリジュから離れた。
頑張って敬語を使っていたエイリジュを思い出すと、可愛さと普段とは違うという違和感があり、笑けてくる。
笑いを必死にこらえながら、エフェンと共にとある場所へと歩いていくのだった。
私が進むと、他の令嬢や令息達は皆一様に道をあける。
二つ名とは、それだけで公爵よりも高い地位を与えられたに等しいのだ。
さらに言えば、私は第二王子ディルジアの婚約者。
避けなければならないのは当然だった。
婚約自体は解消したいものなのだが……。
そんなことを考えているうちに、エイリジュの元まで来ていた。
「エイリジュ。」
「姉上!」
エイリジュは他の貴族達がいる前でのみ、『姉上』と呼ぶようにしている。
貴族は普通、そう呼ぶからだ。
日常で姉上と呼ばれるのは嫌だったので、『姉さん』にしてほしいと私が言った。
姉さんの方が、家族感がある。
そしてそう呼んでもらうことが、前世からの夢でもあった。
前世では兄妹がいなかったので、エイリジュが産まれてきてくれたことは本当に嬉しい。
「姉上は挨拶が済んだの……ですか?」
「ええ。皆さんに、新年のご挨拶をしてきたわよ。」
「そうなん……そうなのですね。」
「ふふっ。」
「な、何がおかしいのですかっ……!?」
「いいえ……ふふっ、何だか可愛くて。」
私に対して敬語を使い慣れていない為、ぎこちなくなっている。
可愛くて、つい笑ってしまった。
そんな私とエイリジュの様子を見た令嬢達は……
「まぁ!エイリジュ様のあのような表情、見たことがありませんわぁ~。」
「恥ずかしくしているお姿も素敵ですぅ。」
「憧れであるヴァリフィア様を前にして、緊張なさっているのかしら。」
「家族ですから、緊張なさっているということはないのでは?」
「それもそうですわねぇ~。」
「ですがどんなエイリジュ様も格好良いですわぁ。」
という感じだ。
なんという高評価。
私が見ているエイリジュは、父や母から聞いていた通り皆の知っている姿とはかなり違う様子。
「ヴァリフィア。あまりエイリジュをいじめてやるなよ。」
「エフェン様。人聞きが悪いですわ。私はいじめておりませんよ。少し会いに来ただけではありませんか。」
「はははっ。だが、皆のエイリジュに対する印象を壊さないであげた方が良いんじゃないか?」
「ふふっ、それもそうね。エイリジュ。私は向こうの方にいるわね。何かあったら呼んで頂戴。」
「分かりました、姉上。」
そして私はエイリジュから離れた。
頑張って敬語を使っていたエイリジュを思い出すと、可愛さと普段とは違うという違和感があり、笑けてくる。
笑いを必死にこらえながら、エフェンと共にとある場所へと歩いていくのだった。
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