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力より頭
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「ありがとう。」
「私とヴァリフィアで話し合って決めていたことだ。あの皇帝は、会話の中で探りを入れる。気付かぬ間に情報を与えてしまうよりはましだろう。」
「そうね。あと1分来るのが遅れていたら、私は自然に様々な情報を口にしていたかもしれない。」
「そう言いながらも、常に警戒していたじゃないか。」
「当たり前よ。さて、そろそろ行かないとディルジアが怒るわ。」
「そうだな。」
私とエフェンは、王城内の一室に向かう。
第二王子、ディルジアの部屋だ。
皇帝陛下との食事が終わった後に、部屋に来て欲しいと言われていた。
「ここより先は、王族の方々のお部屋になります。通すわけにはいきませんので、お引き取りください。」
「私はエフェン・アーリグェー。隣はヴァリフィア・ラーノンス侯爵令嬢だ。第二王子、ディルジア殿下に呼ばれている。」
「なっ!?え、あ……も、申し訳ございません!まさかエフェン・アーリグェー様と『賢華』ヴァリフィア様だとは…。王城から出る機会が少なく、存じ上げておりませんでした……。」
「そうでしたか。お勤めご苦労様です。」
「どうぞお通り下さいっ。」
彼は近衛騎士団所属の者だった。
私達は彼の前を通り過ぎ、真っ直ぐにディルジアの部屋へと歩いていく。
そして部屋の前に着き、扉を叩く。
ディルジアの許可を得て、中へ入る。
「遅くないかい?」
「殿下、酷いですよ。つい先程まで、皇帝陛下と食事をしていたのですから。」
「ははっ。それで、皇帝陛下はどうだった?」
「一言で表すなら、『気の許せない人』という感じでしょうか。」
「そうだな。油断のならない方なのは、見ていてよく分かったよ。」
「2人がそう言うのなら、間違いないんだろうな。」
「様々な国の中で、最も危険人物かもしれないな。」
「私もそう思うわ。会談の時もそうでしたが、力ではなく頭で敵を寄せつけない強さがありました。」
「そうか……。教えてくれてありがとう。」
「どういたしまして。さて、私はもう行くよ。」
「私も失礼致します。エフェン様、瞬間移動されては先程の近衛騎士団の方に不思議がられますよ。」
「そうだったな。今日は初めて、普通に入ってきたからな。」
「2人が特別なだけさ。今度からは、普通に入ってきてくれ。緊急時以外はで構わないから。」
「分かりました。」「了解した。」
私達は『歩いて』、王城から出たのだった。
「私とヴァリフィアで話し合って決めていたことだ。あの皇帝は、会話の中で探りを入れる。気付かぬ間に情報を与えてしまうよりはましだろう。」
「そうね。あと1分来るのが遅れていたら、私は自然に様々な情報を口にしていたかもしれない。」
「そう言いながらも、常に警戒していたじゃないか。」
「当たり前よ。さて、そろそろ行かないとディルジアが怒るわ。」
「そうだな。」
私とエフェンは、王城内の一室に向かう。
第二王子、ディルジアの部屋だ。
皇帝陛下との食事が終わった後に、部屋に来て欲しいと言われていた。
「ここより先は、王族の方々のお部屋になります。通すわけにはいきませんので、お引き取りください。」
「私はエフェン・アーリグェー。隣はヴァリフィア・ラーノンス侯爵令嬢だ。第二王子、ディルジア殿下に呼ばれている。」
「なっ!?え、あ……も、申し訳ございません!まさかエフェン・アーリグェー様と『賢華』ヴァリフィア様だとは…。王城から出る機会が少なく、存じ上げておりませんでした……。」
「そうでしたか。お勤めご苦労様です。」
「どうぞお通り下さいっ。」
彼は近衛騎士団所属の者だった。
私達は彼の前を通り過ぎ、真っ直ぐにディルジアの部屋へと歩いていく。
そして部屋の前に着き、扉を叩く。
ディルジアの許可を得て、中へ入る。
「遅くないかい?」
「殿下、酷いですよ。つい先程まで、皇帝陛下と食事をしていたのですから。」
「ははっ。それで、皇帝陛下はどうだった?」
「一言で表すなら、『気の許せない人』という感じでしょうか。」
「そうだな。油断のならない方なのは、見ていてよく分かったよ。」
「2人がそう言うのなら、間違いないんだろうな。」
「様々な国の中で、最も危険人物かもしれないな。」
「私もそう思うわ。会談の時もそうでしたが、力ではなく頭で敵を寄せつけない強さがありました。」
「そうか……。教えてくれてありがとう。」
「どういたしまして。さて、私はもう行くよ。」
「私も失礼致します。エフェン様、瞬間移動されては先程の近衛騎士団の方に不思議がられますよ。」
「そうだったな。今日は初めて、普通に入ってきたからな。」
「2人が特別なだけさ。今度からは、普通に入ってきてくれ。緊急時以外はで構わないから。」
「分かりました。」「了解した。」
私達は『歩いて』、王城から出たのだった。
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