【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒

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会談開始です

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「初めましてだな。私はコールシヤ帝国皇帝、ジエクア・フォン・コールシヤだ。」

「よくぞ来てくれた。余はカデリジア・ツィレイル。良い会談になることを願っている、ジエクア・フォン・コールシヤ殿。」

「どうか私のことはジエクアと。」

「ならば余もカデリジアで構わぬ。」


ジエクア皇帝陛下とカデリジア国王陛下は、私の目の前で握手を交わす。
ジエクア・フォン・コールシヤ皇帝は若い。
まだ20代後半だ。
しかしその手腕は見事なもので、ジエクアが皇帝となってからは、帝国は活気に溢れる国となった。
凄い人だなぁと思いつつ、周りの人達のように拍手をしていた。
すると皇帝陛下の目が私を捉えた。


「君が『賢華』ヴァリフィアか?」

「はい。」

「皇帝である私を相手にしても表情一つ変えないとは、肝が据わっているな。それとも、慣れていると言った方が良いか?」

「ええと、褒めて下さっているのでしょうか…?」

「くははっ。褒めているぞ。」

「あ、ありがとうございます……?」

「また今度、話をしてみたいものだ。会談が終われば、空き時間を利用して、食事にでも誘って良いか?」

「はい。皇帝陛下にお誘い頂くなど、光栄です。」

「そうか。」

「ジエクア・フォン・コールシヤ皇帝陛下。こちらへ。」

「ああ。」


早めに王国との会談を行いたいという皇帝陛下の申し出により、王城へと到着したその日すぐに開始されることとなっている。

国王陛下の側近が、ジエクア皇帝陛下を案内する。
隣にはカデリジア国王陛下もいる。
その後ろを、私やエフェン、そして皇帝陛下の臣下などが連なる。
勿論護衛の騎士達も。


「ここが会談を行う一室です。どうぞお入り下さい。」


ひとつの机を囲み、座ったのは王国側3名、帝国側2名の計5名。
国王陛下、私、エフェンと、皇帝陛下、第一宰相だ。
そして後ろに国王陛下と皇帝陛下の護衛を兼ねた側近が控えている。
その他の騎士などは、部屋から退出してもらった。
内容は、信頼出来るもののみで行いたかったからだ。
もしもの場合に備えた護衛はどうするのだという意見があったが、私とエフェンがいるのだから問題ないと黙らせた。
と言うより、エフェンが脅しただけなのだが。


「では、二国会談を開始致します。」


国王陛下の側近ケルスの言葉により、会談は開始された。
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