【完結】私ですか？ただの令嬢です。

弟が可愛いです！

久しぶりに家族全員での食事だ。
エイリジュは食べながら自慢話をずっとしていた。
どれほどの魔法を使えるようになったのか、剣術を教えてくれている指南役の先生に褒められたのだとか。
本当に自慢話ばかりだが、可愛いので気にならない。
何でも許してしまう。


「それにしても……リフィ達の芸術魔法、素晴らしかったわよ。」

「そうだな。国王陛下にもお褒めいただいたぞ。」

「姉さんの魔法、とっても凄かったよ！」

「あ、ありがとうございます。私も直接、国王陛下からお褒めいただきました。まさかお父様にもお話されていたとは…。」

「それだけ、リフィ達の魔法に感動したということだ。」

「お父様やお母様が見に来て下さっていたことは知っていたのですが、忙しくてどうしても挨拶する時間がなかったのです…。申し訳ありません。」

「そんなに気を遣わなくて良い。忙しいのは知っていたからな。」

「リフィ達の完璧な公演、思わず見とれてしまったわ。お客さんが増えて、大変だったでしょう？」

「はい…。準備から公演終了後の片付けまで、とても大変でした。その後も宮廷魔法師の方に教えたりなど、ゆっくりする暇もなく……。」

「そうだったのね…。でも、今は冬季休暇中。休みを満喫してね。」

「はいっ、お母様。」

「僕とも遊んでほしいな……。」

「ええ。昼食を食べ終えたら、魔法見せてくれるかしら？」

「うんっ。勿論だよ！」


エイリジュが、うっとりとするほどの可愛い笑顔で返事をした。
父と母の2人は微笑ましそうに私とエイリジュを見ている。

私は夏季休暇同様、楽しい休暇を送れそうだと思ったのだった。