【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒

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さくっと終わらせましょう!

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翌日の朝。
私はディルジアとエフェンの2人と待ち合わせをしていた。
昨日は夏季休暇中の登校日のようなもので、毎年その日に文化祭の出し物を決めるのだ。


「おはようございます、殿下、エフェン。」

「おはよう、リフィ。」

「おはよ~う。ふわぁぁぁ…。」

「エフェンは私より朝が弱いのね。意外だわ。」

「違うさ。昨日は夜更かししてしまってな。ほとんど寝てないんだよ。」

「そう。自業自得ね。さて、とりあえず移動しましょう。」

「そうだね。」「そうだな。」


瞬間移動にて、私達は学園の空き部屋に移動する。
事前にスフレに許可をもらっている部屋だ。
学園の最上階なので、階段では時間がかかってしまう。
だからこそ、転移したのだった。


「早く演出内容を決めて、夏季休暇を満喫しないとね!2日で終わらせましょう。」

「ヴァリフィア、それは無理があるんじゃ…。」

「そうだよリフィ。」

「問題ないと思います。エフェン、少し耳を貸してくれるかしら?」

「ん?ああ、構わないが。」


私は小声でエフェンに伝えた。
演出の大まかな内容を。
ある程度案は出してある。


《前世のアニメや漫画であった、魔法によるショーを元にするよ。》

《了解。確かに、アニメなどは私にしか通じないな。》

《でしょう?だから、ディルジアへの魔法についての説明は私がする。その代わりに人の配置を考えてほしいの。》

《オーケー。そういうのは苦手そうだもんな。》


内緒話を終え、ディルジアに向き直る。
何故か不服そうな顔だ。
気にせず話をする。


「お待たせしました。パフォーマンスに使用する魔法は、既に決めてあります。夏季休暇終了後、実演しクラスメイトの皆に覚えてもらいます。最初は初級魔法程度のもので、徐々に派手にしていきます。最終はエフェンと共同で大技を見せるつもりです。」

「待ってくれないか。エフェンと…というが、僕ではダメなのかい?」

「かなり高度な魔力操作が必要です。私と同等であるエフェンにしか無理かと。」

「……どうしてもか?」

「どうしても、です。」

「分かった…。」

「勿論、私と殿下の2人で行う演出もありますよ。」

「本当かっ!?」

「はいっ。 」


急に今度は笑顔になるディルジア。
分かりやすい……。
ポーカーフェイスという言葉を知っているのだろうか…。
異世界なので知らないかもしれない。


「パフォーマンス用の魔法は決めてありますが、どのようにクラスメイトの皆さんを配置するかは決めていません。そこでエフェン、頼むわよ。」

「ああ。後でヴァリフィアには実演してもらえるか?」

「ええ。演出場の使用許可ももらっているから、今から行きましょうか。」

「準備が良いな。」

「本当だね…。」


私達は演習場へと向かい、2人の前で魔法を実演した。
エフェンは明日にでも、各パフォーマンス魔法使用時の配置を決めてくるそうだ。
その日はこれで解散した。
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