【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒

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今年の出し物は……

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--翌日--


「おはようございます、ヴァリフィア。」

「(え、えぇ~じゃなくて…)おはようございます、殿下。」

「何です?今の間は。」

「いいえ、何も。さて、学園に行きましょう。」

「そうですね。」


ディルジアの質問をさらっと流して、学園に向かう。
何故朝から寮の前で待っていたのか分からなかった。
今日は一緒に学園行こうと、言われていなかったのだが…。


「殿下、今日はご一緒に向かう日ではないはずでしたが……。」

「私が一緒に行きたかっただけですよ。君に羽虫がついてはいけませんからね。」

「ええ……っと、どういう意味でしょうか…。」

「さぁ?それよりも、着きましたよ。」

「は、はい……。」


クラスルームへと入る。
数分後には、スフレが入ってきた。
いつもより嬉々としている様子。
何かあったのだろうかと、そう思っていると……。


「今日は皆に決めてもらいたい事がある。それは……文化祭の出し物だ!」

「「「おおおっ!?」」」

「今年もこの時が来た。最上級生であるお前達は、出し物を優先的に決められる。何か案のある者はいるか?」

「はい!私はお化け屋敷が良いと思います!」

「私はカフェのようなものをしたいですわ!」

「劇とかはどうでしょう…?」


話は盛り上がり、様々な案が出た。
最終的に決まった出し物は……。


「最上級生としての凄さを見せる為にも、魔法でのパフォーマンスをやってはどうでしょう?!ヴァリフィア様やエフェン様もいますし…。」

「それは良いですわね!」

「面白そうですね。」

「賛成ですぅ。」

「では改めて聞こう。『魔法によるパフォーマンス』に賛成の者は手を挙げてくれ。」


スフレがそう聞くと、全員の手が上がった。
魔法によるパフォーマンスは、文化祭の出し物としては学園初となる。
ありそうなものだが、なかったのだ。
そしてスフレもOKを出したので、文化祭はこれを行うことになった。


「リーダーや、どう演出するのかを決めなければならないが、誰にする?」

「それは勿論…。」


クラスメイトの言葉で、私に視線が集まる。
隣のエフェンにもだ。
やるしかないという空気が流れている……。


(ですよねぇ……。)

「私がリーダーを務めますわよ……。」

「では私は副リーダーだね。」

「演出は、私とエフェン様で決めてもよろしいでしょうか?」

「私は構わないが、皆はそれで良いのか?」

「「「はい!」」」

「満場一致のようだな。ではよろしく頼むよ、ヴァリフィア令嬢にエフェン令息。」

「かしこまりました。最高のパフォーマンスに仕上げてあげましょう。」

「スフレ先生。ディルジア殿下も補佐として協力を求めたいのですが、構いませんか?」

「良いだろう、エフェン令息。しかし、殿下は......」

「大丈夫ですよ。もとより、ヴァリフィア達を手伝おうと思っておりましたので。」

「そうか。」


何故エフェンがディルジアに協力を求めたのか分からないが、パフォーマンスのそういう才能でもあるのだろうか。
何にせよ、人手が増えるのはありがたいことだ。
ディルジアも乗り気のようなので、気にしないことにした。
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