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事前に決める?関係ありません!
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私とエフェンは、魔石の木周辺に感知系の結界を張って帰った。
ディルジアには何も言わずに。
生物が結界に触れた場合、私とエフェンに知らせが行くようにしてある。
感知された側は気付かない。
寮に戻り、自室へと入って数分が経つとエフェンが転移してきた。
街に寄っていた事もあり、既に日は暮れている。
「ヴァリフィア。」
「来たね、エフェン。」
「今日は驚かないな……。」
「来ることが分かっていたもの。」
「まぁ、来ないわけがないさ。あれほどの発見、ディルも報告しないということは出来ないだろうしな。」
「国王陛下から答えろと言われたら、嫌でも答えるしかないよね。」
「ああ。拒否したら国王に逆らうも同義。そうなれば厄介な事になりかねない。」
「そうね。私達の言葉をディルジアが伝えたとしても、陛下はあの魔石を掘り起こせと命令する。そして王城近くに埋め直すかもしれない。」
「面倒な事だ…。お?」
「動いたようね。結界に触れている者が現れた。数は……10人ね。」
魔石の木周辺に張った結界に反応があった。
国王陛下直属、極秘部隊『暗部』の者達のようだ。
エフェンも暗部の存在は知っているらしく、溜息をついている。
暗部は一人ひとりが実力者であり、相手をするのが面倒なのだ。
「面倒」と言うだけで、普通に勝てるのだが。
そして、それはエフェンも同じである。
「行きましょうか。」
「転移は任せても?」
「勿論。行くよ!」
私は魔石の木の真下辺りに転移した。
周囲は真っ暗だが、魔石だけが輝きを放っている。
目の前には既に暗部の10名が構えている。
「誰だ!?」
「こんばんは、暗部の皆様?」
「なっ、貴女は……。それに…。」
「初めましてかな?暗部の事は知っていましたが、こうやって話した事はありませんね。」
「エフェン・アーリグェー公爵令息……。」
「エフェン令息……『情報屋』の!?」
「そうとも呼ばれていますね。さて、暗部の方がここにいるのは、陛下からのご命令ということで合っていますか?」
「……そうです。」
エフェンは暗部の方々を睨んでいる。
かなり怒っているらしく、声も少し低くなっている。
隣にいる味方の私ですら、少し怖いと思ってしまうほどだ。
「私達の警告、ディルジア殿下から伺っていないのですか?」
「勿論聞いています。ですが陛下の命ですので。」
「……分かりました。ならば、阻止致しましょう。エフェン様。」
「了解。『麻痺毒』」
「ぐっ……力が…。」
「なんだこれは……。」
暗部の者達は、次々と身動きが取れなくなっていく。
私は追い討ちをかけるように、魔法を使用不可能にする付与が施された拘束魔道具を、魔法で一斉に全員に付けた。
抵抗は一切許さない。
「勝負ありましたね。」
「ヴァリフィアは容赦ないな。」
「あら、それはエフェン様も同じでしょう?」
「そうか?」
「やはり、手も足も出ませんね…おふた方には。」
「強すぎる……。」
「無詠唱の恐ろしさを痛感しますね…。」
参ったと言わんばかりに、諦めた様子でいる。
実力差は明白なので、戦闘が始まった時には勝者が決まっているも同然なのだ。
それを理解したらしい。
「お褒めに預かり、光栄ですね。さて、一緒に陛下の元まで行きましょうか。」
「「「え?」」」
「え?」
「ちょ…っとお待ち下さい、今何と?」
「陛下の元に向かうと言ったのです。」
「私もヴァリフィアと同意見です。陛下と直接話をする方が良いですから。」
「それには陛下へ謁見する予定時間を、事前に決めなければなりませんが…。」
「陛下は今謁見の間ではなく、王室にいらっしゃるのでしょう?ならば問題はありませんよ。」
「不敬罪ですが…。」
「私には関係ありませんね。陛下も、私とエフェン様をどうにか出来るとは思っていませんから。」
「えぇ……。」
拒否権なしで、国王陛下の元まで瞬間移動を発動したのだった。
ディルジアには何も言わずに。
生物が結界に触れた場合、私とエフェンに知らせが行くようにしてある。
感知された側は気付かない。
寮に戻り、自室へと入って数分が経つとエフェンが転移してきた。
街に寄っていた事もあり、既に日は暮れている。
「ヴァリフィア。」
「来たね、エフェン。」
「今日は驚かないな……。」
「来ることが分かっていたもの。」
「まぁ、来ないわけがないさ。あれほどの発見、ディルも報告しないということは出来ないだろうしな。」
「国王陛下から答えろと言われたら、嫌でも答えるしかないよね。」
「ああ。拒否したら国王に逆らうも同義。そうなれば厄介な事になりかねない。」
「そうね。私達の言葉をディルジアが伝えたとしても、陛下はあの魔石を掘り起こせと命令する。そして王城近くに埋め直すかもしれない。」
「面倒な事だ…。お?」
「動いたようね。結界に触れている者が現れた。数は……10人ね。」
魔石の木周辺に張った結界に反応があった。
国王陛下直属、極秘部隊『暗部』の者達のようだ。
エフェンも暗部の存在は知っているらしく、溜息をついている。
暗部は一人ひとりが実力者であり、相手をするのが面倒なのだ。
「面倒」と言うだけで、普通に勝てるのだが。
そして、それはエフェンも同じである。
「行きましょうか。」
「転移は任せても?」
「勿論。行くよ!」
私は魔石の木の真下辺りに転移した。
周囲は真っ暗だが、魔石だけが輝きを放っている。
目の前には既に暗部の10名が構えている。
「誰だ!?」
「こんばんは、暗部の皆様?」
「なっ、貴女は……。それに…。」
「初めましてかな?暗部の事は知っていましたが、こうやって話した事はありませんね。」
「エフェン・アーリグェー公爵令息……。」
「エフェン令息……『情報屋』の!?」
「そうとも呼ばれていますね。さて、暗部の方がここにいるのは、陛下からのご命令ということで合っていますか?」
「……そうです。」
エフェンは暗部の方々を睨んでいる。
かなり怒っているらしく、声も少し低くなっている。
隣にいる味方の私ですら、少し怖いと思ってしまうほどだ。
「私達の警告、ディルジア殿下から伺っていないのですか?」
「勿論聞いています。ですが陛下の命ですので。」
「……分かりました。ならば、阻止致しましょう。エフェン様。」
「了解。『麻痺毒』」
「ぐっ……力が…。」
「なんだこれは……。」
暗部の者達は、次々と身動きが取れなくなっていく。
私は追い討ちをかけるように、魔法を使用不可能にする付与が施された拘束魔道具を、魔法で一斉に全員に付けた。
抵抗は一切許さない。
「勝負ありましたね。」
「ヴァリフィアは容赦ないな。」
「あら、それはエフェン様も同じでしょう?」
「そうか?」
「やはり、手も足も出ませんね…おふた方には。」
「強すぎる……。」
「無詠唱の恐ろしさを痛感しますね…。」
参ったと言わんばかりに、諦めた様子でいる。
実力差は明白なので、戦闘が始まった時には勝者が決まっているも同然なのだ。
それを理解したらしい。
「お褒めに預かり、光栄ですね。さて、一緒に陛下の元まで行きましょうか。」
「「「え?」」」
「え?」
「ちょ…っとお待ち下さい、今何と?」
「陛下の元に向かうと言ったのです。」
「私もヴァリフィアと同意見です。陛下と直接話をする方が良いですから。」
「それには陛下へ謁見する予定時間を、事前に決めなければなりませんが…。」
「陛下は今謁見の間ではなく、王室にいらっしゃるのでしょう?ならば問題はありませんよ。」
「不敬罪ですが…。」
「私には関係ありませんね。陛下も、私とエフェン様をどうにか出来るとは思っていませんから。」
「えぇ……。」
拒否権なしで、国王陛下の元まで瞬間移動を発動したのだった。
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