【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒

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彼女は……(王子視点)

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「殿下、最近どうなされたのですか?」

「サールズ兄さんの言う通りですよ。何かあったのです?」

「2人とも…どうしてそんな事を聞くんだい?」

「明らかに様子が変だからです。」

「サールズ……そんなにはっきり言わなくても…。」

「悩んでいるのかと思ったら、悲しそうに俯いて。分かりやすいので全て言ってしまうと、ヴァリフィア様の事でしょう?」

「っ!エールズ!」

「良いじゃないかサールズ兄さん。間違ってないんだろうし。」

「お前っ…。」 


二学園交流会中の昼食休憩。
僕はサールズ、エールズの3人で昼食を摂っていた。
浮かない顔をしているのを察していたのか、サールズがその事を切り出した。
確かに、最近悩みはあった。
それを話すことにした。


「聞いてくれるか、2人とも。」

「「はい。」」

「交流会中とはいえ、ヴァリフィアと話せていなくてね。」

「そんなことですか……」

「それだけじゃない。エフェンはヴァリフィアと一緒にいることが多いんだよ。」

「つまり、エフェン様がヴァリフィアを狙っているのではないか…と?」

「或いは、ヴァリフィア様の気持ちがエフェン様に向く…とかですかね。」

「その通りだよ。」


以前、エフェンにヴァリフィアを奪うつもりは微塵もないと言われたが、一緒の行動していることが多いとなると、気になるのは当然だ。


「大丈夫だと思うんですが…。」

「何故そう思うんだ、エールズ。」

「エフェン様って、女性が男装した感じの性格に思うんですよ。いや、どう見ても男性ですけどね?」

「確かにそれは感じますね……。」

「だから大丈夫じゃないかなと。」

「そう……なんだろうか…。」

「悪かったな、男装した女性みたいな性格で。」

「げっ、エフェン様!?」

「『げっ』とはなんだ、エールズ。」

「いやぁ…あはは……。その、すみません!」

「別に怒ってはいないさ。少し苛っとはしたがな。」


いつの間にかエフェンが立っていた。
おそらく瞬間移動してきたのだろう。
しかし、いきなり来られるのは心臓に悪いというものだ。


「しかし、確かにエフェンはスフレ先生に少しにているな。」

「ディルまで…。とはいえ、私がヴァリフィアを狙うことは絶対にないと言っておくよ。それに、ヴァリフィアの心が私に向くこともな。」

「何故言いきれる?」

「彼女の心が向いているのは、ディルだけだからさ。先程も、ディルと会えていないと嘆いていたよ。」

「本当かっ!?」

「ああ。それに、私とヴァリフィアは親友だ。それ以上になることはないと、2人で誓っている。」

「そうか…。余計な心配だったね。」

「全くだよ。ヴァリフィアの事となったら、君は他が見えなくなる。前にも言ったが、ディルに恨まれるなんてごめんだね。私はこれからも友でいたいのだからな。」

「ああ。エフェンは頼りになる友だよ。」

「そう言ってもらえると嬉しいね。さて、そろそろ授業が始まる。行こうか。」

「「はい。」」「そうだな。」


悩みがすっきりと無くなり、清々しい気持ちで授業に向かった。
それにしても、男性した女性みたいな性格…。
性別はどう見ても男性だが、少し気になるのだった。
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