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学園長室にて
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「わっ!びっ、びっくりしたぁ…。」
「驚かせてごめんなさい。これが一番早いと思ったのですわ。」
「い、いえ、お気になさらずに。」
「2人とも。学園長室に入ろう。」
「ええ。」「はい。」
いきなり現れた私とエフェンに驚くハスガヌア。
エフェンはお構いなしに学園長室の扉をノックした。
「入れ。」
「「「失礼します。」」」
そこには、笑顔の学園長が座っていた。
少し気持ち悪い…。
何故かにやついている。
隣のエフェンを見ると、私と同じ反応のようだ。
あまり表情が変わっていないように見えるが、口元が地味に動いている。
「2人とも、何故そんな反応なんだ?」
「いえ、何でもありません。それよりも……学園長こそ、どうなされたのですか?」
「はははっ、つい嬉しくてな。それで? かの学園長には、挨拶に行ったのか?」
「はい。試合終了後、ご挨拶をしてきました。」
「そうか。つまり、話しをしてきたということか。」
「その通りです。」
そういうと、学園長はエフェンを見た。
エフェンは私から一歩後ろで控えている。
貴族位で見れば私より位が高いはずなのだが、話の内容上、私が前に出ていてもおかしくはない。
「ヴァリフィアがほぼ1人で話しました。かの学園長は、中々に面白い反応をしていましたよ。」
「はははっ!そうか。ならば安心しても良いのだな?」
「無論です。」
「エフェン令息がそう言うのなら、安心出来よう。ヴァリフィア令嬢が、直々に行った甲斐があったというものだろう。」
「あ、あの……。」
「ああ、すまない。こちらの話だ、ハスガヌア令息。」
「は、はい…?」
疑問が隠しきれない様子のハスガヌア。
しかし、この交流会の裏側のことを知らないので当然だろう。
教えるつもりもないが。
「交流試合終わりにここへ来るよう呼んだのは、他でもない褒美の件だ。」
「褒美…ですか。」
褒美と言われ、二つ名を授けられた時を思い出す。
名誉な事なのだが、貴族的にあまり嬉しいものではなかった。
今回はそこまでのことはしていないので、簡単な褒美だろう。
「単刀直入に聞こう。何が欲しい?」
「失礼ながら、褒美は受け取れません。私達はあくまでも学園の行事を手伝ったまでです。」
「いいや、それだけではない。直接かの学園長に話しをしたのだ。陛下からも、後に2人で王城へと来るよう伝えてくれと頼まれている。」
「……分かりました。ですが、私は陛下からお尋ねされた際に答えます。」
「そうか。確かに、既にこの件は知っておられるだろうからな。エフェン令息は?」
「私もヴァリフィアと同じで構いません。ハスガヌアの願いを聞いていただければ。」
「分かった。ではハスガヌア令息。何か望みはあるか?」
「え、ええっと……直ぐには思い付きません…。」
「それもそうだろうな。では決まったら教えてくれ。」
「わ、分かりました…!」
国王陛下から本当に褒美が与えられるのかは分からないが、学園長から特に欲しいものはないので、そう答えておいた。
エフェンも私にのったようだ。
ハスガヌアは困った顔をしたままだった。
「話は以上だ。また何かある時は、報告や協力を頼む。」
「「承知しました。」」
「行って良いぞ。」
「はい。」
「「「失礼します。」」」
部屋を出ると、ハスガヌアがへたり込む。
相当緊張していたようだ。
張っていた気が抜け、力なく座っている。
「大丈夫かい?」
「は、はい…。お見苦しい姿をお見せしました。」
「流石に慣れないよね。」
「お2人は流石ですね。どのような相手でも、堂々としていらっしゃる…。」
「ははっ。国王陛下にも謁見しているからね。慣れさ。」
「普通、慣れるほどお会い出来るような方ではありませんよ……。」
「あはは、それもそっか。さて、戻ろうか。交流会は、まだ続いているんだから。」
「そうですわね。もうすぐ交流授業が始まる時間です。」
私達はクラスルームへと向かうのだった。
「驚かせてごめんなさい。これが一番早いと思ったのですわ。」
「い、いえ、お気になさらずに。」
「2人とも。学園長室に入ろう。」
「ええ。」「はい。」
いきなり現れた私とエフェンに驚くハスガヌア。
エフェンはお構いなしに学園長室の扉をノックした。
「入れ。」
「「「失礼します。」」」
そこには、笑顔の学園長が座っていた。
少し気持ち悪い…。
何故かにやついている。
隣のエフェンを見ると、私と同じ反応のようだ。
あまり表情が変わっていないように見えるが、口元が地味に動いている。
「2人とも、何故そんな反応なんだ?」
「いえ、何でもありません。それよりも……学園長こそ、どうなされたのですか?」
「はははっ、つい嬉しくてな。それで? かの学園長には、挨拶に行ったのか?」
「はい。試合終了後、ご挨拶をしてきました。」
「そうか。つまり、話しをしてきたということか。」
「その通りです。」
そういうと、学園長はエフェンを見た。
エフェンは私から一歩後ろで控えている。
貴族位で見れば私より位が高いはずなのだが、話の内容上、私が前に出ていてもおかしくはない。
「ヴァリフィアがほぼ1人で話しました。かの学園長は、中々に面白い反応をしていましたよ。」
「はははっ!そうか。ならば安心しても良いのだな?」
「無論です。」
「エフェン令息がそう言うのなら、安心出来よう。ヴァリフィア令嬢が、直々に行った甲斐があったというものだろう。」
「あ、あの……。」
「ああ、すまない。こちらの話だ、ハスガヌア令息。」
「は、はい…?」
疑問が隠しきれない様子のハスガヌア。
しかし、この交流会の裏側のことを知らないので当然だろう。
教えるつもりもないが。
「交流試合終わりにここへ来るよう呼んだのは、他でもない褒美の件だ。」
「褒美…ですか。」
褒美と言われ、二つ名を授けられた時を思い出す。
名誉な事なのだが、貴族的にあまり嬉しいものではなかった。
今回はそこまでのことはしていないので、簡単な褒美だろう。
「単刀直入に聞こう。何が欲しい?」
「失礼ながら、褒美は受け取れません。私達はあくまでも学園の行事を手伝ったまでです。」
「いいや、それだけではない。直接かの学園長に話しをしたのだ。陛下からも、後に2人で王城へと来るよう伝えてくれと頼まれている。」
「……分かりました。ですが、私は陛下からお尋ねされた際に答えます。」
「そうか。確かに、既にこの件は知っておられるだろうからな。エフェン令息は?」
「私もヴァリフィアと同じで構いません。ハスガヌアの願いを聞いていただければ。」
「分かった。ではハスガヌア令息。何か望みはあるか?」
「え、ええっと……直ぐには思い付きません…。」
「それもそうだろうな。では決まったら教えてくれ。」
「わ、分かりました…!」
国王陛下から本当に褒美が与えられるのかは分からないが、学園長から特に欲しいものはないので、そう答えておいた。
エフェンも私にのったようだ。
ハスガヌアは困った顔をしたままだった。
「話は以上だ。また何かある時は、報告や協力を頼む。」
「「承知しました。」」
「行って良いぞ。」
「はい。」
「「「失礼します。」」」
部屋を出ると、ハスガヌアがへたり込む。
相当緊張していたようだ。
張っていた気が抜け、力なく座っている。
「大丈夫かい?」
「は、はい…。お見苦しい姿をお見せしました。」
「流石に慣れないよね。」
「お2人は流石ですね。どのような相手でも、堂々としていらっしゃる…。」
「ははっ。国王陛下にも謁見しているからね。慣れさ。」
「普通、慣れるほどお会い出来るような方ではありませんよ……。」
「あはは、それもそっか。さて、戻ろうか。交流会は、まだ続いているんだから。」
「そうですわね。もうすぐ交流授業が始まる時間です。」
私達はクラスルームへと向かうのだった。
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