【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒

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思っていたより…弱い?

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目の前の対戦相手3名の内、誰がスフレの言っていた強者なのかは一目見ただけで分かった。
エフェンも気付いているようだ。
名はリゾンというらしい。
どのような作戦で来るのだろうか。

そして、開始の合図が鳴る。


先に動いたのはリゾンだった。
一瞬でエフェンとの間合いを詰めた。
しかし、エフェンも軽々と迎撃する。
否、わざと体勢を崩し、ぎりぎり迎撃できたように見せかけていた。


エフェンは私に目線だけで伝えてきた。
『先にそっちを片付けてくれ。』と。
私は頷き、対戦相手を見る。


「ハスガヌア様。左をお願いしますわ。」

「分かりました…!」


弱い方をハスガヌアにあてる。
私とハスガヌアが左右に分かれると、対戦相手も左右1人ずつに分かれた。


「作戦が全く意味を成していませんね…。」

「はぁ…!」

「おっと。」

「くっ……ちょこまかと…!」

「戦闘不能にする…ですか。これならば問題はありませんよね?」


パチンッ!


私が指を鳴らすと、相手は倒れる。
眠りの魔法をかけたのだ。
ただ眠りに落ちるだけなので、身体に影響はない。


「さて、エフェンの相手を奪いますか。」


私がエフェンとリゾンに近づいて行くと、エフェンが私に気付いた。
後ろに大きく跳び、私の隣まで後退した。


「あとは任せても?」

「ええ。ハスガヌア様の援護を。」

「了解した。」


そう言うと、エフェンはハスガヌアの元へ走って行った。
私はリゾンに向き直る。


「さてと。」

「エフェンとやらを、一瞬で終わらせるつもりだったのだがな。」

「そうでしょうね。では代わりに、私が貴方を一瞬で終わらせましょう。」

「出来るものならやってみるといい…!」

「では遠慮なく。」


パチンッ!


私が指を鳴らすと、リゾンは倒れた。
最初の生徒同様、眠りの魔法によって寝てしまったのだ。
無詠唱魔法、ここに極まれりである。
詠唱すれば、何の魔法かを見破られ、結界を張って防がれてしまう。
無詠唱ならば何の魔法か知られず、良いタイミングで発動することも出来るのだ。
相手は何の対策も出来ずに戦闘不能に陥る。
エフェンとハスガヌアの方も終わったようだ。


《戦闘不能を確認しました。勝者、フルシーネア学園っ!》


「「「わあぁぁぁ!」」」


歓声と拍手が起こる。


「強者とはいっても、所詮この程度ね。」

「ヴァリフィアの無詠唱魔法の構築スピードと威力が桁外れなだけだよ…。」


強いことは理解しているが、異常だとは思っていないヴァリフィアに、呆れるエフェンなのであった。
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