【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒

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代表……ですよねぇ

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「ヴァリフィア様!その……。」

「安心して、メイナ。彼女達は、これ以上何もしてこないわ。」

「絶対何もしてこないだろうな。あの時の彼女達の顔といったら…くくくっ。」

「エフェン様。そのような言い方をしては、どちらが悪者か分からなくなりますよ?」

「くくっ。殿下も固まっておられたからね。」

「そ、それはエフェンの気のせいでは…?」

「そういう事にしておきましょう。」

「「「??」」」


メイナやユリエル達は何があったのか知らない為、困惑気味だ。


「本当に安心して構わないわよ。しっかりとお話しておいたから。」

「は、はい…。ヴァリフィア様、殿下、エフェン様。ありがとうございます…!」

「どういたしまして。さて、スフレ先生が来るわよ。席に着きましょう。」


そうして、ホームルームが始まった。
3年間担任の教師は変わらず、スフレである。
スフレはいつものように入ってきたのだが、少し様子がおかしい。
険しい顔をしており、雰囲気がピリピリとしてきた。


「おはよう。今日は真面目な話がある。隣国の学園と、交流試合をすることになった。各学園で代表を3名決め、チームで戦う。」


その言葉を聞いた瞬間、クラスメイト達はざわついた。
当然だろう。
交流試合など、今まで一度もなかったのだから。


「そしてフルシーネア学園の代表が、このクラスから2人選ばれている。」


(あー、お決まりですね…。)


「『賢華』ヴァリフィア令嬢と、エフェン令息だ。」


(ですよねー。)


隣に座っているエフェンをちらりと見ると、やっぱりかという顔をしている。
そんなエフェンと目が合った。
2人で溜め息が出そうになるが、アイコンタクトのみで抑える。


「2人は今日、授業を受けずに説明を聞いてもらう。ホームルーム終了後、私についてきてくれ。」

「「分かりました。」」

「では今日の予定だが、授業内容の変更がある--」


ホームルーム終了後、私とエフェンはスフレについて行く。
着いた先は、学園長室だった。


「「失礼致します。」」

「よく来てくれた。交流試合の説明は、この後会議室にてもう1人と合流して行われる。無論一部の教師達も集まる予定だ。」

「では…。」

「今日呼び出したのは、交流試合の本当の意味を伝える為だ。今回交流試合を行う国は、以前会談が行われた国ではない。」

「ということは……私達の力量を計るため、でしょうか。」

「話が早くて助かる。ヴァリフィア令嬢は二つ名があるため当然だが、エフェンは魔法成績で選ばれている。あと1人は隣のクラスだ。魔法成績上位3名を選ぶというのが、交流試合のルールでな。」

「つまり、向こう側の学園も上位3名を出してくる…と。」

「そういうことだ。ヴァリフィア令嬢、くれぐれも注意してくれ。力量を計る為に、相手は学生ではない者を出してくる可能性がある。」

「ご忠告、感謝致します。ですが心配は無用です。考えは既にあります。」

「…流石だな。エフェン令息、サポートを頼んでおくぞ。」

「お任せを。」


話はそれだけだった。
学園長室を退出し、私達は会議室へと向かう。
その間、エフェンが問いかけてきた。


「それで?私のサポートは要らないだろうが、考えってのは何だ?」

「簡単よ。計り知れない強さを持っていると思わせれば良い。」

「というと?」

「一瞬で敵を倒せば良いの。シンプルでしょう?」

「はははっ。確かにシンプルかつ効果的だな。」

「二つ名持ちの私が一瞬で終わらせても、不思議ではないでしょう?それに、エフェンは実力を隠すことが出来る。」

「それはありがたいな。」

「ええ。」


もう1人がどんな人物なのか、私達はそれだけが気になるのだった。
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