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何の話?!

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「ディルジアとは上手くいっているか?」

「えっ…と?」


突然の予想外な質問に困惑した。
国王陛下は相変わらず口元が緩んでいる。


「懇意にはさせていただいていますが…。」


隣を見ると、エフェンは何故か跪いたまま顔を隠して震えている。
どうしたのかと心配したが、それは不要な心配だった。


「くくっ……ふふっ…。」

(え、笑ってるじゃん!私の心配は何だったのよ…もう!)


思わずというように、笑いが漏れていた。
これでも必死に抑えているのだろう。


「そうかそうか!エフェンよ。そなたから見て、2人はどのような感じだ?」

「相も変わらずです。殿下は未だ…。」

「それは本当か…?」

「はい…。正直に伝えれば良いと思うのですが…。」

「そうだな。…そなたに2人を任せても良いか?上手くしてやってほしい。」

「陛下のお頼みとあらば。お任せ下さい。」

「頼んだぞ。」


(え、何?!ディルジアが未だ…とか、正直に伝えるって、エフェンは何の事を言ってるの?それに、陛下もエフェンに2人のことを任せるとおっしゃっているけれど、どういう事だろう…。)


まだ状況が全く読めていなかった。
何故国王陛下が突然、ディルジアと上手くいっているかと聞いてきたのか。
婚約者なのだから、ある程度仲が良いのは当然ではないのだろうか?
疑問が募るばかりだった。

私が頭に?を浮かべていると、国王陛下に名を呼ばれた。


「ヴァリフィアよ。」

「は、はい。」

「隣国への会談に行く際、そなたも連れて行こうと思ったのだが…どうだ?」

「光栄な事ではございますが、私ごときが立ち入るべき領分ではないと思うが故、遠慮させていただきます。」

「そうか…しかし、どうしても内容をそなたにも聞いておいてもらいたいのだが…。」

「それでしたら、近日中に魔道具をお渡し致します。会話の内容を全て、リアルタイム実時間で聞くことが出来るものを、用意して参ります。目立たないよう、指輪に仕立てましょう。」

「出来るのか?実時間で会話を聞くなど、『念話』ですら相手と話せても、他人同士の会話は聞く事が出来ないというのに…。」

「『念話』を応用したものです。指輪とは別に、私の方にも魔道具を置いておき、指輪で会話の音声を拾い、私側の魔道具で受け取って聞くようにするのです。私の方からは何も出来ませんが…。」


国王陛下は納得したように頷き、私に魔道具を届けるよう命令した。
魔道具の指輪を付け、会談に出席して下さるようだ。
話を終え、瞬間移動でエフェンと共に寮へと戻った時、ふと話かけてきた。


「さっきの魔道具、ラジオみたいなものか?」

「そうだね。向こう側の会話は聞こえるけど、こちらからは声が届くことは無い。」

「完璧だな。」

「ええ。早く帰って、創作に取り掛からないと!」

「やる気満々だな……。忘れられているディルジアが、なんだか可哀想だよ…。」

「ん?何か言った?」

「いや、何も。」

「そっか。」


私は急いで部屋へと戻り、魔道具作りに集中するのだった。
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