【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒

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早急に片付けましょう

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(さて、どうしようかな…。)


まだ暗殺者達は纏まっているようだ。
一先ず、先程と同じように瞬間移動で近くまで移動した。
会話が聞こえてくる。


「今は標的ヴァリフィアを刺激しないよう、下手に動かないことが得策だ。」

「そうだな。」

「かなり警戒しているでしょうね。」

「そもそも、我らが暗殺者だって気付いているのか?」

「確かに。姿を見られただけで、我らの正体を察する事など出来るのか?」

「相手は『賢華』の二つ名を持つ者だ。我らの事など、一瞬で見破るだろうよ。」

「なかなかどうして、厄介極まりない依頼だな。」

「全くだよ。」


溜息を吐く暗殺者達。
私はそんな彼らの元へ、普通に近づいて行く。


「そうですね……そんな格好をして気配を消していれば、貴方々が暗殺者である事くらい容易に結論づけられましたよ。」

「何者だっ!」

「聞くまでもないでしょう?この中で暗殺対象である私を知らない者など、いるはずがないのですから。」

「ッッ!ヴァリフィア……侯爵令嬢…。」

「ええ、その通りです。周りでこそこそされては苛立つので、来てあげたのですよ。」


私が笑顔でそう言うと、暗殺者達は顔を引き攣らせていた。
私に短剣などを向けて構えているが、一部の者は手が震えている。


「貴方々が悪くないのは分かっていますよ?暗殺これを生業としているのですから。責任を追求するならば、依頼人に直接会う方が早いでしょう。」

「な、何を…。」

「とりあえず、拘束させていただきます。『魔光縛』!」


その瞬間、暗殺者達は魔法の光によって捕縛された。


「『魔光縛』には、魔法を使用不可にする効果もあります。暫くの間、動かないようにして下さいね?無理に魔法を解こうとすれば、身体が上下に分かれてしまいますから。」


暗殺者達はぎょっとしていたが、私は気にせず次の場所へ瞬間移動で向かった。
印を付けた暗殺者がいる、隣国の公爵家だ。
一度行ったことのある場所にしか瞬間移動は出来ないが、例外がある。
それは、今回のように印を付けている者がいる場合。
魔法の繋がりがあるので、それを辿ることで例え訪れた事のない場所にも、瞬間移動が可能となっいた。

私は無言で目の前の扉を開ける。
中に入り、この公爵家の主に一礼した--
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