【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒

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女子トークです!

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「殿下、それでは失礼致します。護衛、ありがとうございました。サールズ様、エールズ様。」


私は寮の前まで来るとディルジアそして、サールズとエールズの3人と別れる。
寮内の自室へと入り、暫く休んでいると扉の前から声がした。


「ヴァリフィア様、ユリエルですわ。シアにミエラも一緒です。」


私は扉を開け、出迎えた。


「ご機嫌よう、ヴァリフィア様。」

「来てくれてありがとう。さぁ、中に入って。」


3人が来た理由は、話をするため。
言わば、『女子トーク』である。
私が学園のクラスルームを出る際に、誘っておいたのだ。


「それで……ええっと、何をお話するのでしょう?」


ミエラが不思議そうな顔で聞いてくる。


「そうね……。」

「やっぱり、皆集まったのですから恋バナでしょう!」

「良いですわね!そういたしましょう!」

「え、ええ。そうね……あはは…。」


(まぁ、恋バナしたくて誘ったんだけどね。どの世界でも、女子トークの話題は同じってことね!)


シェシュアが満面の笑みでそう言うと、ユリエルもノリノリで賛成する。
そうして女子トークは始まった。


「恋バナと言えば、ヴァリフィア様ですわよね。ディルジア殿下とはどのような感じなのですか!?」

「気になりますぅ。」

「私も気になります!」

「どのような感じか、と言われてもね……。普通よ?別に変わった事なんて無いけれど。」

「ええっ!本当ですの?もっとこう……何かないんですの?」

「特にないわね。でも、最近殿下が少しきも…ゔぅんっ!いつもと違う笑顔を向けてくるのよね……。」


(危ない危ない。皆の前であんな事言ったら流石にまずいよね……ははは…。)


つい本音が漏れそうになる。
しかし、殿下への3人の反応は私と真逆だった。


「それって……やはり…。」

「殿下はヴァリフィア様の事がお好きなのですね!」

「婚約者にと、殿下自ら選んだと聞き及びましたもの。今でもお気持ちは変わらずという事ですね!」


3人が何を言っているのか聞き取れなかったのだが、そんな私を置き去りにしてユリエルが聞いてきた。


「ヴァリフィア様は殿下の事をどうお思いなので!?」

「私は……特別な感情はないわね。殿下に好きな人が出来たのなら、私は婚約を破棄したって構わないわよ。」

「「「ええっ…!」」」

「?」


(何をそんなに驚いているんだろう?普通に言って、王子と結婚とか面倒じゃないの?)


まさかのヴァリフィアの返答に、3人は驚きで顔が固まっていた……。
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