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褒美……?要らないよ!?

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「失礼致しますっ!ブュージェ伯爵家の者全てを、捕縛致しました!地下牢にて、監禁しております。」


私が事の説明を終えてから少し経つと、騎士の1人が謁見の間へと入り、そう告げた。


「うむ、ご苦労だった。下がって良いぞ。」

「はっ!」


(上手く行ったみたいで良かった。相手も油断していたんだろうね。
調査していることは漏らさないようにしていたし、急にベテラン騎士達が来たら、太刀打ち出来ないよねぇ…。)


誘拐や闇奴隷商、ブュージェ伯爵領内の騎士団の買収……等など、その他諸々の罪が着せられるはずだ。


「本当によくやってくれた。感謝するぞ、ヴァリフィアよ。」

「勿体なきお言葉にございます。貴族たるもの、王国の為に動くのは当然です。」


そう応えると、周りの貴族達が騒ぐ。

 
「流石はラーノンス侯爵殿のご令嬢だな。」

「陛下がディルジア殿下のご婚約者に選ばれた理由が伺えるというもの。」

「いやはや、将来が楽しみですな。はっはっはっ。」


更には、国王陛下の一言でよりざわつきが大きくなる。


「ヴァリフィアに、二つ名をやろうと思うのだが。皆の者よ、良いか?」


(ふ、二つ名!?そんなもの、要らないに決まってるでしょう!?私はバッドエンド回避の為に、静かに、平穏に!過ごしたいんだけど…。)


全力で拒否したい……と考えていると、公爵の1人が国王陛下に言う。


「陛下、失礼ながら。二つ名とは、大きな功績を挙げた方に送られるもの。それを齢7歳のヴァリフィア令嬢に与えられると、そう仰るのでしょうか?」

(よく言ったー!私なんかが貰うべきものじゃないよね?!)

しかし、そう思い通りに行く訳もなく……。


「年齢など関係なかろう。余は二つ名を与えるに値する程の功績だと思っておる。
長年にわたり問題視されていたかの伯爵家に対し、危険を顧みずに証拠を押さえんと動いたのだ。」

「それはそうですが…。」

「不満があるのか…?」

「あえて、限られた者のみのこの場で言わさせていただきますが、利用しようとする輩が増えるのではないでしょうか。」

「確かにな。しかし、それは我々が全力をもって阻止すればよい。これだけの功績を挙げたというのに、何もせん訳にはいかんだろう。」

「そうですな。口を挟み、申し訳ございませんでした。」

「よいよい。二つ名は……そうだな--」


(えぇ!?ついちゃうの、二つ名!?もっと強く言ってよぉ~。)


事が更に大きくなったような気がした……。
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