【完結】無能に何か用ですか？

第38話

ヴィアルスとミフェラに判決が言い渡された日の夜。
ルーズフィルト公爵家にて、ささやかなパーティーが行われた。主催者はお義父様だ。


「皆様、ようこそお越し下さいました。早速ですが、今回の主役をご紹介しましょう。ルーズフィルト公爵家の新しき家族となった、レイシアです。」


このパーティーは、私がルーズフィルト公爵家の養子となったことを周知させる為のパーティーである。
招待したのは貴族の階級ごとに二家ずつだ。


「ルーズフィルト公爵家の一員となりました、レイシア・ルーズフィルトです。皆様、改めてよろしくお願い致します。」


私の挨拶が終えた時、拍手が起こる。
それが静まるのを待ってから、再度お義父様が声をかけた。


「ささやかながら、食事を用意させていただきました。今宵はぜひ楽しんで行ってください。」


そう言うと、仕事があるのでと貴族達に挨拶のみをして会場を立ち去って行った。
私は様々な人々と話し、パーティーを楽しんだ。主に私達の計画に関わってくれていた方々だったということもあり、かつてないほどに楽しい一時だった。
このパーティーで、私が養子となった事実は広く知られることになるだろう。