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第27話
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「あ、あの……、何処に向かっているのですか…?」
「ヴィアルス殿下の所です。……っと、行かなくても向こうから来てくれたようですが…。」
前から歩いて来たのは、他でもないヴィアルスだった。
「ミフェラ!」
「ヴィアルス様…!」
「戻って来るのが遅いと思ったから、何かあったのかと思ったんだが…。」
彼は私が軟禁されていた部屋に向かうところだったのだろう。ミフェラが居ることに笑顔を見せつつも、私とお義父様を見て顔つきが変わった。
ポーカーフェイスという言葉を知らない、子供のように次々と変わる表情。見ていて面白い…。
「……どういうことだ?何故レイシアとルーズフィルト公爵が一緒に居る?」
「聞いてくださいヴィアルス様ぁ!公爵様がレイシアを軟禁していた部屋を開けろと言ってきて、さらにはレイシアのことを愛称で呼んでいたんですわ!」
「な、何だと?!それは本当なのか?」
私とお義父様は顔を見合せ、察した。この流れでいけば……
「事実ですわ…!これでは私達の計画が台無しになってしまいます!まだ1日しか経っていないので、私達の評価は下がったまま…。一体これからどうすれば良いのですか!」
「ミ、ミフェラ……、落ち着いてくれ…。」
何も考えていないミフェラが全て話してくれた。慌ててヴィアルスが声をかけるが、もう遅い。本人の言葉だ、言い逃れは出来ない。
それにしても、実の妹がここまで馬鹿だったとは…。いくら焦っているとはいえ、自ら暴露するとは思ってもみなかった。
だがこちらとしてはその方が有り難かった。進めやすくなるからだ。
「つまり……お2人はレイシアを連れ去り、先程の部屋にて軟禁していた。そして自分達の仕事を代わりに行わせ、それを自らがしたように見せかけて周囲の信頼回復に利用しようと考えた……、違いますか?」
「「……。」」
「黙っていても何も分かりませんよ?……とにかく、一緒に来てもらいましょうか。」
抵抗するかと思っていたが、あっさりとお義父様について行くヴィアルスとミフェラ。
王族だから罰など受けないと思っているのか…。当然そんなはずはないし、然るべき罰は受けてもらう。その罰によってヴィアルスの地位も下がるだろうが…。
その後、事情を聞くために部屋を移ったが、2人は黙秘を貫いて何も話さなかった。
だがお義父様が公爵として、調査結果を全て国王陛下に報告した。ヴィアルスが私を誘拐する場面は多くの人々が目にしており、目撃証言が多数用意されている。さらには王城の使用人達も、2人が誰かを軟禁していると気付いていた。
国王陛下の計らいで、明日にも陛下、ヴィアルス、ミフェラ、そしてお義父様と私の5人での事情聴取の場が設けられる事となった。
「ヴィアルス殿下の所です。……っと、行かなくても向こうから来てくれたようですが…。」
前から歩いて来たのは、他でもないヴィアルスだった。
「ミフェラ!」
「ヴィアルス様…!」
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彼は私が軟禁されていた部屋に向かうところだったのだろう。ミフェラが居ることに笑顔を見せつつも、私とお義父様を見て顔つきが変わった。
ポーカーフェイスという言葉を知らない、子供のように次々と変わる表情。見ていて面白い…。
「……どういうことだ?何故レイシアとルーズフィルト公爵が一緒に居る?」
「聞いてくださいヴィアルス様ぁ!公爵様がレイシアを軟禁していた部屋を開けろと言ってきて、さらにはレイシアのことを愛称で呼んでいたんですわ!」
「な、何だと?!それは本当なのか?」
私とお義父様は顔を見合せ、察した。この流れでいけば……
「事実ですわ…!これでは私達の計画が台無しになってしまいます!まだ1日しか経っていないので、私達の評価は下がったまま…。一体これからどうすれば良いのですか!」
「ミ、ミフェラ……、落ち着いてくれ…。」
何も考えていないミフェラが全て話してくれた。慌ててヴィアルスが声をかけるが、もう遅い。本人の言葉だ、言い逃れは出来ない。
それにしても、実の妹がここまで馬鹿だったとは…。いくら焦っているとはいえ、自ら暴露するとは思ってもみなかった。
だがこちらとしてはその方が有り難かった。進めやすくなるからだ。
「つまり……お2人はレイシアを連れ去り、先程の部屋にて軟禁していた。そして自分達の仕事を代わりに行わせ、それを自らがしたように見せかけて周囲の信頼回復に利用しようと考えた……、違いますか?」
「「……。」」
「黙っていても何も分かりませんよ?……とにかく、一緒に来てもらいましょうか。」
抵抗するかと思っていたが、あっさりとお義父様について行くヴィアルスとミフェラ。
王族だから罰など受けないと思っているのか…。当然そんなはずはないし、然るべき罰は受けてもらう。その罰によってヴィアルスの地位も下がるだろうが…。
その後、事情を聞くために部屋を移ったが、2人は黙秘を貫いて何も話さなかった。
だがお義父様が公爵として、調査結果を全て国王陛下に報告した。ヴィアルスが私を誘拐する場面は多くの人々が目にしており、目撃証言が多数用意されている。さらには王城の使用人達も、2人が誰かを軟禁していると気付いていた。
国王陛下の計らいで、明日にも陛下、ヴィアルス、ミフェラ、そしてお義父様と私の5人での事情聴取の場が設けられる事となった。
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