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第11話
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「シェルト様、ありがとうございました。」
「こちらこそ、道中聞かせて頂いたお話は面白いものでした。ではこちらへ。主様……公爵様が書斎にてお待ちです。」
私はルーズフィルト公爵家へと来ていた。シェルト様と呼んでいる彼は、ルーズフィルト公爵様の側近の方だ。下手な者には任せられないと、公爵様が気を利かせてくださったのである。
平民となった私は、これからヴィアルス達がどうなるのかを見届けることが出来ない。そこでルーズフィルト公爵様が提案してくださったのが、公爵家の使用人として働くのはどうかというものだった。
平民として生きていくのも悪くはないと考えていたが、ヴィアルスやミフェラの行く末を見届けられるのならばそちらの方が良かった。
ルーズフィルト公爵様には感謝してもしきれない。協力してくださっただけではなく、私の侯爵家追放後の面倒まで見てくれるとは…。全身全霊をもって、働かせてもらおうと思う。
「公爵様、シェルトです。レイシア様をお連れしました。」
「どうぞ。」
書斎へ入ると、ルーズフィルト公爵様が座っていた。私は扉付近でお辞儀をしてから、近くまで歩いていく。公爵様は机に肘を立てて手を組み、心が読めない完璧なポーカーフェイスで私を見ていた。
私は知っている…。公爵様がこのような表情をしている時は、何かを企んでいる時だ。つまり開口一番に何を言われるのか……、私は少し緊張した面持ちでいた。
「よく来てくれましたね。」
「お世話になります、ルーズフィルト公爵様。そして婚約破棄された後のご対応、感謝しております。」
「気になさらなくて結構ですよ。協力関係にあるのですから、当然の行いです。」
公爵様には、本当に驚かされる。パーティー会場に居られたかと思えば国王陛下の書斎に居て、その数時間後には公爵家に居られる……。何人も同じ人がいるのでは?と思ってしまう。
「これから精一杯働かせて頂きます。」
「ああ、その事なのですが…。」
まさか私がここで働いてはいけなくなった、という内容でも言われるのではと身構えたが、続く公爵様の言葉に、私は耳を疑った。
「レイシアさんを、使用人ではなく娘として迎えることにしました。」
「こちらこそ、道中聞かせて頂いたお話は面白いものでした。ではこちらへ。主様……公爵様が書斎にてお待ちです。」
私はルーズフィルト公爵家へと来ていた。シェルト様と呼んでいる彼は、ルーズフィルト公爵様の側近の方だ。下手な者には任せられないと、公爵様が気を利かせてくださったのである。
平民となった私は、これからヴィアルス達がどうなるのかを見届けることが出来ない。そこでルーズフィルト公爵様が提案してくださったのが、公爵家の使用人として働くのはどうかというものだった。
平民として生きていくのも悪くはないと考えていたが、ヴィアルスやミフェラの行く末を見届けられるのならばそちらの方が良かった。
ルーズフィルト公爵様には感謝してもしきれない。協力してくださっただけではなく、私の侯爵家追放後の面倒まで見てくれるとは…。全身全霊をもって、働かせてもらおうと思う。
「公爵様、シェルトです。レイシア様をお連れしました。」
「どうぞ。」
書斎へ入ると、ルーズフィルト公爵様が座っていた。私は扉付近でお辞儀をしてから、近くまで歩いていく。公爵様は机に肘を立てて手を組み、心が読めない完璧なポーカーフェイスで私を見ていた。
私は知っている…。公爵様がこのような表情をしている時は、何かを企んでいる時だ。つまり開口一番に何を言われるのか……、私は少し緊張した面持ちでいた。
「よく来てくれましたね。」
「お世話になります、ルーズフィルト公爵様。そして婚約破棄された後のご対応、感謝しております。」
「気になさらなくて結構ですよ。協力関係にあるのですから、当然の行いです。」
公爵様には、本当に驚かされる。パーティー会場に居られたかと思えば国王陛下の書斎に居て、その数時間後には公爵家に居られる……。何人も同じ人がいるのでは?と思ってしまう。
「これから精一杯働かせて頂きます。」
「ああ、その事なのですが…。」
まさか私がここで働いてはいけなくなった、という内容でも言われるのではと身構えたが、続く公爵様の言葉に、私は耳を疑った。
「レイシアさんを、使用人ではなく娘として迎えることにしました。」
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